Strydの誕生
3年前に、Stryd(ストライド)という新ブランドが、クラウドファンディングのサイトで有名なキックスターターから、業界初のランパワーメーターという画期的な商品開発を発表した。開発に必要な希望資金額を大きく上回る援助を得て、チェストストラップ型のランニングパワーメーターを販売開始。その後、去年にモデルをグレードアップし、シューズにつけるストラップ型として進化した。現在ランパワーメーター業界の最先端を行くブランドへと上り詰めた。
発表当初は、ストライドの最初のスポンサーアスリートとして、3度アイアンマン世界王者のクレッグ・アレキサンダーが起用され、その性能に太鼓判を押していた。その後、マラソンランナーやコーチ陣にも好評を得て、今までにないランニングデバイスの一つとして確立してきた。
ガーミンがパワーメーター機能発表
この流れに乗るように、サイクリングやトライアスロン業界のスポーツウォッチ分野で大きな成功を得ているGarmin(ガーミン)から、パワーを解読可能となるConnectIQのバージョンアップを、11月に発信すると発表。ConnectIQは、特に新しいガーミンウォッチでのアプリをダウンロードできる機能であり、ファームウェアもアップデートできるスマートフォンのような知能だ。
現在最新のガーミン935XTやFenix5など、新しめのマルチスポーツウォッチに、オプションで付属してくるトライかラン用ハートレートモニター、もしくはラン ダイナミックポッドのいずれかが必要となる。これらのデバイスは、単体でも購入可能だが、モデルによって交信が対応できない機種もある。
11月22日に発信されるConnectIQをアップデートすると、上記のディバイスを使用しながら、ランニング中のパワー表示が可能となる。残念ながら、735XTや旧機種920XTは対応してないようだ。その理由として、時計のデバイス自体に、パワーを測るのに必要なバロメター機能が必要だということ。
それに対して、ストライドは、バロメター機能が、ランポッド自体についているので、ANT+対応のスポーツランウォッチならほぼ使用可能(ガーミンのマルチスポーツ系ウォッチは確実)。実際、8年前発表の機種ガーミン910XTでも表示することができた。
なぜランでパワー?!
すでに、サイクリング業界では、パワーメーターは主流となりつつあるトレーニングツールとなっている。その理由は、普段の練習を通して、ペース配分、体調管理、リカバリー、進歩向上がしっかりなされているか確認する場合に、ハートレートの情報よりもパワーの方が、正確性が高いということ。例えば、脚のウェイトトレーニングの翌日に、バイクでパワーを測ると、心拍が同じだとしても、ワット数は大きく変わってくる。パワーを見ることで、体から本来の反応を得ることができるということだ。
そして、FTP測定した後に、パワーを使ったゾーントレーニングを行うことによって、ペダリング効率上昇や短時間でも高質のある運動が可能となる。。現在流行っているZwiftやTrainerRoadのアプリでも、ハートレートよりも、パワーを基準にしたトレーニング方が優位されている。
これは、ランニングにも同様に応用できる方法だ。このランパワーメーターも、毎ストライドごとに、ワット数として表示される。ケイデンス、パワー、上下変動などを読み取るランパワーメーターを使って分析することによって、ランの効率性アップの進歩も数字で見ることができる。
実際、初期のストライドのストラップ型メーターを使用してみた。ワット数は、バイクのワットよりも高く表示される。バイクのパワーメーター同様に、数字の変動は大きかったが、効率的な動きやトレーニングゾーンを知る目安としては十分だった。問題は、ハートレート機能もついてるストラップが、非防水だったため、トライアスロンレースは、スイム中につけたままには出来なかった。だが、現在はストライドもガーミンもシューズにフットポッドとして取り付けられるので、防水面では問題ない。
ラン業界参入よりも先に、トライアスロン業界に目を向けたランパワーメーターブランドが、今後ラン業界にも流れていき、拡大的なブームになるのではかと思われる。このランパワーメーターのマーケットがどう進展していくか注目だ。
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