2015 Ironman 70.3世界選手権プレビュー

2015IM70.3WorldTitleImage

昨年、カナダのモントトレンブラントで開催されたアイアンマン70.3世界選手権から、毎年違う開催地が、世界選手権として選ばれるようになった。今年の開催地に選ばれたのは、オーストリアのZell am See(ツェルアムゼー)だ。夏は避暑地として、冬はスキーリゾートとして有名なオーストリアの観光地として知られている。そして、2000メートル級の山に囲まれた湖でのスイムを始め、バイクでは15キロ以上続く山岳コースもあり、これまでにない一番ハードなバイクコースになっている。

プロ男子

今回のプロ男子勢は、ヨーロッパのオーストリアが開催地ということで、ヨーロッパ出身の選手が大勢出場を決めている。ITU出身選手を始め、高速バイカーを含む接戦が予想される。今回のレースで大きく展開を揺るがすのは、バイクパートだろう。過去の世界選手権に比べ、アップダウンが激しいとされるハードなバイクコースで、バイクに強い選手達が、ランを得意とする選手達に、バイクフィニッシュ時どれだけ差をつけられるかが、優勝の鍵となる。

Copyright Photo from Triathlete.com

Javier Gomez(ハビエル・ゴメス)スペイン

去年のアイアンマン70.3世界王者が、今年は2連覇で防衛を狙う。本業であるITUレースでは、今年もランキング1位で、ワールドトライアスロンシリーズで3勝し、先週末のWTSストックホルムで優勝もしている。去年の世界選手権では、スイムとバイクでの接戦から、ランで抜け出しITU世界王者としてのスピードを見せつけ優勝した。今回は、タフなバイクコースでの力勝負が、大きな優勝の鍵となる。バイクフィニッシュまでに、トップとの差をどれだけ縮めてランスタートし、得意のランで挽回できるかが注目だ。

Jan Frodeno(ヤン・フロデノ)ドイツ

北京五輪金メダリストであり、去年のアイアンマンレースでは、アイアンマン70.3世界2位とアイアンマン世界3位という結果で、ロングディスタンスレースで大きな飛躍をみせた。今シーズンは、さらにパフォーマンスを向上させ、出場したすべてのアイアンマン70.3レースで優勝し、現在アイアンマンヨーロッパ地区王者に君臨している。3種目ともに弱点がない選手であり、特にバイクはトップでフィニッシュする実力を持ち、ゴメスの様なスーパーランナーに、数分でも差をつけることができれば、フロデノの優勝は確実だろう。

Tim Don(ティム・ドン)イギリス

フロデノやゴメス同様に、ITUレースからロングへ転向してきた元オリンピアンのドンも優勝を狙う。ロング転向後、多くのアイアンマンレースで優勝を重ね、3種目ともにさらに成長してきている。他のITU選手に比べスイムの遅れが気になるが、バイクでもトップへ追いつける実力を持ち、一番得意としているランで、自身のポテンシャルを発揮できれば、確実に優勝へとつながるだろう。

Sebastian Kienle(セバスチャン・キーンリ)ドイツ

2012年と2013年のアイアンマン70.3世界王者が、今年は世界王者のタイトル奪還を狙う。去年の世界選手権では、苦手なスイムの遅れを取り戻すバイクでの追い上げに失敗し、18位という結果で終わってしまった。今回のフィールドでも、ITUレース上がりの高速スイマーが多いので、ある程度スイムを速い順位で終わらなければ、得意のバイクでトップへ追いつくことも難しいだろう。現アイアンマン世界王者として、タフなバイクコースで、自身のバイクパフォーマンスをいかに発揮し、ランへとつなげていけるかが、優勝へとつながる鍵となるだろう。

Tim Reed(ティム・リード)オーストラリア

今年アジアパシフィック地区王者になり、多くの70.3レースで優勝を重ねてきた、最も期待される優勝候補だ。去年の世界選手権では、バイクラップ2位の2時間4分台で走ったものの、ランで実力を発揮できずに、7位という結果に終わった。3種目共にバランスのとれたパフォーマンスを持ち、得意とするバイクとランのコンビネーションを活かしながら、トップ争いに必ず絡んでくる選手だ。バイクでも一人逃げ切るパワーを持っているので、ランでもいつも通りのランで走りきれれば、優勝することも間違いないだろう。

timreedbikephoto

Michael Raelert(マイケル・ラエラート)ドイツ

2013年の膝の手術で、レースから離れていたが、2009年と2010年のアイアンマン70.3世界王者が、世界選手権へ再度復活を果たす。3種目共に抜け目がない選手の一人であり、特にランのスペシャリストとして、1時間8分台で走れる実力を持っている。今シーズン初めに出場したChallenge Dubaiでは、多くの強豪選手の中で3位入賞し、順調なスタートを切った。しかし、それから大きなレースに出場することはなく、地元のレースで着実に体調を整え世界選手権へと調整を続けてきた。今年は、目標の一つだったアイアンマンハワイの世界選手権へ出場できないため、この70.3世界選手権へ、すべてを注いでくるパフォーマンスを見せてくれるだろう。

Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)ニュージーランド

当時23歳で、2008年アイアンマン70.3世界王者になった若手が、30代となりベテランとして、今年こそ優勝を狙ってくる。数年前の怪我の手術を経て、毎年順調に体調を整え、多くの70.3レースで優勝を重ねてきた。2013年の70.3世界選手権では、ランナーアップで2位入賞したが、2014年の世界選手権では、9位入賞とランに課題が残る結果となった。シーズン初めに出場したChallenge Dubaiでは、強敵であるラエラートやリードを抑え優勝し、先週末の70.3ブダペストでも優勝し、絶好調な仕上がりだ。今回もバイクでの遅れやロス大きく響くので、どれだけ差を縮められるかが、トップ争いに絡むことができる展開となるだろう。

Nils Frommhold(ニルズ・フロムフォールド)ドイツ

今年最も飛躍を見せているアスリートの一人であり、去年の70.3世界選手権でも、4位入賞の実力を持っている。一番の強みであるバイクでは、必ずトップ争いに絡む展開に持ってくるだろう。最後のランで、ITU出身選手達にどれだけついていけるかが注目だ。

プロ女子

プロ男子同様に、バイクでの実力が大きく勝因を分ける展開となる。特に、バイクに実力がある選手達は、スイムでの位置付けが重要なパートとなり、ラン勝負が予想される。しかし、バイクが強くてもスイムを苦手とする選手達が多いため、バイクである程度の差を縮めるだけではなく、ランでのスピードも要求されるので、バイクとランでしっかり勝負しなければ優勝は難しいだろう。今回は、過去の70.3世界王者であるオーストラリア代表Melissa Hauschildt(メリッサ・ハウスチルド)やイギリス代表Leanda Cave(リアンダ・ケーブ)が不在であり、新しい名前の選手が多いので、そういった実力のある選手達も注目だ。

copyright photo from triathlete.com

copyright photo from triathlete.com

Daniela Ryf(ダニエラ・リフ)スイス

ITUレースでの好成績を経たあと、突如ロングディスタンスレースへと転向し、去年の70.3世界王者となった。現在も多くの世界王者を輩出している伝説のコーチBrett Suttonの元でトレーニングを重ね、仕上がりは上々の様だ。シーズン初めのRapperswilやMallorcaの70.3レースで優勝し、シーズン後半は、世界選手権へに向けてのトレーニングを重ねる日々を送っていた。得意とするバイクは、このプロ女子フィールドの中でもナンバー1だ。去年の世界選手権では、バイク途中にサドルが緩んでしまうというアクシデントがあったにもかかわらず、リードを譲ることなく優勝を収めた。今年の世界選手権でも、バイクの強さを活かして、ランで逃げるスタイルで、絶対的な優勝候補だろう。

Jodie Swallow(ジョディー・スワロー)イギリス

年々実力を伸ばしてきているアスリートの一人で、去年は彼女にとってブレイクスルーな年となった。2010年の70.3世界王者であり、去年の70.3世界2位に入賞し、今年の70.3南アフリカでは、5回目の優勝とともに、コースレコード更新した。苦手とされていたバイクも克服し、トップ争いに常に絡むスピードで、多くの優勝を重ねてきた。今年は、ランの強化を重点的にトレーニングを重ねてきているので、去年からどれだけパワーアップしているかが、ランでも優勝を狙える存在として注目だ。

Heather Wurtele(ヘザー・ワーテル)カナダ

昨年の70.3世界3位であり、今シーズンも70.3レースで多くの好成績を残してきた。強豪が集う北アメリカ地区選手権や米国内70.3レースのRacineでも優勝を重ね、去年と同様な好調さを維持している。過酷なバイクコースで知られるSt. Georgeでのレースで何度も優勝を重ね、バイクの実力を大きく証明してきているので、苦手のスイムで差を広げられない様なレースプランで展開できれば、いつもの様に1時間20分を切るランを見せてくれれば初優勝もあるだろう。

Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)アメリカ

常に、70.3レースでは、優勝候補としてあげられ、3種目ともにバランスの取れたパフォーマンスを持っている。今年のアイアンマン70.3レースでは、アジアパシフィック地区選手権を含め、5つのレースで優勝を重ねてきた。過去の70.3の世界戦では、トップ3に入る成績を出せずにいるが、今年の仕上がりはかなり良いので、バイクでうまくレースをコントロールできれば、ランレースで優勝を狙えるだろう。

Heather Jackson(ヘザー・ジャクソン)アメリカ

バイクの強い選手として知られ、これまで苦手なスイムの遅れを、バイクとランで追い上げるレースメイクで優勝を重ねてきた。今年は、シーズン初めの70.3オーシャンサイドで優勝し、今年残りのシーズンに向けて大きな自信をつけた。しかし、ディフェンディング王者として挑んだエスケープ・フロム・アルカトラズでは、優勝を逃したりと、トップ3止まりの結果が多かった。実際、目標をアイアンマンハワイに向けていることもあり、この70.3レースでは、ハワイに向けての調整レースとして、どこまで仕上げてきているかが注目だ。スイムの上がる順位によっては、日々進化しているバイクとランで追いつき優勝圏内に届く活躍をしてくれるだろう。

Camilla Pedersen(カミラ・ピデルセン)デンマーク

バイク事故から、奇跡の復活を果たした、ペデルセンが初出場を果たす。事故後の復活レースで優勝した後も、ITUロングディスタンス世界王者になったり、着々とパフォーマンスをあげてきている。今年で復活から3年目ということで、ハイレベルなパフォーマンスを作り上げ、ヨーロッパ地区選手権を含む3つの70.3レースで優勝し、確実にこの世界選手権での優勝を狙いにきている。苦手のランを克服するためにも、ある程度バイクでレースをコントロールできれば、トップ争いに絡むレースができるだろう。

2015IM70.3EUChampPedersen

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中