Race Profile

2012 Ironman 70.3 World Championship プレビュー

今週末、2012年9月9日に、世界中で行われているIronman 70.3予選レースで、権利を勝ち取った選手達が、このネバダ州Las Vegas近郊にて、それぞれのエイジグループ、そしてプロの中で、世界王者を決める大会が開催される。

2006年から始まったIronman 70.3世界選手権は、フロリダ州Clearwaterから開催され、2011年から新しいレース会場として、ネバダ州Las Vegasに変更されてから、フラットコースだったClearwaterから、アップダウンの激しいコースになったLas Vegasで、さらなる個々の強さが出る、本物の世界選手権として言われるようになっている。

今年は、いままでに比べて更にパワーアップしたプロ選手達が出場を決め、スピードと持久力の必要なこのIronman 70.3のレースにて誰が王者に輝くのかが注目だ。

プロ男子

Craig Alxander(クレッグ・アレキサンダー)

言わずと名の知れた、2008、2009、2011年のハワイ世界大会優勝者であり、2012年にラスベガスへ移された年に、再度2006年ぶりに、Ironman 70.3世界選手権にて、合わせて2度の王者に輝いたことのある、オーストラリア代表のCraig Alexanderが、最も優勝の可能性を常に秘めている。2000年代初期から2006年までは、アメリカ各地で開催されるLife Time Fitnessシ リーズで活躍し、シリーズ優勝を達成する等ショートのドラフティングなしのレースでは、3種目共バランス良く強さを持っており、特にランを得意としてい る。だが、今年は3月のIronman Melbourne大会で激的な勝利を納めた後は、怪我の予防と身体の休養をメインにし最低限のトレーニングを行っており、レースにはあまり出場していなかったが、最後に出場した7月のIronman 70.3 Racineレースでは、バイクとラン共に、いつもの調子が出ず9位に終わってしまった。この結果を見て、優勝の可能性について不安要素が残るが、自身の持つ必勝法を常に大舞台で実行できる彼なので、2連覇目指して、優勝のトップ争いを繰り広げてくれるに違いない。

Chris Lieto(クリス・リエト)

昨年の2011年Ironman70.3世界選手権にて2位で入賞し、毎年ハワイで開催されるIronman Hawaii 世界選手権では、最速バイクラップで、常に注目を浴びるアメリカ代表Chris Lietoも外せない。今シーズンは、長引く脚の怪我の影響で、入賞するも思ったような結果を出せず、メインの目標としていた、Ironman Hawaii 世界選手権出場も、今年のIronman Coeur d’Aleneにて棄権した後、ポイントを稼ぐことが難しいため辞退を決めた。しかし、そのフォーカスを逆に、体力的にもダメージの少なく、自らの回復に努めることができる、この70.3世界選手権の出場で今シーズンのハイライトとして決意する。毎レース見せる最速バイクスピードで、バイクラップトップで常に注目を浴び、今回のアップダウンが激しいバイクコースにて、いつも通りのバイクでの逃げ切りが成功し、強化しているランで粘ることができれば優勝は、間違いないだろう。

Michael Raelert(マイケル・ラエラート)

2009年と2010年のClearwaterでのIronman 70.3 世界王者であるドイツ代表Michael Raelertが帰ってくる。昨年は、直前に怪我をしてしまい、出場を辞退したが、今年はそのレッスンから学び、レース数も控えめにし、万全な体調で、この試合にベストな体調に合わせてきている。2012年のシーズン後半は、70.3レースで負けなしの戦いを見せ、Ironman 70.3 ヨーロッパ地区選手権では王者に輝く等、かなり調子を上げてきている。今年は、ラスベガスとハワイのダブル世界選手権出場と言うことで、そして初のIronman Hawaii出場なので、この強豪フィールドで、まだ経験のないこのラスベガスのコースにて、彼の強力なランを見せるができる最高の舞台になるだろう。

Greg Bennett(グレッグ・ベネット)

先週末のHy-Vee Triathlon(ショート・ノンドラフティング)にて、3位入賞し、どのノンドラフティングレースでも、常に表彰台に上がり、ここ5年以上多くの優勝を重ねて来た、3種目ともバランスのある強さと、ベテランならではの勝利法を持つ、オーストラリア代表Greg Bennettにもかなりの注目が集まっている。今年のIronman 70.3 Hawaiiでは、優勝したLance Armstrongに対してランで詰め2位で終わってしまったが、その後の70.3 VinemanMucineレースで、数々の優勝を勝ち取り、シーズン後半になるごとに調子をかなり上げてきている。ITU上がりのスピードと3種目の強さを最大限にうまく引き出せることができれば、最後のトップ争いに期待ができる。

Timothy O’Donnell(ティモシー・オドネル)

Ironman 70.3アメリカ地区王者であり、2010年のアジアパシフィック王者でもある、年々急速に強くなってきているアメリカ代表Timothy O’Donnellも注目の的だ。今年は、出場したIronman 70.3レースでは、全勝し、驚くような進化を遂げている、これからも外せない有力選手だ。元海軍出身と言うことで、スイムには絶対の自信があり、バイクとラン共に徐々に実力を見せつけている選手なので、トップ集団の争いで繰り広げられる展開を見せてくれるだろう。

Richie Cunningham(リッチー・カニングハム)

どの大会でも後方の順位からランナーアップとして、常に上位まで追い上げに自身のあるランを持つ、ミスター・ランナーアップであるオーストラリア代表Richie Cunninghamもこのフィールドで自分の実力を試す。だが、いままで2位止まりの成績が多かった彼だったが、今年は、Revolution 3のハーフディスタンスで全勝中のベテランであり、特に70.3レースを主に出場を重ねてきている選手で、ランを得意とし、バイク後に、先頭を行く選手を追いかける展開を好む。今回も同じ手法で、ある程度の差をトップと付けられずに、ランで追い付くことができるかが上位へ駆け上る作戦になるだろう。

Andy Potts(アンディー・ポッツ)

今回要注意される選手といえば、2007年70.3世界王者で、元アテネオリンピック選手で、ショートからロングまで幅広い好成績を残している、アメリカ代表のAndy Pottsが、優勝候補になるだろう。あのMichael Phelpsも通うミシガン大学のトップスイムチーム出身であり、一時期水泳でオリンピックを目指していたこともあり、スイムに関しては、トライアスロン界でトップレベ ルの存在であることから、毎回レースにて、最速スイムタイムで単独トップで上がってくることは必須だろう。去年のIronman 70.3 世界選手権では、予想通りスイムトップで上がってきたものの、弱点のバイクで落ちてしまい残念な結果におわったが、今年のレースでは、数々の優勝を重ね、バイクの強さも強化してきている傾向がある。今年こそ、スイムとバイクで逃げ、走れるランを見せてくれれば、いつもの逃げ切り勝利で王者の名を取り戻すことができるだろう。

Joe Gambles(ジョー・ギャンブルズ)

今年の70.3レースでの活躍が、目立つ選手の一人で、2010年のアイアンマン・ウィスコンシンのコースレコード保持者で、Ironman 70.3 Boulderなどで出場した大会では無敗のオーストラリアのタスマニア島出身で、タスマニアデビルのあだ名(同郷元プロGreg Welchが命名)を持つ、Joe Gamblesは、今年かなり熱い存在だ。Trek-KSwissト ライアスロンチームの一員として、ここ数年でチームと共に、名を輝かしてきている選手の1人であり、特にバイクとランを得意としている。2011年は、5位でフィニッシュし、今年は、バイクも強化し、トレーニングベースのコロラドにて、由緒あるランニングクラブで、更なるランのスピードアップを図っていることから、この70.3世界選手権では、危険な人物の1人になるだろう。

Bevan Docherty(ビーバン・ドカティ)

今年は、ロンドンオリンピック出場を果たし、これからロング転向に向けて、このラスベガスにて、優勝を狙う、ニュージーランド代表のスーパースター、北京オリンピックメダリストでベテランのBevan Dochertyが出場する。2012年始めのレースであるIronman 70.3 Panamaでは、Lance Armstrongに、バイクで引き離されつつも、ITUのスピード感を活かしたラン強さで、フィニッシュギリギリで勝利したのが印象的であった。1ヶ月前にオリンピックに出場したことから、現在かなりパフォーマンスをあげてきているので、この70.3世界選手権のフィールドで、どれだけ強さを見せてくれるかが大変注目だ。

Clayton Fettel(クレイトン・フェテル)

今年最もレベルを上げ、すでに3つの70.3レースで、余裕の優勝重ね続けてきた、オーストラリア代表スーパースイマー&サイクリストClayton Fettelも強力な選手に成長している。サーファー上がりの強力なパドル力で、スイムの最初からちぎりまくり、次に得意なバイクでさらに差を開くスタイルで、最初から最後までトップでフィニッシュするパフォーマンスを見せてきているので、このラスベガスにて、これがどれだけ通用するかが、彼の優勝のチャンスになる。

Sebastian Kienle(セバスチャン・キンリー)

2011年は、ドイツ国内のローカルレースで活躍し、ヨーロッパ圏内の70.3レースを主に出場し優勝を重ね、若手として実力を発揮し続けてきた、ドイツ代表のSebastian Kienleが、ダークホースになるだろう。スイムが弱い分、強力なバイクスピードで常にトップに踊りでる実力もあり、その後のランでサブ1時間15分は、余裕で走れる能力のある危険な選手である。唯一、同じくドイツ代表で世界王者だったMichael Raelertを負かすパワーがある選手なので、Chris LietoClayton Fettelなどのバイク強い選手と争うシーンと彼の動きにに期待したい。

プロ女子

Mellisa (Rollison) Hauschildt(メリッサ・ハウシュルド)

2011年Ironman 70.3世界選手権にて、激的なランニングスピードでごぼう抜きをし、そのまま勝利まで駆け走った、オーストラリア代表Mellisa (Rollison) Hauschildtも、今回優勝候補としてかなりの期待が集まっている。プロデビューして間もなくの世界王者となり、今シーズンもその調子で、レースに出るつもりだったが、脚の怪我のためオフを取りざる得ない状態にもなったが、現在順調に回復と練習共に元に戻ってきているので、あのサブ1時間20分のランニングを余裕に見せてくれれば、2連覇も難しいことではない。

Kelly Williamson(ケリー・ウィリアムソン)

ここでの一番の優勝候補に上げられるのは、今年始めのIronman 70.3 Panamaにて劇的なランタイムを出し、2位まで追い上げた、今年の2週間前のIronman 70.3 San Juanにて2連覇を果たした、アメリカ代表Kelly Williamsonが注目だ。あのランが強いとされるプロ女子のMilinda CarfraeMellisa Rollisonと同じくらいの速さを持ち、1時間20分のランタイムは余裕で切ってくるだろう。今回、スイムとバイクで前方との差を十分に縮めることができるなら、ランでの追い上げで優勝は確実となるだろう。

Mirinda Carfrae(ミリンダ・カーフレイ)

言わずと知れた2010年Ironman Hawaii世界王者、オーストラリア代表Mirinda Carfraeも優勝候補として外せない。今シーズンは、最強のアドバイザーであるCraig Alexander同様に、2012 Ironman Melbourne出場で3位になった後は、70.3レースで活躍を見せてくれたが、絶好調と言う感じではないのが現実。だが、この間に、AlexanderのコーチでもありRetulプロバイクフィッターのトップマネージャーであるMat Steinmetzを迎え、弱点であるバイクを主に強化してきていることから、このラスベガスにて、どれだけ成長しているかが、楽しみである。強くなったバイクを見せることができれば、ラン勝負にかければ、優勝の可能性が大きく広がるだろう。

Leanda Cave(リアンダ・ケイブ)

2011年Ironman Hawaii 世界選手権では、3位に入賞し、これから世界王者としてのステップアップに希望がある、イギリス代表Leanda Caveも外せない存在だ。今年のレース出場は、かなり控えめで、タイトル獲得したレースは少なかったが、Team SiriusSiri Lindleyの元で、しっかりトレーニングを重ねていることから、1ヶ月後のハワイの調整として、しっかりコンディショニングをし合わせてきているので、この70.3世界選手権のフィールドで、どれだけパワーアップしているかが注目だ。

Heather Jackson(ヘザー・ジャクソン)

元アイスホッケー選手であり、これからかなりの注目選手であるアメリカ代表Heather Jacksonが、優勝候補に上げられるだろう。腕のタトゥーがお似合いな小柄の選手だが、特に、このフィールドでは、一番バイクが異常に強い選手であり、ランも毎年スピードを上げ続けてきてる選手だ。今年出場した70.3レースでは、優勝とランラップトップを重ねてきていることから、いま一番調子が上がってきている選手だ。

Linsey Corbin(リンジー・コービン)

元々エイジグルーパーが上り詰めてきた、若手ながら数々のアイアンマンレースで優勝し、2011年Ironman 70.3世界選手権では、3位に入賞する等、毎年力を上げてきている、アメリカ出身モンタナガールのLinsey Corbinも優勝を狙う。新しく今年からTrekスポンサーに迎えられ、最新のRetulバイクフィットで、最高のバイクポジションを生み出しこ とから、更なるバイクでの速さをレースで証明してくれた。バイクだけではなく、得意のランで粘り強いペースを維持し、持っているポテンシャルと更に強化されたパフォーマンスを見せつけてくれるだろう。

Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)

今年一番ノリに乗っているアメリカ代表のMeredith Kestlerが、要注意人物だ。シーズン始めのIronman (70.3) New Zealand70.3 EaglemanIronman St. GeorgeIronman 70.3 Vinemanなどの多くのロングディスタンスに出場しほとんど優勝している。彼女の強さは、トップスイマーであり、その後のバイクとランで逃げ切ることができるスピードと持久力を兼ね備える、優勝候補から外してはいけない選手として成長しているので最後ランでどこまで走れるかが優勝の鍵だろう。

Emma-Kate Lidbury(エマケイト・リッバリー)

急速にその存在を光らせ始めてきたイギリス代表Emma-Kate Lidburyもダークホースとして注目だ。今年は、Ironman 70.3 MallorcaChallenge Fuertoventuraを含め優勝と、2011年には、主にヨーロッパ圏のレースで数々の優勝を重ね、去年の70.3世界選手権では、8位に入賞している、最も勢いのある選手だ。スイム出身だが、Wiggleにスポンサーされる程、バイクに関してもを得意分野としているので、どれだけスイムとバイクでトップ集団に着いていきランで頑張れるかが、上位入賞の分かれ目になるだろう。

Angela Naeth(アンジェラ・ネェス)

2012 Ironman 70.3 Panamaにて、最速バイクラップの2時間26分を出し、そのままランで粘りタイトルを獲得したカナダ代表Angela Naethもこの強豪フィールドで張り合える力を持っている。得意であるバイクを力にして、ここまで苦手なスイムを克服し、1時間20分台で走れるランの好調さを見せつけることができれば、必ず表彰台にあがる実力のある若手選手だ。

Jodie Swallow(ジョディー・スワロウ)

2010年のIronman 70.3 Clearwater 世界王者に輝き、今年もIronman 70.3 南アフリカ等のレースでタイトルと獲得し続けてきた、最速スイマーでもある、イギリス代表Jodie Swallowも怪我から復帰後どこまで仕上げてきているかが注目だ。この同じネバダ州の様な似た気候の土地で出場した、Ironman St. Gerogeでも2度リタイアしており、あまり成績を残していないということもあるので、天候が彼女の敵に回るかもしれないが、スイムに関しては、男子と互角のタイムを弾き出し、必ず1位通過で上がるのが彼女の条件であり、ITU上がりのスピードを活かし、バイクとランでうまく逃げ切れることができるのであれば、タイトル奪還も夢じゃない。

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