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Specialized NEW S-WORKS SHIV発表

2012年に初めて発表されたSpecialized(以下スペシャ)のShivは、トライアスロン専用のバイクとして、新たな歴史を踏んだ。

2012年に初めて発表されたSpecialized(以下スペシャ)のShivは、トライアスロン専用のバイクとして、新たな歴史を踏んだ。

その1つは、UCIルールを無視すること。規格に制限されずに自由なデザイン作り出すことができた。そして、もう1つは、ユーザーの目線から、ハイドレーションや補給の便利さを追求したこと。この2つの要素は、その後のトライアスロンバイクマーケットに多大な影響を与えたことは明らかだ。その後、そのアイデアに影響を受けた競合ブランドも、UCIルールを無視したトライアスロンに特化したバイクを続々と発表し始めた。

洗練されたエンジニアたち

これまで、スペシャライズドの開発担当と言えば、スペシャのビデオに度々登場していたクリス・ユウやマーク・コートのエンジニアチームだった。自社の空力施設で、エアロを追求するために、バイクからパーツ、アパレルまで、色々な面で研究を重ねてきた。しかし、初代Shivも、フューエルセルなどの専用ハイドレーションパーツを発表することで改良を重ねていたが、発表から6年が経ち、ハワイでも毎年バイクカウントを落として行く傾向にもあった。

そこで、新たなプロジェクトとして新しいShivの製作が始まった。新たに開発担当エンジニアとして、プロロードレーサーで、2016年米国TT王者のキャメロン・パイパーが着任した。過去にバイクショップで働き、トライアスロンの経験もあることから、このプロジェクトには、彼が最適な人材として選ばれた。

トラディショナルなトライアングルフレーム

これまでのトライアスロンバイクトレンドを見ると、やはりV字のバイクなど流行りのデザインとなっている。今回スペシャのNew Shiv発表も、同じようなトレンドを辿るのかと思ったが、実際はUCI規定バイクのようなシンプルなトライアングルデザインのフレームだった。

だが、他ブランドのユニークなデザインと比べて、そのシンプルな見た目だけで、落胆してはいけない。そのフレームデザインになったのには、多くの理由がある。キャメロンによると、V字フレームなどは、複雑なカーボン構成が必要となり、重量もかなり増す。実際サーベロP5Xのようなバイクは、かなりの重量が伴ってくる。しかし、このNew Shivは、自社最高エアロロードバイクのVengeの要素も取り入れ、さらなる剛性を保ち、軽量なフレームとなった上、パワー伝導も失うことなく、ノリ心地もロードバイクの感覚に近いフレームデザインとなっている。

このフレームデザインで一番優先位になったのが、エアロダイナミックだ。それを追求した結果が、フォークが2つのピラー型になっている。このバイクを正面から見たときに思いついたのが、WillierのTwinBladeだ。この形状のフォークだと、横風でも安定感を保ち、どのブランドよりも最もエアロなデザインだと言っていた。

コンポーネント

いままでリムブレーキ時代には、多くのブランドは試行錯誤で、フレーム一体型ブレーキシステムなど作製してきた。実際スペシャライズドも、独自のブレーキパーツを作製してきた、その1つのブランドだった。しかし、リムブレーキでは、色々と問題が出てくる傾向にあった。スプリング部分の消耗やリム幅の調整など、ユーザーにとってメンテナンスが繊細なバイクでもあった。

ディスクを使用することで、その悩みを多く解消するされる。ホイールのリムサイズによって調整する必要が少ないこと。そして、マウンテンバイクなどで長年使用されてきたディスクブレーキは、オールウェザーブレーキとして、雨の日でも、しっかりとブレーキパフォーマンスを維持してくれる。

そして、大きな利点として、フォーク部分のデザインの幅が広がったことだ。そのため、New Shivも、ヘッドチューブの頭を取り外すことができ、ケーブルなどを通す際、メカニックの側にとっても、便利なシステムとなっている。

ハンドル周りも、シンプルなデザインで、5ミリ六角レンチがあれば、組立が可能なほどだ。そして、バイクフィティングに関しては、Retulのフィティングデータを元に、最適な調整域を計算して製作されたため、初代のShivよりも幅広い調整が可能だ。パッドの幅から前後位置の調整まで、12タイプの細かなセッティングも可能。そして、パッドのベースプレートの高さもスペーサーを使用することによって、上下調整ができる。

ハイドレーション|ストレージ

このバイクを見てまず目に入るのが、シート後ろリアの大きなボックスだ。元祖Shivのドリンクパックは、ダウンチューブの中に装着していた。New Shivは、このリアボックスに1.5リットルのドリンクシステムが入っている。チェーンステイの間の穴からホースを通し、フレーム内を通って、ハンドルバーの中心の穴から出てくる。

ここで気になったのが、ドリンクパックやホースを洗うとき、取り外しや装着が面倒なのではないかということだ。しかし、その心配も無用だ。ダウンチューブ内側をには、しっかりとライナーガイドがついているので、ホースを穴から押し込めば、ハンドルから出て来る。エアロバー周りにも、専用のボトルケージホルダーを使用すれば、ドリンクボトルやエアロドリンクシステムも装着可能だ。

そして、ダウンチューブには、補給食を入れるシリコン素材のストレージを完備している。ここで気になるのが、スペアチューブなどのツールはどこに入れるのかだ。実は、このストレージを取ると、ツール用のSWATバッグがボトムブラケットの辺りに隠れて入っている。もし、ストレージが、トップチューブに必要であれば、2つのボルトがついているので、固定式のストレージシステムを使うことも可能だ。

トラベルバッグ

このバイクには、専用のトラベルバッグがついて来る。パッドが入った軽いソフトケースのデザインだ。ハンドルも折り曲げ、エアロバーも簡単に取り外しができるので、すぐに組み立てが可能だ。大きさもほかのバイクバッグに比べ小さめなので、とてもコンパクトなケースとなっている。

さらなる課題

まだ、このNew Shivには、さらなる改良が必要となって来ると思われる。その1つとして、リアのハイドレーションパックに補充ができる様にすること。そして、特に小さなフレームだと、後ろのリアボックスがフレームより高い位置に飛び出ているので、シートの調整域が限られてしまっていること。なので、購入前にRetulなどのフィティングに行き、しっかりとフレームサイズを確認しておきたい。

現在台数限定で、予約を行っている。リリースは、2019年3月の予定。

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