Cervelo P5X デビュー(パート2)

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パート1では、フレームデザインを中心に紹介したが、ここでは、フィティングやパッキングなどを語っていきたい。

フィッテイング

新しいバイクを買った時に、最も最優先なのが、バイクのポジションを体に合わせるバイクフィティングをすることだ。Cerveloは、その部分もしっかり簡易的に調整できるように、いろいろな施工がP5Xにもなされている。そして、一番大きな手助けとなった存在の一人が、これまで多くのトッププロをフィッティングしてきた51 SpeedshopのMatt Steinmetz(マット・ステインメッツ)だ。

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Mat Steinmetzは、コロラド州在住で、バイクフィッティングのRetulの講師や開発に携わってきた。これまでクレッグ・アレキサンダーやミリンダ・カーフレイなど多くのトッププロのバイクフィットも担当し、大きな影響力を持つ世界のバイクフィッターだ。今回、Cerveloは、バイクフレームサイズ(ジオメトリー)を決める上で、最もわかりやすく選びやすいことや、バイクフィッティングをする上でも、調整が簡単にできることを目標とするバイクを目指すために、ステインメッツを雇ったのだ。

これまでトップチューブのサイズで出してきたCerveloは、今回からTシャツのようにS,M,L,XLという4つのサイズ展開となった。おおよその典型的なサイズだと、Sで45〜51、M51〜56、L56〜60、XL60以上という感じだ。そして、幅広い調整域のため、Sサイズでも45フレームから51フレームくらいまでカバーできる。過去にも45フレームだと650の小さいホイールを使用することが多かったが、今回のP5Xでは、トップチューブが通常よりも低いため、小柄の女性でも700ホイールで乗れる様なサイズになっている。

Cerveloのウェブでも、サイズ選択するための簡単な計算機があるので、パッドベースのスタックとリーチをいれれば、お勧めのサイズをだしてくれる。

アジャストメント

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今回、最も重要視されたのが、P5Xの調整の簡易さだ。これまでP5では、エアロにこだわりすぎて、ハンドルバーを一体型にしていたため、フロントブレーキのハウジングがコラムのスペーサー中心を通っていたため、取り外す作業がかなりの悩みだった。そして、パッドの調整域も狭く限られていたので、完璧にバイクフィッテイングするには、どこかで妥協しなければいけない部分もあった。

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だが、P5Xでは、驚きの調整テクノロジーを取り入れた。ちょうどステム上の部分に、一本柱のコラムが刺さる様に、上部のパッドとエアロバーを支えている。ステム中心の穴から4ミリの六角を使ってボルトを一つ緩めれば、シートクランプの様に、そのコラムを最大10センチも上下に調整できる。そして、パッド下のベースプレートも、ひっくり返して、パッドを近くしたり遠くしたりできるので、パッドのリーチでも幅広い調整域がある。そして、シートもP5同様に、Ritcheyのシートマストや一本ボルトのクランプを使用しているので、シート前後や上下の調整域も幅広い。

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この調整域の簡易さや広さは、これまでどのバイクブランドでも例がないだろう。そこの技術やアイデアは、やはりそのエリアに特化しているEnveの素晴らしさが、大きく影響されている。

パッキング

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Cerveloがこだわったのは、調整の簡易さだけではなく、バイクを梱包するときの簡易さにも焦点をつけた。特にプロトライアスリートなどは、常にバイクをバイクケースで梱包し、頻繁に旅をしている。だが、やはり完全一体型になったP5は、梱包するにもかなり一苦労で、ストレスのかかる作業であった。そのストレスを解消するためにも、Cerveloは、新しいアイデアを取り入れた。

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それは、ハンドルバーを真っ二つにすることだ。こうすることによって、ステム自体を外すことなく、ハンドルバーをフォークの横へすっきりと納めることが可能となった。そして、エアロバー部分も、ワイヤレスのEtapだとジャンクションから外せば、一本柱のコラムがすぐに取り外せるので、ものすごく簡単だ。それに、シートも外して、チェーンステイとの間にすっきりはいるので、すごくコンパクトに収まる。

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Cerveloがこだわったのは、これだけじゃない。バイクケースメーカーのBikind(バイカインド)と協力して、P5X用のバイクケースも開発した。これには、専用の干渉パッドやシートの穴を塞ぐ専用キャップなどもついてくる。このバイクケース自体も中にエアポンプで空気をいれて外からの衝撃を守る構造になっている。なので、よくバイクが破壊されるSciconのバイクバッグよりも衝撃に強く使いやすい構造となっている。そして、前方部には、ヘルメット、シューズ、ポンプなどを入れるスペースもある。

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プライス

米国地区での発売価格は、完成車のSram EtapとEnve7.8ホイール装備で$15,000、Ultegra Di2とHEDホイールで$10、000という価格設定になっている。注目の専用バッグは、$849で発売される。まずは、Etapモデルで発売を開始し、Di2モデルは12月からの発売となっている。

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価格を見たときに、破格的に高いと思うだろう。だが、これを作成するために、空洞トンネル実験で1800万円以上費やし、3年間かけて、多くの手を借りて、このエキストリームバイクが生まれた。そして、信頼性の高く、品質が良いEnveやHEDの工場でハンドメイドされている、正真正銘のMade In USAなのだ。

テストライド

まず、テストライドする前に驚いたのは、やはり調整の素早さだ。自身は174cmの身長で、いつもPシリーズでは、51サイズを使用している。今回は、Mサイズに乗せてもらった。シートの調整は、通常のPシリーズと同じ様に、数字を教えて、長さを合わせた。ここまで普通の簡単な作業だ。もし、これがP5なら、ステムやパッドを調整するが困難なので諦めて、すぐにテストライドということになるだろう。

だが、P5Xでは、パッドの位置も簡単に調整できるので、一本のボルトを4ミリ六角で緩みて、1センチパッドを上げてもらい、パッドを2センチほど手前へ動かしてもらった。ものの、3分もかからない作業だ。もうこの時点で、自身バイクフィッターとしても、驚きの連続だった。何百台もトライアスロンバイクを組み立てたり、バイクフィッティングしてきたが、こんなに速く調整できるバイクは、いままで見たことがない。

そして、完璧な調整が終わった後は、バイクコースのクイーンKでテストライドだ。ブースを出発してから、まず乗り越えなきゃいけないのが、有名な急坂のパラニロードだ。まずは、シッティングで漕ぎ、その次に、ダンシングで感触を確かめた。通常のリムブレーキだと、かなりのトルクをかけるとフレーム後ろやホイールがねじれて、ブレーキパッドに当たることがある。だが、P5Xは、ディスクブレーキであり、チェーンステイがかなり頑丈に作られているため、パワーが抜ける感じもない。むしろ、パワー伝達がペダリングしたときにすぐに感じられた。

その後、直線のクイーンKに入り、今度はスピードを上げて試す。パラニロードの後は、下坂なので、スピードを徐々にスピードが時速60キロまで上がった。そこから長いゆるやかな登りや下りを繰り返しながら、横風を感じて走り始めた。35キロ以上のスピードに乗った瞬間、このバイクはスムーズに走ってくれる。横風にも影響されることなく、踏めば踏むほど、ぐいぐいと進むのがわかる。ペダリングの感触もリズムよくパワーが伝わり、アベ40キロで20分乗っても脚の疲れも感じない。10キロ地点の空港で折り返して、戻ってきたときも、同じ様な感覚で、かなりスムーズにバイクが進んだ。トップチューブも、上下にサスペンションの様に決してブレることなく、剛性がしっかりしているので、P5に乗っている感じと同様の感覚を得れた。そして、このとき強い横風が吹いていたが、フレームが飛ばされる感覚もなく、安心に乗ることができた。

最後に

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今回のスローガンは、Personal Best(自己最高記録)だ。というのも、このP5Xを作成までたどり着くには、多くの人の努力とアイデア、そして、すべてのトライアスリート選手のことを最優先に考えて作り上げた。ここまで、アスリートや消費者のことを考えて作成するバイクブランドは、いままであっただろうか。こういう考え方があるからこそ、Cerveloが、なぜトライアスロン界のナンバー1バイクなのかを率直に語っているのがわかる。

 

 

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