今週も各地で5つのIronmanシリーズレースが開催された。8月中のコナプロポイントを稼ぎたい強豪アスリート達が、特にカナダで開催された北アメリカ地区選手権への参戦を決めている。今週末のIM70.3レースから、2014年度のIM70.3世界選手圏のポイントの始まりのレースであり、シーズン早々から、来年の為のポイントを稼ぎたい選手や、今年の世界選手圏へ向けての調整として出場する選手もたくさんいた様だ。そして、多くの注目を浴びていたのが、当初Challenge Copenhagenとして開催が決定していたのにも関わらず、数ヶ月前に、現地のレースマネージメント会社が、ワールドトライアスロンコーポレイション(WTC)に買収されたことで、急遽Ironman Copenhagenへと名前を変えレースが行われた。その際に、主催国デンマークの皇太子であるFredrik皇太子が、出場を決め、完走を果たしたことが、大きなニュースになっている。
2013 Ironman Mont-Tremblant 北アメリカ地区選手権(カナダ)
プロ男子:コナプロランキングにて、7月に決定権が与えられなかった選手達が、地区選手権として4000ポイントが与えられる、このモントトレンブラントへ集まった。注目を浴びていたのが、ハワイ世界選手権出場常連のオーストラリア代表Luke Bell(ルーク・ベル)、フランス代表期待の選手であるRomain Guillaume(ロメイン・ギローム)、優勝経験もありバイクの強さでも定評のあるオーストラリア代表Paul Ambrose(ポール・アンブローズ)だった。スイムから大きな差が付かずに、大きなパックでバイクスタートを果たした後、80キロ過ぎた所から、Ambroseが引き始め、それを追う様にBellとGuillaumeの3人で走り始めた。トランジションへ戻ってきた頃には、3人から後ろの選手に4分程の差をつけ、一斉にスタートした。最初の10キロは、AmbroseとGuillaumeが、トップ争いをしている頃、経験のあるBellは、自分のペースをキープする様に、あまり差を開かれない程度に、スローペースで走り始めた。この作戦は功を奏し、15キロ地点を過ぎた所で、Bellが先頭へ踊り出した。その後、じっくりと差を広げ始め、2位で走っていたAmbroseと4分差を付け、優勝は目前だと思われた所で、脚が痙攣し始め、数回止まる事態に陥る。だが、しっかりとストレッチし、イーブンペースで走りきり、今年2度目の優勝を北アメリカ地区王者として、飾ることができた。その後、ランナーアップでアメリカ代表Brandon Marsh(ブランドン・マーシュ)とベルギー代表Bert Jammaer(バート・ジャマール)が、最後まで競ったものの、Marshが30秒差をつけ2位に入賞した。
1.Luke Bell(オーストラリア)
00:47:50 | 04:36:36 | 02:57:08 | 08:26:06 |
2.Brandon Marsh(アメリカ)
00:47:45 | 04:41:04 | 02:56:24 | 08:31:01 |
3.Bert Jammaer(ベルギー)
00:48:07 | 04:40:31 | 02:58:08 | 08:31:35 |
プロ女子:その強さの加減を見せないアメリカ代表Mary Beth Ellis(メリー・ベス・エリス)が、2012年世界選手権3位という実力を十分発揮し、去年のIronman New York北アメリカ選手権タイトル保持者として、このMont-Tremblantでも余裕の優勝を飾り、タイトル防衛を果たした。スイムでは、元スイマーであるアメリカ代表Haley Chura(ヘイレイ・チュラ)が予想通りの展開で、トップ通過し、その2分後に、オリンピアンであるイギリス代表Liz Blatchford(リズ・部ラッチフォード)が続き、Ellisは3位通過でバイクスタートした。バイクで勢い良く飛び出した、Ellisが、バイクが強いとされていたドイツ代表Anja Beranek(アンニャ・バーネック)にも2分以上の差をつけ、4時間58分で最初にトランジションへ帰ってきた。その高速バイクラップで、2位から後ろの選手と4分以上の差をつけ、ランをスタートし、Ellisが、そのままフィニッシュラインまで走りきり、北アメリカ地区選手権タイトルの防衛し、この地での初優勝を飾った。2位には、ランで追い上げを図ったオーストラリア代表Rebekah Keat(レベッカ・キート)が入賞し、ドイツ代表Anja Beranekが、3位でレースを終えた。
1.Mary Beth Ellis(アメリカ)
00:51:43 | 04:58:18 | 03:12:47 | 09:07:56 |
2.Rebekah Keat(オーストラリア)
00:55:18 | 05:07:25 | 03:08:32 | 09:16:55 |
3.Anja Beranek(ドイツ)
00:53:20 | 05:00:30 | 03:18:14 | 09:17:26 |
2013 Ironman Copenhagen(デンマーク)
プロ男子:10人以上のデンマーク国内選手の多くを占める中で、デンマーク代表Jens Petersen-Bach(ジェンズ・ピターセンバッチ)が、バイクでの遅れを、ランラップ2時間45分で走りきり、初優勝を掲げた。スイムでは、地元代表Henrik Hyldelund(ヘンリック・ハイルドランド)が、47分19秒でトップ通過したまま、バイクでも4時間23分のハイスピードで、他のライバル達を絶望とさせるパフォーマンスを見せる。だが、バイクで力を使いすぎてしまったのもあり、このフラットなランコースを使ったスピードで、Petersen-Bachが、10分以上の差を、追い上げを見せ、フィニッシュテープを切った。ランで粘ったHyldelundが2位でフィニッシュし、デンマーク代表Esben Hovgaard(イズベン・ハブガード)が、3位に入賞した。
1.Jens Petersen-Bach(デンマーク)
00:49:46 | 04:33:51 | 02:45:15 | 08:12:41 |
2.Henrik Hyldelund(デンマーク)
00:47:19 | 04:23:58 | 02:57:52 | 08:13:39 |
3.Esben Hovgaard(デンマーク)
00:51:46 | 04:31:49 | 02:49:17 | 08:16:38 |
プロ女子:今年のIronman Austriaでは、途中棄権で終わってしまった、オーストリア代表Eva Wutti(エバ・ワティ)が、3種目共バランスの良いレース展開を見せ、Ironman歴代7位の高速タイム8時間37分36秒を弾きだし、初優勝を飾った。スイムに定評のあるチェコ代表Lucie Reed(ルーシー・リード)が、49分45秒で通過した後に、3分程の遅れで、Wuttiがバイクスタートした後すぐに、バイクタイム4時間39分という異常なバイクスピードで、後方の選手と大幅な差をつけ、ランでも3時間フラットのタイムで逃げ切り余裕の優勝で、これから期待の選手として注目を浴びた。2位には、ドイツ代表Daniela Sämmler(ダニエラ・サムラー)が、25分遅れでフィニッシュし、スイムで先頭にいたReedが、3位に入賞した。
1.Eva Wutti(オーストリア)
00:52:55 | 04:39:58 | 03:00:51 | 08:37:36 |
2.Daniela Sämmler(ドイツ)
00:53:02 | 04:57:42 | 03:08:14 | 09:02:51 |
3.Lucie Reed(チェコ)
00:49:45 | 05:00:16 | 03:10:07 | 09:04:08 |
2013 Ironman Kalmar(スウェーデン)
プロ男子:トッププロ選手があまり目立たない中でも、去年ハワイへ出場経験のあるポルトガル代表Pedro Gomez(ペドロ・ゴメズ)が、Ironmanレースでの初優勝を飾った。Gomezがスイムから、48分30秒でトップ通過し、そのままの勢いで、バイクでも4時間33分の最速ラップを弾き出し、ランではイーブンペースで走りきり、そのまま優勝した。スロバキア代表David Plesé(デイビッド・プリーズ)が、スイムとバイクでの遅れを2時間48分の最速ランラップで2位にあがりつめ、3位には、ウクライナ代表Anton Blokhin(アントン・ブロクヒン)が入賞した。
1.Pedro Gomez(ポルトガル)
00:48:31 | 04:33:42 | 02:54:08 | 08:19:30 |
2.David Plesé(スロバキア)
00:53:56 | 04:35:49 | 02:48:40 | 08:22:01 |
3.Anton Blokhin(ウクライナ)
00:48:36 | 04:39:39 | 02:54:28 | 08:26:09 |
プロ女子:スーパースイマーとして名の高いイギリス代表Jodie Swallow(ジョディー・スワロウ)が、始終レースを先頭で独占したパフォーマンスを見せ、ハワイの世界選手権へ向けての余裕の初優勝を飾った。やはり、スイムからSwallowが、プロ男子と変わらない48分30秒で終え、2位通過のプロ選手に10分以上の差をつけ、バイクとランでもステディなペースでレースを進め、そのまま9時間切りを果たして、8時間54分で、優勝まで突き進んだ。大幅に遅れて地元スウェーデン代表Eva Nystrom(エバ・ナイストロム)が、2位でのフィニッシュを見せ、3位には、ニュージーランド代表Britta Martin(ブリッタ・マーティン)が入賞した。
1.Jodie Swallow(イギリス)
00:48:30 | 04:55:39 | 03:06:41 | 08:54:01 |
2.Eva Nystrom(スウェーデン)
01:02:27 | 04:59:15 | 03:13:01 | 09:17:56 |
3.Britta Martin(ニュージーランド)
00:58:13 | 05:07:15 | 03:12:57 | 09:22:18 |
2013 Ironman 70.3 Timberman(アメリカ・ニューハンプシャー州)
プロ男子:今年も調子の良さを見せ、先日の2013 Ironman Lake Placid優勝者でもあるアメリカ代表Andy Potts(アンディ・ポッツ)が、スイムからランまで余裕の走りを見せ、このTimbermanにて優勝を得た。トライアスロン界唯一のトップスイマーとして、ベストラップ22分21秒で、最初にバイクスタートを果たしたが、ドイツ代表Andreas Dreitz(アンドレアズ・ドレイズ)が、バイクラップの2時間6分代で走り先頭に踊り出すが、ランが走れる体力を持っていたPottsが、再度先頭へと変わり、後ろから追ってくるオーストラリア代表Leon Griffin(レオン・グリフィン)から逃げ切り、Andy Pottsがフィニッシュラインを切った。ランナーアップで順位を上げたGriffinが2位に入賞し、3位に、バイクで高速ラップを見せたDreitzが粘った。
1.Andy Potts(アメリカ)
00:22:21 | 02:10:49 | 01:17:16 | 03:53:23 |
2.Andreas Dreitz(ドイツ)
00:24:23 | 02:11:26 | 01:16:28 | 03:54:53 |
3.Leon Griffin(オーストラリア)
00:24:34 | 02:06:59 | 01:22:21 | 03:56:37 |
プロ女子:先月の異常な差でIM 70.3 Boulderにて優勝したオーストラリア代表Melissa Hauschildt(メリッサ・ハウスチルド)が、そのパフォーマンスレベルを再確認する様に、圧倒的な強さで優勝を重ねた。スイマーであるアメリカ代表Amanda Stevens(アマンダ・スティーブンズ)が、24分代でトランジションへ向かう頃、スローペースなスイムで3分後に上がってきたHauschildtだったが、強化したバイクでその順位を入れ替わり先頭へと飛び出し勢いで、得意であるランで、さらなる差を開き、ランラップ1時間20分で、またもや2位でフィニッシュしたStevensへ10分もの差をつけ優勝した。3位には、アメリカ代表Amber Ferreira(アンバー・フェレイラ)がトップと14分差で終え、今回もHauschildtが、IM70.3世界選手権での優勝のステップとして、そのハイパフォーマンスを見せた結果となった。
1.Melissa Hauschildt(オーストラリア)
00:27:22 | 02:21:39 | 01:20:49 | 04:12:49 |
2.Amanda Stevens(アメリカ)
00:24:23 | 02:25:19 | 01:29:00 | 04:21:45 |
3.Amber Ferreira(アメリカ)
00:27:18 | 02:29:10 | 01:27:17 | 04:26:54 |
2013 Ironman 70.3 Yeppoon(オーストラリア)
プロ男子:去年の覇者オーストラリア代表Tim Reed(ティム・リード)が、バイクで確定的なラップで差をつけ、このYeppoonでのタイトル防衛に成功し優勝した。多くのオーストラリア代表選手が犇めく中、まずオーストラリア代表Michael Fox(マイケル・フォックス)が、スイムトップで23分40秒でフィニッシュし、最終的な優勝者Reedも大幅な差を付けずに、後を追いかけた。バイクでは、圧倒的なバイクラップ2時間8分で、ランへスタートする。その差は大きく、ランで逃げ切る形で、Tim Reedが優勝を飾り、2位には、バイクで疑問の残るブロッキングペナルティーを取られたオーストラリア代表Tim Van Berkel(ティム・バンバーケル)が、得意のランで1時間17分のトップラップ追い上げ入賞し、3位にオーストラリア代表Adam Gordon(アダム・ゴードン)がフィニッシュした。
1.Tim Reed(オーストラリア)
00:23:59 | 02:08:12 | 01:21:27 | 03:55:27 |
2.Tim Van Berkel(オーストラリア)
00:24:10 | 02:11:44 | 01:17:26 | 03:59:48 |
3.Adam Gordon(オーストラリア)
00:26:22 | 02:13:16 | 01:19:30 | 04:01:34 |
プロ女子:10月のIronman世界選手権を控えている、ニュージーランド代表Gina Crawford(ジナ・クロウフォード)が、その強さを再度証明し、2013年のタイトルにこのYeppoonを加え優勝した。スイムからバイクまでは、2位でフィニッシュしたオーストラリア代表Lisa Marangon(リサ・マランゴン)と接戦を繰り広げていたが、ランでその強さを見せ、ランラップ1時間29分で、Crawfordがフィニッシュラインを最初に切った。3位には、オーストラリア代表Michelle Wu(ミシェリー・ウー)が、トップと13分以上の差でフィニッシュした。
1.Gina Crawford(ニュージーランド)
00:26:02 | 02:25:33 | 01:29:08 | 04:23:06 |
2.Lisa Marangon(オーストラリア)
00:25:40 | 02:26:00 | 01:35:45 | 04:29:35 |
3.Michelle Wu(オーストラリア)
00:28:20 | 02:30:32 | 01:34:26 | 04:35:52 |
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