ディスクブレーキのトレンド

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現在では、ほとんどのバイクブランドが、これまで長年主流だったリムブレーキから、ディスクブレーキへとシフトしていく展望にある。2年前のCervelo P5X発表以来、2019年のアイアンマンハワイでも、SpecializedのNew Shivを始め、Felt IA、Dimond Mercury、Pinarello Bolide、Ceepo Viperまで、ほとんどのトライアスロンバイクがディスクブレーキ専用フレームへとシフトしている。

実際自身が働くバイクショップでも、ディスクブレーキを見ることは、特別なことではない。数年前までは、ロードやトライアスロンバイクでは、リムブレーキ仕様がスタンダードだが、MTBバイクではディスクブレーキ仕様が通常だ。

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MTBのようなオフロードバイクでは、泥、雨、砂などの路面を走るため、それに適合したブレーキシステムが不可欠で、それがディスクブレーキである。実際、車やモーターバイクに使用されるため、オールウェザーブレーキとも言える。リムブレーキと比べ、濡れた路面でもブレーキ性能を失うこともないディスクブレーキには、多くの利面がある。

なぜディスクブレーキが必要?

2017年のアイアンマンハワイで、サーベロのP5X発表時に、エンジニアに聞いた話だ。これまでリムブレーキ専用のフレームやフォークのデザインには、かなり試行錯誤してきた。例えば、ブレーキシステムとフレームが一体型のバイクは、エアロ効果のあるデザインにする上で、フレーム自身にしっかりと強度持たせ、コンプライアンスが必要となる。そして、それぞれのフレームに適応した特別なブレーキデザインが必要となるため、複雑な設計が必要だった。

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そして、常にユーザーやメカニックにとっても、このタイプのフレームには、頭を抱えることもあった。ブレーキ一体型のフレームになると、地面の汚れやブレーキシューの汚れが、ブレーキキャリパーに溜まり、ブレーキパフォーマンスや性能が損なわれることが問題が多い。それに、練習用ホイールからレース用ホイールに交換する時に、カーボンリム専用のブレーキシューが交換必要だったり、リム幅のサイズが変わるだけでも、ブレーキ調整が困難なデザインも多かった。

ディスクブレーキの利点

ディスブレーキの利点は、そのブレーキパフォーマンスだ。リムブレーキに比べ、そのブレーキパフォーマンスは、倍以上だ。実際、プロサイクリストも、そのブレーキ性能を生かして、コーナリングでは、ブレーキをギリギリまで待ち、数秒のタイム稼ぎとなる。そして、雨などの悪天候時でも、リムブレーキのように天候にブレーキパフォーマンスを左右されることない。常に、リムが地面と近く、雨や泥で汚れてしまうリムブレーキホイールに比べ、ディスクブレーキは、地面と離れてる上に、MTBでも使用され、証明されたディスクブレーキシステム性能は、ブレーキパフォーマンスを失う可能性が少ない。

エンジニアにとって、エアロデザインを追求する上で、これまでのようにブレーキデザインでフレームデザインに左右されることがない。ディスクブレーキシステムを取り付けるには、2つのボルト穴を開けることだけで、これまでみたいな複雑な設計を必要とせず、デザインの幅が広がる。

そして、ホイール自体にも利点がある。リムブレーキ専用カーボンホイールだと、ブレーキシューが接触するリム部分を、安全規程をクリアするために、かなり硬くしっかりとした構成をしなければならない。そして、ブレーキ時に発生する熱で、リムにダメージを与え、リムが溶けるということもあり得る。

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ディスクブレーキ用カーボンホイールは、リム専用ブレーキホイールのように、ブレーキパフォーマンス向上のための強化や加工することが必要ない。逆に、タイヤからリムへのエアロ効果を高めたデザインが作成可能な上に、リム全体の剛性、性能を高め、軽量化も可能となった。

ディスクブレーキの弱点

だが、ディスクブレーキは、利点ばかりだけではない。もちろんブレーキシューのように、パッドが消耗するし、取り扱いによっては、大きなダメージへと繋がる。梱包や移動で、外からの衝撃でローター部分が少しでも曲がれば、ブレーキパッドに常に擦れ、パッドやローターの消耗に繋がる。それをまっすぐ直すためにも、特別なツールとスキルが必要。

油圧式のブレーキシステムになると、さらに複雑になる。ホイールを外した際に、気づかずにブレーキレバーを押してしまうと、キャリパーの中のピストンが飛び出したままとなり、パッドがオープンのポジションへと戻らず、閉まったままになってしまう。これを防ぐためには、専用のパッドインサートを差し込めば、大きな問題とはならない。

そして、高温になる場所でバイクを長時間置いておくと、ブレーキホースの結合部分にあるラバーリングが膨張し、ブレーキホース内で圧力が加わり、ブレーキレーバーが動かなくなり、性能を失うこともある。

ディスクブレーキは、油に弱い。バイクを洗車する際に使うクリーニング剤や潤滑油、チェーンルーブ、ブレーキ油などが、ローターに汚染されると、ローターとパッドが滑ってしまい、ギーーーといった大きな音を立てる上に、ブレーキパフォーマンスを損なうこともある。

ディスクブレーキ常備化へ

これからは、どのバイクブランドも、ロードやトライアスロンバイクへのディスクブレーキが、常備化されてくるだろう。高級バイクばかりではなく、現在は安いモデルでもディスクブレーキがついてくることが多くなっている。やはり、ユーザーにとっても、オールラウンドでオールウェザーなディスクブレーキの必要性やパフォーマンスが証明されてきてる。しっかりと、メンテナンスし、その扱い方を知っていれば、ディスクブレーキの方が、全体的にバイクライディングの安心面やパフォーマンス面で、信頼のできる要素が多いのだろう。

 

 

 

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