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プロトライアスロンユニオンPTU発足

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先日、プロトライアスリートによる、プロトライアスリートのための非営利団体Professional Triathlon Union (PTU)が発足された。

目的:

世界的にすべてのノンドラフティングレースのプロトライアスリート達を代表する団体がPTUだ。この団体の目的は、ノンドラフティングのプロ選手やステイクホルダー(それに関わる人達)へ利益をもたらすために、このスポーツ全体を改善することだ。このステイクホルダーの意味は、アイアンマン運営会社WTCやChallengeシリーズのメジャーレース団体、レース責任者(ローカルレースなど)、エイジグループ選手、ITUや各国トライアスロン協会、メディア、スポンサー、パートナー、サポーター、ファンや家族などを含む。

初期発足メンバー:

創立役員メンバーは、2014年のアイアンマン世界王者のMirinda Carfrae(ミリンダ・カーフレイ)やSebastian Kienle(セバスチャン・キーンリ)を含む、世界で名の知れたトッププロ選手がほとんどだ。最高役員デイレクターには、イギリス代表の元プロトライアスリートRich Allen(リッチ・アレン)が任命されている。そして、下記のトップ選手達が初期役員メンバーになっている。

Jodie Swallow(ジョディー・スワロー)、Rachel Joyce(レイチェル・ジョイス), Helle Frederiksen(ヘリー・フレドリクセン)、Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)、 Mary Beth Ellis(メリー・ベスエリス)、Angela Naeth(アンジェラ・ネス)、Pete Jacobs(ピート・ジェイコブス)、Dirk Bockel(ダーク・ボッケル)、Dylan McNiece(ディラン・マクニース)、Tim O’Donnell(ティム・オドネル)、James Cunnama(ジェイムス・カナマ)、Andreas Dreitz(アンドレアス・ドレイズ)、 Scott DeFilippis(スコット・ディフィリプス)

利点:

すべてのプロ選手を総括するために作られたPTUには、プロ登録することで、多くの利点を得られる。

1.プロ選手同士の正式なコミュニケーションの場として、それぞれの声や意見をもらい集約すること。

2.プロ選手のデータベースやプロ選手専用のプライベート掲示板の設置

3.プロ選手のための医療保険(年間500ドルで、世界どこでもトレー二ングからレースまで医療を365日いつでもカバー)

4.プロ選手へのサポートや手助け(例えば、賞金の支払い遅延やレースコース設定ミスによる失格など)

5.プロカテゴリーの中で、大きな決断や変更がされる時に、それに対して投票ができる権利。

6.プロキャリアなどについて、専門スタッフによる相談窓口

7.2016年の役員メンバーを決定する際の投票権利

このPTUプロメンバー登録には、一年目プロ200ドル、2年と3年目プロ400ドル、3年目以上プロ600ドルとうい年間登録料設定だ。一見登録料の高さが頭に浮かぶと思われるが、現状アイアンマンレースの年間プロ登録料は800ドルかかり、これ以外のレースシリーズ出場では、別途レース登録料や各国のトライアスロン団体登録料などを払わなければならないのが現状だ。PTUでは、WTC、Challenge、ITUなどの大手レース運営団体(会社)やトライスロン協会に、プロ登録をこのPTU団体を通じて、統一することを模索している。そして、Challengeシリーズは、このPTUに対してサポートをすると発表もしている。もし、これがすべてのビッグレース運営団体やトライスロン協会に可決されれば、決まった年間登録料を払ってPTUに登録し、これ以上の支払い負担がなくなり、世界のどこでもPTUプロ登録だけでレースへ出場できることになる。

ITUプロアスリートは?

この団体目的の中に、ノンドラフティングレースのプロ選手のためと書かれているが、ITUのドラフティングレースのプロ選手達が登録できないということではない。現状では、ITU選手達は、ノンドラフティングのプロ選手に比べ、各国のトライアスロン協会などからの支援が十分な点が挙げられているのが理由だ。しかし、ITU選手を始め、各国トライアスロン協会やITUの責任者や委員会の間で、意見や情報交換のコミュニケーションツールとして、PTUを役立たせるという目的や構想もある。ITUレースに参戦しているプロ選手も、PTUへ登録することによって、医療保険や他のアスリートとのコミュニケーションを取れる場として、同様の利益が受けられるのは嬉しい点かもしれない。

今後のプロカテゴリーの変化

このPTUを通してのプロ登録制度が確立すれば、各国のトライアスロン団体でプロライセンス登録する必要がなくなり、PTUの基準でプロ登録をすることになる。現在、数え切れないほどのプロ選手が世界にあふれているが、そのプロ選手の中でも、トップエイジグループと変わらない実力を持つ選手がいるのも事実だ。こういった低いレベルにいる選手達を、プロとして登録することに大きな疑問があり、もしPTUの中で登録基準を設けられれば、世界全体的なプロ選手のパフォーマンスレベル安定と向上が期待される。このような決定は、PTUの役員メンバーだけで勝手にされることはなく、しっかりステイクホルダーと共に全体的に議論され、PTU登録プロ選手の投票で決定されるので、公平さも保たれるだろう。

内紛:

発表した翌日から、役員メンバーであるダーク・ボッケルが、ツイッターにてドーピング発覚で世間を騒がせたランス・アームストロングに対して資金支援を求めたツイートが、多くの選手からバッシングを受けた。

その中には、役員メンバーであるセバスチャン・キーンリが、早々に返答した。

「本気かよ?もしそうなら自分が一番最初に(PTUから)はなれるよ。」

そして、あまりこの団体に対して乗る気を見せない、北京金メダリストのヤン・フロデノも反応した。

「ランスは、アンチドーピングプログラムに資金支援するようなレースに出てるのか?#辞退」

こういう状態で始まってしまったPTUだが、非営利団体としてどう集めた資金や登録料を活用していくかは、記載されていない。ツイッターやフェイスブックを通じて、この団体に賛同するプロ選手達が、サポートを願っていが、金銭的に困難な将来有望なアスリートの手助けになるのか、レースの成績に対して支払わるのか、どういった基準で選手を資金サポートできるのかクリアにしてほしい所だ。

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