ここ2週間程の間に、ITUの世界トライアスロンシリーズ選手権の最終戦とされるITU WTS London大会が開催され、ポイントランキング上位に誰が輝くのがが注目され、素晴らしいレース展開が繰り広げられた。そして、Ironmanレースでは、2014年度シーズンのポイントレースのために、ロングディスタンスがIronman WalesとIronman Wisconsin、70.3レースがMuskoka、Luxembourgの3レースが開催された。
ITU WTS London(イギリス)
エリート男子:優勝候補のロンドン五輪メダリスト達である、イギリス代表Alistair Brownlee(アリスター・ブラウンリー)と弟のJonathan Brownlee(ジョナサン・ブラウンリー)、そしてスペイン代表Javier Gomez(ハビエル・ゴメズ)がスタートラインに達予想通りの展開で進んでいった。スイムトップで上がってきた南アフリカ代表Richard Varga(リカルド・バルガ)が、17分04秒で上がり、バイク前半は、優勝候補を含む13人の選手で回り、ランスタートまで、後ろの第2集団とは30秒の差は縮まらなかった。トランジションを飛び出すと、すぐにJBrownleeとGomezが、ペースをリードし争い始める。だが、怪我を引きずるAlistairが減速して行く中で、スペイン代表Mario Mola(マリオ・モラ)が、徐々に順位を上げて行く。最終的には、JBrownleeとGomezでの1対1になり、スプリントフィニッシュにまで持って行き、余力のあったGomezが、ゴールテープを切り、最終戦での優勝を飾った。
1.Javier Gomez(スペイン
00:17:23 | 00:00:41 | 01:00:11 | 00:00:29 | 00:29:34 | 01:48:16 |
2.Jonathan Brownlee(イギリス)
00:17:10 | 00:00:46 | 01:00:20 | 00:00:28 | 00:29:36 | 01:48:17 |
3.Mario Mola(スペイン)
00:18:05 | 00:00:48 | 01:00:03 | 00:00:29 | 00:29:46 | 01:49:10 |
4.Dmitry Polyanskiy(ロシア)
00:17:17 | 00:00:42 | 01:00:17 | 00:00:28 | 00:30:38 | 01:49:21 |
5.Vincent Luis(フランス)
00:17:24 | 00:00:43 | 01:00:09 | 00:00:30 | 00:30:41 | 01:49:24 |
最終ワールドシリーズトップランキング:このロンドンで優勝したGomezが、1位に上がり総合シリーズ優勝を手にし、今年も良いITUシーズンの終わりを迎える中で、各シリーズレースで優勝を重ねていたJBrownleeが、Gomezに25ポイントだけ及ばず、2位に落ち、トップ3でレースをこなしてきた、Molaが最終的に3位でランキング入賞を果たした。
1.Javier Gomez(スペイン)ー4220ポイント
2.Jonathan Brownlee(イギリス)ー4195ポイント
3.Mario Mola(スペイン)ー3726ポイント
エリート女子:シーズン中に、その頭角を徐々に表してきたイギリス代表Non Stanford(ノン・スタンフォード)が、この最終戦ロンドンにて堂々の優勝を飾った。注目視されていた、スーパーランナーアップが見せ所のアメリカ代表Gwen Jorgensen(グウェン・ジョーゲンセン)、シリーズ優勝を重ねているドイツ代表Anne Haug(アンネ・ハグ)、そして元世界ランキング王者であるオーストラリア代表Emma Moffat(エマ・モファット)等が、スタートラインに立つ中で、色々なドラマが繰り広げられた。スイムスタートし、優勝候補であるHaugは、最初のブイのバトルでぶつかった際に水を飲み、そこで呼吸を整えるのに時間がかかってしまいトップと3分差でロスしてしまう。バイクでは、順調にスイムフィニッシュを飾ったJorgensenが、バイク2周目で落車してしまい、バイクにダメージが残り、レースを進めることができずに、リタイアしてしまう。ランがスタートすると、33分代のペースで走りたいStanfordが飛び出す中で、アイルランド代表Aileen Reid(アイリーン・リード)、イギリス代表Jodie Stimpson(ジョディー・スティンプソン)やMoffatを連れてレースが展開されていく。トランジションでウェットスーツがカゴにしっかり入っていたなかったために、15秒のペナルティーがStanfordにかされるものの、ランラップ33分12秒で、最終的に余裕のある優勝を飾った。
1.Non Stanford(イギリス)
00:19:00 | 00:00:44 | 01:08:08 | 00:00:31 | 00:33:12 | 02:01:32 |
2.Aileen Reid(アイルランド)
00:18:55 | 00:00:54 | 01:08:04 | 00:00:35 | 00:33:31 | 02:01:57 |
3.Emma Moffatt(オーストラリア)
00:18:43 | 00:00:47 | 01:08:24 | 00:00:32 | 00:33:37 | 02:02:00 |
4.Jodie Stimpson(イギリス)
00:18:56 | 00:00:41 | 01:08:15 | 00:00:36 | 00:33:40 | 02:02:06 |
5.Alice Betto(イタリア)
00:18:49 | 00:00:47 | 01:08:18 | 00:00:34 | 00:33:43 | 02:02:09 |
最終ワールドシリーズトップランキング:今年WTSの世界シリーズ戦サンディエゴのデビュー戦で2位でフィニッシュしたStanfordが、マドリッド大会でも優勝を重ねた結果、2位のHaugに、大幅なポイント差をつけ、ランキング優勝を果たす。同じくイギリス代表勢であるStimpsonが、粘り強いパフォーマンスで上位入賞を重ね、3位でランキングトップ3に入った。
1.Non Stanford(イギリス)ー4220ポイント
2.Anne Haug(ドイツ)ー3805ポイント
3.Jodie Stimpson(イギリス)ー3110ポイント
Ironman Wales(イギリス)
プロ男子:地元イギリス代表ベテランのScott Neyedli(スコット・ニードリ)が、タフなバイクコースでバイクラップ5時間11分での差を維持したまま、ランで逃げ切り久しぶりの優勝を果たした。スイムでは、元ITU選手であるイギリス代表Harry Wiltshire(ハリー・ウィットシャー)が、得意のスイムで47分01秒で上がるものの、バイクで力を見せたNeyedliが、ランスタート時点で大きなアドバンテージを取った結果優勝を果たし、2位のポーランド代表Marek Jaskolka(マレック・ジャコルカ)は、9分遅れてフィニッシュし、3位にはRaelert兄弟のトレーニングパートナーでもあるドイツ代表Michael Gohner(マイケル・ガーナー)が入賞した。
1.Scott Neyedli(イギリス)
00:47:13 | 05:11:26 | 03:02:35 | 09:09:10 |
2.Marek Jaskolka(ポーランド)
00:47:05 | 05:16:02 | 03:07:22 | 09:18:16 |
3.Michael Gohner(ドイツ)
00:52:07 | 05:16:10 | 03:02:05 | 09:19:01 |
プロ女子:今年のIronman UKにて優勝を果たしたイギリス代表Lucy Gossage(ルーシー・ゴサージ)が、新たなタイトルを、このIronman Walesにて勝ち取った。ドイツ代表Katja Konschak(カティヤ・コンシャック)が、スイムで大幅なリードを取る中で、バイクで速さを見せるGossageが、5時間31分のバイクラップで先頭へ飛び出す。ランでは、ステディーなペースを維持し、そのままGossageが優勝し、スイス代表Regula Rohrbach(レギュラ・ローバッチ)が、バイクで稼いだアドバンテージのおかげで、スローランながらも2位で入賞。スイムでトップ通過したKonschakも、ランラップを取ったものの3位でレースを終えた。
1.Lucy Gossage(イギリス)
00:56:59 | 05:31:36 | 03:15:02 | 09:51:21 |
2.Katja Konschak(ドイツ)
00:56:01 | 05:36:54 | 03:35:44 | 10:18:00 |
3.Regula Rohrbach(スイス)
00:51:09 | 06:02:30 | 03:12:39 | 10:24:05 |
Ironman Wisconsin(アメリカ)
プロ男子:長期に渡って優勝を逃し続けてきたドイツ代表Maik Twelsiek(マイク・テゥエルセック)が、ようやくこのウィスコンシンで、再度タイトルを獲得した。スイムから、フランス代表Romain Guillaume(ロメイン・ギローム)とTwelsiekが先頭でペースを刻み始め、バイクが始まった途端、得意分野であるTwelsiekが、大きく差を広げることになる。2位以降の選手に、10分以上の差をつけ、ランをスタートし、そのまま逃げ切り優勝を果たした。アメリカ代表Daniel Bretscher(ダニエル・ブレッシャー)が、2時間57分のランナーアップで上位を上げたものの、大きく開いた差を詰められることはできずに、2位でフィニッシュし、3位には、カナダ代表Elliot Holtham(エリオット・ホルサム)が、マイペースなレース展開で入賞を果たした。
1.Maik Twelsiek(ドイツ)
00:52:38 | 04:34:58 | 03:06:09 | 08:40:15 |
2.Daniel Bretscher(アメリカ)
00:53:00 | 04:49:15 | 02:57:26 | 08:46:00 |
3.Elliot Holtham(カナダ)
00:55:48 | 04:48:08 | 03:00:53 | 08:50:45 |
プロ女子:多くのアメリカ代表勢が集まる中で、アメリカ代表Jackie Arendt(ジャッキー・アーエンド)が、素晴らしいランナーアップを見せ、アイアンマンレースにて初優勝を果たした。スイムは、アメリカ代表Malaika Homo(マライヤ・ホモ)が56分代でリードする中、20秒遅れで、Arendtもトランジションへ向かう。Homoがバイクで力を見せ、4分以上の差をつけたままランをスタートするものの、Arendtのランスピードが勝り、そのままゴールテープを切った。アメリカ代表Beth Shutt(ベス・シャット)が、スイムでの遅れが響いた結果2位にでフィニッシュし、バイクで差をつけたHomoが3位に入賞した。
1.Jackie Arendt(アメリカ)
00:57:00 | 05:27:30 | 03:16:03 | 09:47:07 |
2.Beth Shutt(アメリカ)
01:01:16 | 05:29:28 | 03:15:50 | 09:53:42 |
3.Malaika Homo(アメリカ)
00:56:41 | 05:23:03 | 03:32:38 | 09:58:49 |
Ironman 70.3 Muskoka(カナダ)
プロ男子:新人選手であるカナダ代表Lionel Sanders(ライオネル・サンダース)が、優勝候補とされていたドイツ代表Andreas Raelert(アンドレアズ・ラエラート)に勝る結果となり、大幅な差をつけ初優勝を飾った。スイムでは、ITU選手でもあるオーストラリア代表James Seear(ジェイムス・シアー)が23分代でリードする中で、バイクが始まると3分遅れのSandersが、猛チャージをかけ、2時間20分代でランをスタートし、そのままランラップ1時間10分で余裕の優勝を得た。調子の狂わないRaelertは、バイクで順位を落とすものの、しっかりとしたランペースで2位まで上がり入賞し、ニュージーランド代表Tom Davison(トム・デイビソン)が、バイクで稼いだ差が功を奏し、3位でフィニッシュした。
1.Lionel Sanders(カナダ)
00:26:17 | 02:20:54 | 01:10:58 | 04:01:20 |
2.Andreas Raelert(ドイツ)
00:24:00 | 02:27:41 | 01:12:50 | 04:07:50 |
3.Tom Davison(ニュージーランド)
00:23:07 | 02:22:25 | 01:22:24 | 04:11:29 |
プロ女子:今年のIronman 70.3世界選手権出場はせずに、このMuskokaへの出場を決めたオーストラリア代表2011年IM世界王者であるMirinda Carfrae(ミリンダ・カーフレイ)が、未だに衰えぬ高速ランを見せ、優勝を飾った。Carfraeは、いつも通りのスイムで、トップと2分程で遅れバイクをスタートするも、その間に、地元カナダ代表Rachael McBride(レイチェル・マクブライド)が、強靭なバイクスピードで、2時間38分でトップ通過する。Carfraeも成長したバイクスピードで2分遅れのトップへの射程圏内で2位通過した後、1時間18分代で走りきり、2位でフィニッシュしたMcBrideへ、ランで2分も離し、タイトルを勝ち取った。3位には、カナダ代表Lisa Mensink(リサ・メンシンク)が入賞した。
1.Mirinda Carfrae(オーストラリア)
00:27:33 | 02:40:18 | 01:18:09 | 04:29:34 |
2.Rachael McBride(カナダ)
00:26:10 | 02:38:12 | 01:23:38 | 04:31:30 |
3.Lisa Mensink(カナダ)
00:25:34 | 02:45:19 | 01:29:51 | 04:44:16 |
Ironman 70.3 Luxembourg(ルクセンブルグ)
プロ男子:優勝候補として出場を予定していた地元代表Dirk Bockel(ダーク・ボッケル)が、欠場する中で、ベルギー代表Axel Zeebroek(アクセル・ジーブローク)が、初開催であるルクセンブルグで、初代王者として優勝した。スイムからZeebroekが、23分38秒でトップ通過したまま、バイクでも勢いを落とさずに、レースベストのバイク2時間6分で、大幅な差をつけ、得意のランは流す様な形で、余裕を持ったまま最初にゴールテープを切った。その5分後に、ドイツ代表Patrick Lange(パトリック・ランジ)が2位でフィニッシュし、同じくドイツ代表Horst Reichel(ホースト・レイチェル)が3位に入賞した。
1.Axel Zeebroek(ベルギー)
00:23:38 | 02:06:34 | 01:16:17 | 03:49:28 |
2.Patrick Lange(ドイツ)
00:24:22 | 02:12:49 | 01:14:09 | 03:54:25 |
3.Horst Reichel(ドイツ)
00:24:24 | 02:12:26 | 01:16:15 | 03:56:03 |
プロ女子:ベルギー代表Sofie Goos(ソフィー・グース)が、最後のスプリントフィニッシュで、2位フィニッシュしたイギリス代表Susie Hignett(スージー・ヒグネット)に、5秒上回り、最後に優勝を手にした。始終この2人のバトルが注目が浴びせられ、スイムスタートからランフィニッシュまで、1対1のレース展開で行われた。3位に、ドイツ代表Natascha Schmitt(ナターシャ・シュミット)が5分遅れでプロカテゴリー入賞するも、エイジ1位のドイツ代表Astrid Ganzow(アストリッド・ガンザウ)が、総合で3位に入る結果となった。
1.Sofie Goos(ベルギー)
00:28:13 | 02:26:01 | 01:23:45 | 04:21:27 |
2.Susie Hignett(イギリス)
00:28:11 | 02:26:06 | 01:23:42 | 04:21:32 |
3.Natascha Schmitt(ドイツ)
00:26:35 | 02:30:47 | 01:27:00 | 04:27:44 |
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