News Professional Race Profile

2015年アイアンマン世界選手権プロ男子プレビュー

2014SebastinKinelePressConference

プロ男子:

2014年トップ選手達

Sebastian Kienle(ドイツ)セバスチャン・キーンリ

プロ男子バイク写真4

現世界王者であるキーンリは、今年ディフェンディング王者として2連覇を狙う。去年同様に、スイムの弱点をカバーできるバイクの強さを活かして、先頭でバイクトップ通過することが、優勝への一番の戦略となる。今年の70.3世界選手権では、優勝を逃し2位で終えたものの、スイムでの大きなタイムロスもなく、バイクで先頭との差を縮め、ランでは五輪メダリストのフロデノやゴメスを上回るハーフマラソンタイムで走っていた。このランスピードをハワイでも見せることができれば、今まで通りバイクでトップ通過後、そのままランでも先頭を譲ることなく、優勝とコースレコード更新に期待できるだろう。

Jan Frodeno(ドイツ)ヤン・フロデノ

プロ男子ラン写真5

今年は、アイアンマンフランクフルト優勝し、70.3世界王者にもなり、多くの好成績を収めてきた。3種目見ても弱点がないフロデノは、このハワイでも常に優勝に近い存在である。去年は、トップでスイムフィニッシュ後、バイクで2度のパンクに悩まされ、タイムロスをしたが、2時間47分のランで、3位入賞した。今年のアイアンマン・フランクフルトでは、30度を超える暑さにもかかわらず、コースレコード更新するなど、実力を証明してきた。ハワイでは、去年のようなパンクのアクシデントがなければ、キーンリとのバイク後半での駆け引きが、アイアンマン世界初優勝への分かれ道となるだろう。

Ben Hoffman(アメリカ)ベン・ホフマン

2015IM70.3CalgaryHoffman

アメリカ代表の活躍が低迷している中、去年2位入賞を果たしたホフ(ニックネーム)は今年も注目だ。去年は、優勝候補から離れた存在の中、戦略的なレース展開で、2位に入賞し、多くの人を驚かせた。実際、アイアンマンレースでは、長年の経験がある選手で、過去にアイアンマン・セイントジョージやコーデアリーンなどで優勝をしている。今年も、得意のスイムで問題なくトップ集団で上がった後、バイクの先頭パック争いに絡み、粘りのあるランを見せられれば、ティム・ディブーン以来にアメリカ代表の優勝をもたらすだろう。

Andy Potts(アメリカ)アンディー・ポッツ

2014IMHawaiiRunPotts

トライアスロン界では、トップスイマーとして有名なポッツが、いままで以上の上位を狙って帰ってくる。去年は、スイムでフロデノとの接戦の中、かろうじてトップ通過し、そのスイマーとしてのプライドを維持できたが、弱点のバイクで遅れを取ってしまった。しかし、ランではフロデノとの接戦を繰り広げ、初めて世界4位入賞した。今シーズンは、アルカトラズ連覇も阻止され、70.3レースでも優勝を逃すことが多かったが、アイアンマン・コーデアリーンで余裕の優勝を見せ、38歳のベテランとして衰えのない実力を証明できた。今年の課題は、やはりバイクでのポジション争いと去年以上の走りができるかで、さらなる上位入賞を狙えるだろう。

Fredrik Van Lierde(ベルギー)フレドリック・バンリルデ

2013IMKonaVanLierdeWon

2013年のアイアンマン世界王者が、パワーアップして今年再度タイトル奪還を目指す。去年の世界選手権では、バイクまでトップ3を狙えるポジションにいたものの、ランでうまくレースをコントロールできずに8位で終えた。今年は、シーズン始めのアフリカ地区選手権で優勝したが、暑さの厳しかったフランクフルトのヨーロッパ選手権では、多くの強豪が集まる中、悔しくも5位という結果だった。今回のハワイでは、やはり2時間50分を切って走れるランスピードが必要となり、。

Tim Van Berkel(オーストラリア)ティム・バンバーケル

唯一オーストラリア代表で、初出場でトップ10入りを果たしたバーケルは、今年はトップ争いに絡む危険な存在となるだろう。アイアンマン・メルボルンでは、ランナーアップで2位入賞し、ランで走れる実力を証明してきた。これまでアイアンマン70.3レースで多くの優勝を重ね、3種目のスピードは、ITU出身アスリートのようなパフォーマンスを見せてきた。今年は、2度目の世界選手権出場で、去年の経験を活かし、さらなる上位入賞を狙ってくる。

Nils Frommhold(ドイツ)ニルズ・フロムホールド

今年IM70.3世界5位のドイツ代表Nils Frommfold

今年のチャレンジ・ロス優勝者で、常にトップ争いに絡むパフォーマンスを見せるフロムホールドも危ない選手の一人だ。ITU出身で大きな活躍を見せることはなかったが、ロング転向後は、70.3レースやアイアンマンレースなどで入賞を多く重ねてきた。今年のアイアンマン・メルボルンでは、強みのバイクを活かし、トップでランスタートしたものの、ランで失速してしまったことが大きな欠点となっていた。しかし、チャレンジ・ロスでは、3種目共他の選手を近づけることなく、始終独走で完璧なレース運びを見せた。今年もバイクでのフィニッシュ位置によっては、ランでも上位入賞を狙えるので注目だ。

初出場ITU出身選手達

Matt Chrabot(アメリカ)マット・シャーボット

 

先週末のアイアンマン・チャタヌーガのフィニッシュで話題となり優勝を逃したシャーボットは、2週間の短いリカバリー期間の後に世界選手権へ出場する。五輪出場を目指すITUアスリートとして、ドラフティングやノンドラフティングレースで活躍してきた。去年のアイアンマン・コズメルで、2位入賞後、70.3セイントクロックスで優勝で、ギリギリのラインでハワイ世界選手権出場を決めた。今年のハワイ初出場で、どこまで実力を見せられるかが注目だ。

Brad Kahlefeldt(オーストラリア)ブラッド・カーフェルド

オーストラリア代表ITU選手として、五輪代表として国を引っ張ってきたベテランの一人だ。70.3レースやロングへ転向後は、大きな活躍が見られなかったが、今年はアイアンマンメルボルンで3位入賞し、アイアンマン世界選手権出場の権利を獲得した。アイアンマンレース3位入賞は、自身でも驚きの結果だったようだが、先月開催された70.3のビンタンでは、得意のランを見せ優勝した。初出場となる世界選手権では、ITUレースで培った実力をどこまで発揮できれば、トップ争いへ滑り込むこともあるだろう。

Tim Don(イギリス)ティム・ドン

3度の五輪イギリス代表として、2006年のITU世界王者など、長年ITU界で活躍してきたドンが、今年からアイアンマンデビューを果たしハワイへ初出場する。去年のアイアンマン・マヨルカ優勝後も、70.3レースで4度の優勝を重ねてきた。3種目共スピードを持つ選手であるが、ロングでの実力は未知なので、ハワイでどういうレース展開をするのかに期待だ。そして、先月の70.3世界では、バイクでドラフティングを取られてしまい、完全に出しきれずにレースを終えてしまったので、初出場となるハワイでは、その真の実力を見せてもらいたい。

Brent McMahon(カナダ)ブレント・マクマホン

カナダ代表五輪選手として、伝説のサイモン・ウィットフィールドの右腕として活躍してきた。これまで、70.3レースと得意とし、2013年の北アメリカ地区王者にも輝き、去年のアイアンマン・アリゾナでは、8時間切りのタイムで優勝しロングでも活躍し始めている。アリゾナでは、4時間21分バイクタイム後に、得意といるランパートで2時間43分で走りきる実力を見せたので、ハワイでの暑さが大きく影響しなければ、優勝や上位入賞は必ず狙えるだろう。

要注意選手達

Luke McKenzie(オーストラリア)ルーク・マッケンジー

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2013年のアイアンマン世界2位入賞で、世界で通用する強さをようやく証明したマッケンジーの動きにも注目だ。2013年は、キーンルよりも速いバイクで引き離し、ラン前半は先頭を走り、ランでの弱さを克服したパフォーマンスを見せた。しかし、2014年は、同じ様なレース運びにはならずに、15位という結果だった。2013年シーズン同様に、今年のアイアンマン・ケアンズでバイクとランの強さで余裕の優勝を見せたので、ハワイではバイクでのレース展開を大きく変える存在となるだろう。

Marino Vanhonacker(ベルギー)マリノ・バンホナッカー

2014年のアイアンマン世界選手権レース後に引退発 言をしたが、世界選手権への情熱は消えることなく、今年もカムバック果たす。2011年以降は、バイクで強さを見せ、常に先頭でフィニッシュし優勝に近い 位置にいたが、ランではエネルギー切れで救急車で運ばれリタイヤし、怪我で欠場するシーズンを送っていた。今年は、アイアンマン・ブラジルとオーストリア で2勝で完全復活を果たした。今回の世界選手権では、先頭を引っ張るバイクの強さとランでもしっかり走れる姿を見せられるトップパフォーマンスに期待した い。

Jordan Rapp(アメリカ)ジョーダン・ラップ

2015IMMontJordanRappBike

アメリカのホープが、ハワイの地へまた帰ってくる。これまで、2013年のリタイア以降、2014年も怪我の影響で世界選手権へ出場できずに、不安なシーズンを送ってきた。しかし、今年はアイアンマン・モントトレンブラントでは、実力のあるバイクの強さを再度証明したレース展開で、2位以降に18分以上の差をつけ、余裕の優勝をした。2013年の世界では、スイムで大きく出遅れたこともあったが、今年は弱点であるスイムも強化して、得意のバイクで先頭での争いに絡む展開に持っていき、暑さの厳しいハワイで、どれだけランが走れるかが、上位入賞への道となるだろう。

Jeffery Symonds(カナダ)ジェフェリー・シモンズ

今年のアイアンマン・メルボルンでアジアパシフィック王者に輝いたシモンズも危険な存在だ。2011年の70.3世界では、得意のランで追い上げ3位入賞を果たす実力を証明し、その名を大きく広めた。その後は、低迷したシーズンを送っていたが、今年のメルボルン優勝を得て、アイアンマン世界への挑戦と踏み切った。苦手であるバイクでのパフォーマンスしだいでは、頭を上下に振る癖のあるランフォームで、トップ10入りも期待できるだろう。

Lionel Sanders(カナダ)ライオネル・サンダーズ

lionelsandersbikeimage

薬物依存症からプロトライアスリートへと転向した経歴を持つサンダーズが、今年アイアンマンデビューを果たす。アイアンマンレースでは、最高位4位という結果ながらも、70.3レースでは4勝重ねている。今年は、70.3世界出場スキップし、ハワイでのレースを最大の目標としてシーズンを迎えてきた。ランナー上がりの高速ランだけではなく、300ワット以上をキープできる高速バイクスピードは、このフィールドの中でも トップクラスの サイクリストだろう。キーンル同様に、スイムが弱点の部分をバイクでカバーし、うまくトップサイクリストたちの波にのっていけば、ラン勝負に持ち込み優勝する可能性も秘めている。

Matt Hanson(アメリカ)マット・ハンソン

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エイジグリーパーからプロへ転向した後、すぐに頭角を出し始め、今年北アメリカ地区王者となった。元々ランを得意とし、70.3レースでは、1時間10分前半で常に走れる実力を持っている。問題は、スイムでの弱さだが、バイクも強化し、トップへ追いつく力を持っているので、サンダースやキーンリ同様の戦略で、レースを一緒に運ぶことができれば、ランで2時間40分切りの走りで追い上げれば、初出場で優勝ということもあり得る存在だ。

この他にも、過去にトップ10入りしているバミューダ代表Tyler Butterfield(タイラー・バターフィールド)やフランス代表Romain Guillaume(ロメイン・ギローム)、アメリカ代表ティム・オドネルにも注目だ。そして、2012年2位入賞以降ハワイでは低迷したレースを迎えてきたドイツ代表Andreas Raelert(アンドレズ・ラエラート)が、今回過去の様なパフォーマンスを見せられるかにも期待だ。

ベテラン勢では、43歳のニュージーランド代表Cameron Brown(キャメロン・ブラウン)が、2年ぶりに出場を果たし、スペインを代表する五輪選手のIvan Rana(イバン・ラニャ)、毎年ハワイ出場を重ねている常連のオーストラリア代表Luke Bell(ルーク・ベル)の動きにも注目だ。

 

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