先週末は、世界各地でレースで開催され、オフロードトライアスロンの世界一を決める、Xterra Maui世界選手権が開催された。そして、Ironmanシリーズでは、Ironman 70.3 AustinとIronman 70.3 Miamiが、アメリカ国内の主要レースとして、多くのプロ選手達を呼んだ。今年から流行を見せるスーパースプリントシリーズの一つである、Fearless Pro Super Sprint Triathlonが、アメリカのサンディエゴにて開催され、多くのアメリカ代表若手が集結し、注目が寄せられた。
Xterra Maui世界選手権(ハワイ)
プロ男子:オフロードを得意とするトップ選手である、4度世界王者の南アフリカ代表Conrad Stoltz(コンラッド・ショルズ)やアメリカ代表Josiah Middaugh(ジョシア・ミグドー)、オーストラリア代表Ben Allen(ベン・アレン)等出場する中で、オリンピック出場経験のあるオーストラリア代表Courtney Atkinson(コートニー・アトキンソン)や南アフリカ代表Richard Murray(リカルド・マーレイ)が、去年のロンドン五輪銀メダリストのスペイン代表Javier Gomez(ハビエル・ゴメス)が果たした、大会初出場で初優勝する偉業を、同じ様に繰り返すことができるのかが注目だった。荒波の中で、スイムがスタートし、オープンウォーターを得意とするAtkinsonとコスタリカ代表Leonardo Chacon(レオナルド・チェイコン)が、リードを引き始める。その後ろには、MurrayやAllenが、目視できる範囲で付いていく。スイムフィニッシュを最初に飾ったのは、Chaconで、18分32秒で通過し、その足下にAtkinsonが続く。8キロくらいまでは、スイムトップで上がったChaconがリードしていたものの、Allenやイギリス代表Asa Shaw(エイサ・シャウ)が続く。後ろからは、このテクニカルさを要求されるバイクコースを得意としているスペイン代表Ruben Ruzafa(ルーベン・ルサーハ)が、次々と先頭をいく選手を抜かしていき、25キロ程来た所で、勢いよく先頭へと上がる。この日のベストバイクラップである1時間30分11秒でRuzafaがトランジションへと帰ってた。その後に、Allenが30秒遅れて、ランスタートし、StolzやShaw、Miggdaughが、先頭をいくRuzafaを追いかける展開となった。ペースを落とさずにステディーに走ったスペイン代表Ruben Ruzafaが、そのままリードをキープして、このXterra世界選手権にて、素晴らしいバイクのテクニカルスキルを武器として、初優勝を飾ることができた。2位には、ベストランラップ39分24秒で、イギリス代表Asa Shawが入賞し、バイクで粘った走りを見せたものの、ランでペースを落としてしまったオーストラリア代表Ben Allenが、3位でレースを終えた。
1.Ruben Ruzafa(スペイン)
00:21:30 | 01:30:11 | 00:39:53 | 02:34:34 |
2.Asa Shaw(イギリス)
00:20:00 | 01:34:08 | 00:39:24 | 02:36:01 |
3.Ben Allen(オーストラリア)
00:19:12 | 01:33:18 | 00:41:12 | 02:36:24 |
4.Josiah Middaugh(アメリカ)
00:21:54 | 01:31:38 | 00:41:14 | 02:37:44 |
5.Braden Currie(ニュージーランド)
00:19:59 | 01:37:01 | 00:39:32 | 02:39:05 |
プロ女子:このフィールドでもITU出身の選手であるニュージーランド代表Nicky Samuels(ニッキー・サミュエルズ)やバミューダー代表Flora Duffy(フローラ・ダフィー)、そしてチリ代表Barbara Riveros(バーバラ・リベロス)が、初優勝を狙う中で、元世界王者であるスコットランド代表Lesley Paterson(レスリー・ペイターソン)やカナダ代表Melanie Mcquaid(メラニー・マクイッド)が、再度王者奪還を目指した。やはりスイムから、スピードのあるITU選手達であるDuffyが、19分21秒の高速タイムで上がり、その30秒後に、Samuelsが続いた。2分以上の差をつけられ、Riveros、Paterson、そしてMcquaidがバイクで追い上げを見せたい所だった。2週間前にマウンテンバイクを乗り始めたというSamuelsが、順調にレースを進め、他の選手よりも2分以上も速いペースで、驚きのバイクタイムである1時間52分で、余裕の差を持って、ランへスタートする。後ろから追いかける前年度王者Patersonは、差を逆に広げられてしまい、得意のランで勝負を狙う展開になった。だが、そのスピードを維持したランを走っているSamuelsが、余裕の差をつけ、初挑戦で初優勝を果たし、オフロードトライアスロンでの実力を証明した。2位には、ベストランラップ43分55秒で走り切ったPatersonが倒れ込む様にフィニッシュし、もう1人のITU選手であるDuffyが、最後のラストスパーとで抜かされ3位に入賞した。
1.Nicky Samuels(ニュージーランド)
00:19:50 | 01:52:27 | 00:45:31 | 02:57:48 |
2.Lesley Paterson(スコットランド)
00:21:36 | 01:54:43 | 00:43:55 | 03:00:14 |
3.Flora Duffy(バミューダ)
00:19:21 | 01:55:45 | 00:45:13 | 03:00:19 |
4.Barbara Riveros(チリ)
00:21:29 | 01:53:53 | 00:46:21 | 03:01:43 |
5.Emma Garrard(アメリカ)
00:22:33 | 01:55:00 | 00:44:16 | 03:01:49 |
Ironman 70.3 Austin(アメリカ・テキサス州)
プロ男子:今年は、70.3レース等のロングに挑戦を決めた、ITU界から来た、アメリカ代表のMatt Chrabot(マット・シャーボット)が、ようやく70.3レースでの初優勝を、このテキサス・オースティンにて決めた。カレッジスイマーであったアメリカ代表Allen Gardner(アレン・ガードナー)が、23分17秒でスイムトップ通過する中で、そのすぐ後に、Chrabotが4位で続いた。優勝候補とされていたオーストラリア代表Richie Cunnigham(リッチー・カニンガム)やアメリカ代表Ben Hoffman(ベン・ホフマン)が1分以上の差でバイクをスタートする中で、これから注目である伝説のDave Scott(デイブ・スコット)の息子であるDrew Scott(ドリュー・スコット)も、プロ1年目ながら、同じグループで追いかける。調子の良いバイクペースでChrabotが進む中で、唯一CunninghamとScottが追いつき、バイク終了時まで一緒に先頭を駆け走った。ランスタートするとITUならではのスピードで、Chrabotが激走を見せ、ランラップ1時間11分で、余裕の差をつけ優勝を飾った。2位には、今年始めに大事故に遭ったものの、急速なリカバリーを見せたCunninghamが復活を見せる様なフィニッシュを飾り、Hoffmanがランナーアップで3位に入賞した。
1.Matt Chrabot(アメリカ)
00:23:24
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02:11:13
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01:11:12
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03:48:49
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2.Richie Cunningham(オーストラリア)
00:24:13
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02:10:21
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01:14:25
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03:51:52
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3.Ben Hoffman(アメリカ)
00:25:17
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02:11:26
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01:15:00
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03:54:56
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プロ女子:今年のIMハワイ世界選手権で、思った様なパフォーマンスを出せなかった、オーストラリア代表Rebekah Keat(レベッカ・キート)が、得意の70.3レースにて、優勝を飾った。スイムから、Keatの勢いは始まり、25分05秒で、最初にバイクスタートをした。その後、これから期待される新人プロ選手勢であるカナダ代表Rachael McBride(レイチェル・マクブライド)やアメリカ代表Sarah Piampiano(サラ・ピアンピアーノ)が、苦手のスイムで遅れながらも、バイクで追い上げを見せる。だが、Keatのスイムでの2分以上の差は大きく、他の選手を先頭へと引き寄せないまま、ランへとスタートした後も、先頭を独走した状態で、2位に入賞したMcBrideに3分以上の差をつけ、Keatが余裕の優勝を飾った。ステディーなペースで、3位を維持した、アメリカ代表Mandy McLane(マンディー・マクレイン)が、フィニッシュを飾った。
1.Rebekah Keat(オーストラリア)
00:25:05
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02:23:11
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01:24:27
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04:15:59
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2.Rachael McBride(カナダ)
00:27:20
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02:24:20
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01:24:26
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04:19:24
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3.Mandy McLane(アメリカ)
00:27:22
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02:23:39
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01:25:41
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04:20:06
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Ironman 70.3 Miami(アメリカ・フロリダ州)
プロ男子:過去2年間アキレス腱の怪我に悩まされていた、ニュージーランド代表Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)が、今年のIM70.3世界2位入賞後、この強豪が集まるマイアミのレースで、シーズン最後の優勝を飾った。3種目共バランスのあるスピードで、スイムとバイクでトップ集団で争われる中で、完全復活を見せた高速ランラップ1時間11分代で、他の選手を引き寄せずに、堂々の2連覇を果たした。2位には、2010年のIM70.3世界2位の元オリンピアンのチェコ代表Filip Ospaly(フィリップ・オスパリー)がフィニッシュし、ドイツ代表Nils Frommhold(ニルス・フロムホールド)が、バイク後のランで3位を維持し入賞した。
1.Terenzo Bozzone(ニュージーランド)
00:24:09
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02:03:33
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01:11:16
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03:41:17
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2.Filip Ospaly(チェコ)
00:24:04
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02:05:19
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01:11:42
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03:43:12
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3.Nils Frommhold(ドイツ)
00:24:10
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02:03:29
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01:14:00
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03:44:15
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プロ女子:今年始めは、IM70.3 San Juanでも優勝をした、ロンドン五輪オリンピアンでもある、デンマーク代表Helle Fredriksen(ヘリー・フレドリクセン)が、再度このマイアミにて、優勝を重ねた。ITUながらの攻撃的なスイムで、リードを取り始め、25分26秒で、他の選手に1分以上の差を付けた。そのまま得意のバイクで、勝利を決定ずける、高速ペースで、そのままランで落ち着いたペースで走りきり、8分以上の差を付け、優勝を飾った。ハンガリー代表Erika Csomor(エリカ・ソモー)が、2位に入賞し、アイルランド代表Eimear Mullan(エイメアー・ミュラン)が、最速ランラップ1時間17分で走りきり、3位で上位にあがった。
1.Helle Fredriksen(デンマーク)
00:25:26
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02:15:23
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01:20:19
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04:03:38
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2.Erika Csomor(ハンガリー)
00:28:57
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02:18:41
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01:21:24
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04:11:48
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3.Eimear Mullan(アイルランド)
00:28:51
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02:23:18
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01:17:41
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04:12:39
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Fearless Pro Super Sprint Triathlon(アメリカ・サンディエゴ)
スーパースプリントトライアスロンシリーズの最終戦が、トライアスロン発祥の地と呼ばれているアメリカのサンディエゴにて開催された。9月始めにもラスベガスのダウンタウンに特設されたコースで行われ、今年注目を浴び始めているプロシリーズの一つだ。今回このサンディエゴでは、オーシャンスイムを375メートルを一周し、バイクを5周回り計6キロ走り、ランを2周回で計2.5キロという距離のトライアスロンを続けて2回連続完走する、トランジションの遅さが命取りになる、トップスピード競う接戦が間近で感じられるレースになった。
エリート男子:アメリカ代表の有力選手やこれから期待の若手が集まる中で、今年のアメリカ国内大学選手権で優勝した、アメリカ代表Ben Kanute(ベン・カニュート)が、恒例のスプリントフィニッシュで、瞬発力を見せ、優勝を飾った。スイムから北の選手達であるアメリカ代表Tommy Zaferes(トミー・ザフェレス)、Eric Lagerstrom(エリック・ラガーストロム)、Kanuteがリードを取り、そのまま2度目のランまで、同じ集団でレースが進んでいった。最後フィニッシュ手前で、ZaferesとKanuteが飛び出し、スプリントフィニッシュを見せ、Kanuteが、0.6秒の微差で、優勝を奪い取った。そして、3位には、7秒遅れてLagerstromが入賞た。これからこの新生アメリカ代表3人に大きな期待と共に、来年のITUサーキットで要注意選手になるだろう。
1.Ben Kanute(アメリカ)ー45分39.3秒
2.Tommy Zaferes(アメリカ)ー45分38.9秒
3.Eric Lagerstrom(アメリカ)ー45分46.4秒
エリート女子:今年のITUワールドカップにて2勝を重ねてきた、アメリカ代表Katie Hursey(ケイティー・ハーシー)が、ランで力を見せ優勝を飾った。スイムから、トップスイマーで有名なSarah McLarty(サラ・マクラティー)が先導する中で、注目のHurseyが、すぐ後ろを泳ぎ始め、1周目のバイクパートに入ると、McLartyと共に2人で、後ろの選手に、20秒の差をつける。そのままこの二人の1対1のレースが2周目のランまで続き、最後にランで速さを見せた、Hurseyが、McLartyを振るきり、初優勝をこのスーパースプリントシリーズでの優勝を得た。3位に、アメリカ代表Jennifer Spieldenner(ジェニファー・スピルディナー)が、上位2人がフィニッシュした1分後に、レースを終えた。
1.Katie Hursey(アメリカ)ー49分39.4秒
2.Sara McLarty(アメリカ)ー49分47.9秒
3.Jennifer Spieldenner(アメリカ)ー50分56.3秒
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