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2017 IRONMAN世界選手権プレビュー:プロ女子

今年のプロ女子は、2連覇中のリフがハワイで、70.3世界タイトルとともに、ダブル世界タイトルを狙う。そして、今年は常連であるトップ選手が不在の中での世界選手権でもある。現在、トライアスロンのロング界では、出産ブームであり、過去の優勝候補であるミリンダ・カーフレイ、メレディス・ケスラー、キャロライン・シュテフェン、リズ・ブラッチフォードなどのトップ勢が出場を見送っている。この流れに対して、ハワイでの出場権を得た多くの新しい選手達が、自身の実力を試す機会となる。

2016年のトップ5選手達

Daniela Ryf ダニエラ・リフ(スイス)

2015年と2016年の世界王者であるリフが、プロ男子フロディノ同様に、3連覇を目指す。今年のシーズンは、パーフェクトに近いレース展開で、南アフリカ地区選手権や70.3世界選手権で、余裕の優勝を見せた。彼女の強さであるバイクは、どの選手よりもはるかにうわまっている。常にロングではバイクラップ4時間50分台でフィニッシュし、ランでも3時間切りの速さを見せる。ITU上がりの選手であり、このスピードについていける選手は、他にはいないだろう。世界王者クリッシー・ウェリングトンや五輪金ニコラ・スピリッグを鍛えた名コーチのブレット・サットンの信頼のあるトレーニングをこなしてきたので、大きなミスがなければ、今年の優勝は確実となるだう。

Heather Jackson ヘザー・ジャクソン(アメリカ)

アメリカ代表の中で、優勝候補として、今年最も近い選手だ。アメリカ代表として、2006年のデジリー・フィッカー以来の入賞となり、過去にハワイ初出場で5位、去年は3位と徐々に毎年順位を上げてきている。今年は3度目の挑戦となり、狙うところは、2位以上の入賞にかかっている。今年は、多くの70.3で優勝してきたが、アイアンマン・ボルダーでは2位で終えた。やはり弱点であるスイムで、差を抑えられれば、得意のバイクで順位を上げ、ラン勝負へともっていけるだろう。

Kaisa (Lethonen) Sali カイサ・(旧姓レトネン)サリ(フィンランド)

去年のハワイでは、5位入賞したサリの強化されたパフォーマンスに注目だ。フィンランド出身の珍しい選手として注目を浴び、去年は南アフリカ地区選手権で優勝している。今年は、トレーニング地をアメリカへと移し、ミリンダ・カーフレイを世界王者へと導いた名コーチのシリ・リンジーの元で、トレーニングに励んでいる。今年は、70.3レースで、ランニングシューズをなくしたり、バイクとランコースで迷子になったりとハプニングが続失したため、優勝を逃す成績を過ごしてきた。そして、2度目の挑戦となった南アフリカ地区選手権で2位入賞、ITUロング世界選手権4位という結果で、うまく波にのれずにいる。しかし、得意であるバイクとランで相当な強さを持っている選手なので、レースの展開しだいでは、トップ3に滑り込むパフォーマンスを見せてくれるだろう。

Anja Beranek アンニャ・バーネック(ドイツ)

去年4位入賞したバーネックが、今年はトップ3入りを目指す。バイクを強みとしている彼女は、去年バイクパート途中までリフと互角の勝負を見せ、2位でバイクフィニッシュした。だが、弱点であるランで順位を落とす結果となり、課題が残った世界選手権となった。今年のシーズンは、アイアンマン・フランクフルトに出場したが、体調不良の中で8位で終え、ハワイへの出場権を得ることはできた。コナでは、得意のバイクでリフにずっとついていくことができれな、問題のランで3時間で走ることができれば、必ずトップ3へと滑り込んでくる選手となるだろう。

出産や怪我を超えてのカムバック

Rachael Joyce レイチェル・ジョイス(イギリス)

去年は、出産のためにシーズンを見送ったジョイスが、7ヶ月の産休後、早々にアイアンマンレースへと復帰し、今年再度ハワイ出場を決めた。70.3オーシャンサイドから復帰し、7位フィニッシュしてから、70.3セイントジョージで4位と順位を上げてきた。そして、ハワイ出場の決め手となるアイアンマン ・ボルダーでは、 強豪を抑え見事に優勝。過去のハワイでは、3種目ともにステディーなレース展開で、常にトップ3へ入るパフォーマンスを見せてきた。ニコラ・スピリッグやベス・ジェルデス(マッケンジー)などのトライアスリート達のように、特に出産後の選手が、さらに強くなった姿をみせる傾向にあるので、今年のハワイでジョイスが、どのようなパフォーマンスを見せてくれるかが楽しみだ。

Susie Cheatham スージー・チーサム(イギリス)

去年のハワイは、怪我の影響でバイクでリタイヤという結果になってしまったが、今年再度ハワイ出場を決めた。今年は、70.3南アフリカで2位入賞でシーズンを始め、南アフリカ地区選手権では、3位でハワイ出場権を確保した。プロデビューしてから、順調なステップアップで、トップ選手へと上り詰めてきたが、2016年の70.3レースでクラッシュし、手術を必要とする怪我に悩まされてきた。それから、リハビリと練習を重ね、今年はレース出場を主に70.3レースに絞り、徐々に本来のパフォーマンスを戻してきている。得意のランへと勝負を持ってこれれば、今年入賞の可能性大だ。

要注意選手達

Sarah Crowley  サラ・クローリー(オーストラリア)

今年ロング界最も飛躍を見せている選手であるクローリーの存在に注目だ。今年は、ITUロングディスタンス世界王者になり、アイアンマン・アジアパシフィックと欧州地区の両選手権でダブル優勝している。去年ハワイデビューし、15位とい結果で終わってるが、今年はかなりパワーアップしてきている。ITU選手としてデビューしてから、2015年からロングへと転向した。得意であるランは、常に3時間切りを出し、バイクでも力強いパフォーマンスをもっている。名コーチであるブレット・サットンの弟子であるキャメロン・ワッツの指導のもとで、今年はかなり調子が良い。もしかしたら、このクローリーが、リフと互角に戦える選手として注目される。

Lucy Charles ルーシー・チャールズ(イギリス)

今年のチャレンジ世界王者が、ハワイ初出場を果たす。元々国際スイマーとして活躍してきたが、怪我の影響でトライアスロンへと転向。エイジグルーパーとしてハワイで18−24カテゴリーでトップに君臨した後に、2016年にプロへ転身。それから、格段にパワーアップし、今年のアイアンマン・ランザローテで優勝し、チャレンジの世界選手権では、素晴らしいランを見せ優勝。今年のハワイでは、元世界スイマーとして、50分切れるタイムで、必ずトップで上がり、一番弱点であるバイクで、どう粘れるかが、後半のランでの勝負にかかってくる。まだ、25歳という若さながら、トップで活躍する彼女のパフォーマンスに注目だ。

Jodie Robertson ジョディー・ロバートソン(アメリカ)

元エリートランナーから、トライアスロンへと転向したロバート ソンも外せない選手の一人だ。今年の北アメリカ地区選手権では、スイムの大幅な遅れを、力強いバイクとランで取り戻し、見事優勝。ランナーとして、五輪選考レースへと出場し、2015年の国内選手権では、4位入賞し、2時間34分のパーソナルレコードを持っている。弱点であるスイムの遅れから、バイクとランで取り戻し、ミリンダ・カーフレイのような高速ランを見せることができれば、かならずトップ3へと滑り込むことができる選手として見逃せない。

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