2018 Ironman世界選手権プレビュー:プロ男子

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今年のプロ男子スタートリストは、歴史上最も速いタイムが予想されるレースとなり、8時間切りのコースレコードも期待できるラインナップだ。しかし、残念なことに、これだけの豪華なラインナップが集まる中で、ギリギリで欠場を決断したトッププロ達も相次いだ。

1ヶ月前の70.3世界選手権で優勝したヤン・フロデノは、いままでで最高のコンディションで挑み、ランで1時間6分で走る驚異のパフォーマンスを見せ、ハワイでも優勝確実だと思わせた。しかし、数ヶ月前のバイク事故の後遺症もあったのか、座骨の疲労骨折で欠場を発表した。

3ヶ月前バイク練習中、トラックにひき逃げされ、大事故に巻き込まれたニュージーランド代表テレンゾ・ボゾーニも、短い時間の中で練習を続けていたが、コナまでに回復の見込みがないため欠場を表明。

そして、2014年世界2位のアメリカ代表ベン・ホフマンも、今シーズンはアップダウンの激しいパフォーマンスの中で、ハワイに向けてコンディションを整えてきたが、フロディノ同様に疲労骨折で欠場という結果となった。

高速化するバイカーたち

まずは、ローイングで北京五輪代表に選ばれた経歴を持ち、その後プロサイクリストからトライアスリートへと転向したオーストリア代表キャメロン・ワーフだ。去年同様に、バイクでのペースセッターになるだろう。去年ハワイ初出場ながらも、先頭パックのペースをコントロールした上に、バイクコースレコード4時間12分で大幅に更新した。バイクで補給食を落としてしまったため、ランで苦しんだが、3時間切るランができれば、トップ5フィニッシュも見えてくる。

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そして、トライアスロン界では、名前を知らないという人はいないほど、ヒーロー的存在となっているカナダ代表ライオネル・サンダースは、今年最も優勝に近い選手である。スイムが弱点だが、毎年そのスイムを強化しトップグループについていけるくらいの力をつけてきている。バイクとランのコンボは、どの選手も敵わないほどの速さを持つ。去年は、ランで30キロ地点まで先頭をリードしていたが、現王者ラングに抜かされ優勝を逃した。これをモチベーションに、今年はベジタリアンな食事からレース補給方法まですべて一新し、100%準備万端で完璧なレースをコナで優勝を目指す。

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もう一人忘れていけないのが、アメリカ代表アンドリュー・スタリコウィッツだ。これまで様々な事故に遭ってきたが、常に完全復活を遂げてきた。バイクコース世界記録4時間1分を持つナンバーワンバイカーが、今年ようやくコナへと帰ってくる。2年前にバイク練習中トラックに引きずられ、生死をさまよう大事故にあったものの、その1年後には、アイアンマン・ルイビルで優勝し、驚異の復活劇を見せた。彼の強みはやはり唯一4時間一桁台のバイクスピードだ。コナでは、4時間切りは難しいと思うが、トップバイカー集団のペースセッターの一人として、ワーフとどういう展開を見せるかが、注目となるだろう。

世界王者たち

現世界王者であるドイツ代表パトリック・ラングが、今年も王者防衛を目指す。去年は、世界記録とともに、ランレコードも更新し、その強さをランでみせた。アイアンマンでは、無名の選手だったが、コーチである元世界王者のファリス・アルサルタンのコーチングの元、アイアンマンデビュー後2年目で世界王者となった。今年のアイアンマン・フランクフルトでは、怪我の影響で得意のランで苦しみ、優勝を逃した。ハワイに向けて、F1で使用する空力研究施設で、バイクフィティングのオーバーホールを行い、最もエアロで完璧なバイクセットアップを作り上げた。苦手であるバイクで、サンダースやキーンルとの差を詰めることができれば、得意のランで2連覇に期待できる。

2014年の世界王者であるドイツ代表セバスチャン・キーンルが、今年コナだけにしぼり、いままでで最高のパフォーマンスを目指す。今年は、過去6年以上連続出場していた70.3世界選手権には出場せずに、ハワイを最終目標として練習を重ねてきた。先日のインタビューでは、人生で最高のコンディションだと豪語していた。サンダースやラングなどの高速ランナーと戦えるランを見せてくれれば、再度王者奪還も可能だ。

ITU界ではカリスマ的な存在として君臨していたスペイン代表ハビエル・ゴメスが、今年ようやくアイアンマン・ケアンズでデビューを果たし、世界選手権へ初出場。過去にITU世界王者や五輪銀メダリストという経歴を持ち、70.3レースでは、高速レースを見せ優勝を重ねてきた。今年は、ルーキーとしてロングでの経験を得ることに重視している。彼がこのハワイの地で、どういうパフォーマンスを見せてくれるかに注目だ。

ベテラン勢

このフィールドで、20年以上のベテランプロであるニュージーランド代表キャメロン・ブラウンが、46歳の最高年齢で出場を果たす。過去に、トップ3入りをするなど、トップ選手として飛躍してきた。パフォーマンスの安定さが持ち味で、世界選手権では、常にトップ10入りを重ねてきた。今回もベテランとしての経験を活かして、どういうパフォーマンスを見せてくれるかに注目だ。

20代前半若い頃から、アイアンマン一筋で、過去に10回ハワイ出場し、高速バイカーとしてその名を広めてきたオーストラリア代表ルーク・マッケンジーが、2年ぶりにハワイの地へ帰ってくる。高速サイクリストの一人として、バイクでは常に先頭集団を引く役目をしてきた。ここ2年間は、怪我やアイランドハウストライアスロンなどのディレクターをするなど、多忙の中でも、順調に今年のハワイへの権利を得た。弱点であるランの強化しだいで、これまでの最高位3位を超えるられるか。

過去に最高位トップ4位で、何度のトップ10入りを果たしてきたアメリカ代表アンディー・ポッツが、41歳という年齢で、10度連続ハワイ出場を果たす。五輪候補スイマーからITU選手として登り詰め、アイアンマンでは、過去に2度4位入賞。これまでスイムトップで上がる姿を多く見せてきたが、ここ数年は、そのスイムスピードが衰え始めているにもかかわらず、安定したランで、常にトップ10入りを果たしてきた。今年で引退かと?という声も聞くが、このハワイでは決して見逃していけないベテラン選手の一人だ。

要注意選手

今年要注意しておきたい選手の一人として、イギリス代表ジョー・スキッパーだ。ヨーロッパで人気のあるチャレンジ・ロートでは、欧州の強豪が集まる中、見事優勝した。これまで2度ハワイに出場してきたが、弱点であるスイムで出遅れ、上位入賞を逃してきた。今年は、スイム強化したうえで、アベレージ300ワット超えのバイクで、うまくトップ集団に追いつくことができれば、ランも2時間40分台で走れるので、トップ3入りの可能性もある危険な選手だ。

去年のアイアンマン・ニュージーランドで、同郷先輩のブラウンやボゾーニを倒して優勝したニュージーランド代表ブラッデン・カーリーも見逃してはいけない。去年のハワイでは、トップ5入りも確実なほどのコンディションだったが、レース数日前に、ビーチでウニを踏んでしまい歩くのも困難なほどの状況に陥った。レースには出場し、バイク前半でリードする姿も見られたが、途中パンクに遭い、足の痛みも影響し、徐々に失速し、悔しいフィニッシュとなった。今年は、アイアンマン・ケアンズで、初出場のゴメスとラン勝負に勝ち優勝。まだ、秘めたポテンシャルを発揮できてない選手なので、今年のハワイではレース展開を覆す選手の一人になるだろう。

過去のアイアンマン欧州選手権では、2時間40分切りのランを見せる速さを証明してきたスウェーデン代表パトリック・ニルソンも外してはいけない注目選手だ。過去に25歳という若さで、アイアンマンで2度8時間切りを達成した。今年のアイアンマン欧州選手権では、フロディノに続き2位に入賞した。3種目ともバランスのある選手で、現世界王者のラングと同等の走りをできる力を持っている。バイクフィニッシュ位置しだいで、トップ3入りにかなりの期待大だ。長髪で団子に縛った髪型が特徴の選手なので、ランでは見つけやすい選手だろう。

カムバック

去年の世界選手権レースの数日前に、バイク練習中、車と衝突し大事故に遭い、背骨を骨折という重症を負ったイギリス代表ティム・ドンが、急激な復活を遂げて帰ってくる。アスリート人生危ぶまれた怪我だったが、頭をボルトで固定する器具を使った治療法で、事故から4か月後には、ボストンマラソン出場し完走するまで回復した。7月には、アイアンマンレースにも復帰を遂げ、その回復力で多くの人を驚かせた。プロランキングでは、最後選手として選ばれ、その苦労が報われた結果となった。病み上がりということもあり、優勝やトップ10入りを目指すというよりも、去年ハワイでやり残した完走を成し遂げるために、力強いフィニッシュする姿を見ることに期待したい。

ドン同様に、レースのバイクパート後半で、道を横切ってきた車に正面衝突し、大事故にあったアメリカ代表マシュー・ラッセルも、同じ境遇を持つ選手として復活を遂げる。事故の悲惨さを物語る首のに大きな傷を負い、コツコツと回復に励んできた。4月のアイアンマン・テキサスで復活を果たし、見事にフィニッシュし、多くの感動を呼んだ。それから、8月のアイアンマン・モントトレンブラントや9月のアイアンマン・チャタヌーガでレース完走を重ね、しっかりと元の実力を戻してきた。今年のランキングから順位1つ外れ、ハワイの権利を取り損ねたが、特別枠としてWTCから出場の権利を与えら、完走以上に、トップで争えるレースに挑む。

トップフィニッシュ予想

1.ライオネル・サンダース

2.パトリック・二ルソン

3.セバスチャン・キーンル

4.パトリック・ラング

5.ブラッデン・カーリー

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