前年度まで、ネバダ州ラスベガス近辺にて、Ironman 70.3世界選手権が開催されていたが、今年から毎年開催地のローテーション化に決定してから、2014年は、カナダのケベック州Mont-Tremblant(モント・トレンブラント)にて、今週末の9月7日に初開催される。
世界中で行われているIronman 70.3(IM70.3)レースで、出場権を獲た約2200人のトップアスリート達が、このMont-Tremblantの地に集まってくる。このMont-Tremblantでは、すでにIronman北アメリカ地区選手権やIM70.3レースも、世界選手権の予選レースとして開催されていることもあり、この開催地での人気を、毎年確実に増やしていった。来年のIronman Mont-Tremblantレースは、エントリー開始後、すぐにソールドアウトになるほどの、好評価を獲ているレース環境である。
今回プロカテゴリーでは、ロンドン五輪後に、アイアンマンディスタンスへと転向した多くのITUレーサーや、トップオリンピアンに、世界王者のタイトルを持つ選手達が、多く集まるスタートリストとなり、いままでにない、白熱した高速レースになりそうだ。
プロ男子
Sebastian Kienle(セバスチャン・キーンリ)ドイツ
過去2年間ラスベガスで開催されていた世界選手権にて、2連覇中のIM70.3世界王者である。今年は開催地が新しい場所へ移されることになるが、そこへの不安は見せない最大限の実力を発揮できるIM70.3フィールドで、3度目の世界王者を目指す。今年のKienleは、シーズン初めのIM70.3Oceansideレースでは、優勝を逃したものの、Ironman Frankfurtヨーロッパ地区選手権での初アイアンマンタイトル獲得や、Challenge Kraichgauのハーフディスタンスでの優勝を重ね、その実力は衰えることはない。最も得意とするバイクの威力は、レースごとにそのすごさを増しており、スイムでの遅れを、バイクスピード50キロで追いかけられるパフォーマンスを持つ。今年バイクスポンサーのScottから登場した、ニューマシンのScott Plasma 5のスーパーバイクと共に、得意のバイクで大幅な差をつけることができれば、年々力をつけてきているランで逃げ切る、いつも通りの展開で3度目の優勝を果たすことができるだろう。
Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)ニュージーランド
23歳という若さで、2008年IM70.3世界王者に輝き、年を重ねるごとに、そのパフォーマンスを上げ続けている選手だ。過去に、2011年には、アキレス健の大手術で、リハビリに時間がかかったものの、着々と得意の70.3レースでの優勝を重ねて来た。去年のIM70.3世界選手権では、久しぶりの出場を果たし、本来持つポテンシャルを最大限に発揮し、最速ランラップで2位入賞を果たした。今年は、レースの数は、毎年より少なく、シーズン前半での優勝を逃していたが、最後に出場したIM70.3 Lake Stevensで、ようやく優勝をし、着々と世界選手権へ調整を始めてきている。ジュニア時代から、その頭角を示しているBozzoneは、特に弱点がないことから、いままで培ってきた70.3レースでの経験を活かし、しっかりとしたレースプランがうまくいけば、最後のランで力強くフィニッシュする姿で、優勝を狙うだろう。
Craig Alexander(クレッグ・アレキサンダー)オーストラリア
去年アイアンマンディスタンスから引退宣言をしたものの、得意分野のIM70.3レース出場を続行しており、今年こそは、トラブルのない様に、隠れた位置から優勝を狙いにくる。去年は、高位置でスイムフィニッシュし、先頭集団でバイクスタートしたものの、バイク前半に4分間のドラフティングペナルティーをもらってしまったことで、優勝が大きく遠のいてしまった。だが、今年は、オーストラリア国内の強豪があつまったIM70.3 Geelongにて、ランレースを制し、優勝を飾り、それをモチベーションにして、2xIM70.3世界王者であるAlexanderが、今年こそはタイトル奪還を目指す。
Javier Gomez(ハビエル・ゴメス)スペイン
このフィールの中で、一番のダークホースといってもいい、現在ITU世界ランキング1位のGomezが、このIM70.3世界選手権への出場を決めた。言わずと知れた現ITUレース界を引っ張るトップ選手であり、先週末にも、ITU世界シリーズの最終戦Edomontonでは、ストックホルム戦前に、ウイルス病に悩まされながらも、3位入賞を果たし、シリーズランキング王者を2年連続で獲得した。常に、ITUレース以外のレースに参戦し、これまで、ノンドラフティングレースのHy-Vee TriathlonやXterra世界選手権で優勝を重ね、ドラフティングレース以外でも強いということを、証明し続けてきた。今回のレースでは、確実にスイムからバイクまでトップ集団で争う中で、バイクを強みとする選手に差をつけられずに、最低限のタイム差で、スピーディーなランを見せることができれば、初出場での優勝を手にすることも不可能ではない。
Jan Frodeno(ヤン・フロデノ)ドイツ
今年最もアイアンマンのフィールドで、その名を轟かしているのが、北京五輪金メダリストであるFrodenoだ。去年は、IM70.3世界選手権への初出場したものの、ランスタート時に3分10秒ペースで飛び出したことで、他の選手に驚きを見せたが、補給の面でうまくいかずに、途中リタイヤという結果で終わってしまった。だが、今年のシーズンスタートのレースとなった、IM70.3 Oceansideを皮切りに、IM70.3 Aucklandアジアパシフィック地区選手権やIM70.3 St.George北アメリカ地区選手権にて、どの大会でも力強い優勝を見せ、3連覇を果たしている。やはり、ITU出身であることで、総合的に3種目共素速さを持ち、同郷である最速サイクリストのKienleについていける脚を持っているので、ランでの粘り強さを見せることができれば、今年こそは優勝へ近づくだろう。
Tim Reed(ティム・リード)オーストラリア
今年最も優勝に近いだろうと言われているオーストラリア代表若手であり、Greg Welch(グレッグ・ウェルチ)を彷彿させる小柄な体系と、オールドスクールなVパンツのトライウェアに注目だ。去年のIM70.3世界選手権では、ランナーアップで初完走して、5位入賞を果たした。それからも、着々と得意のバイクとランのコンボで大幅に強化し、2014年シーズンは、IM70.3 Buffalo SpringやVinemanでの優勝を飾り、常にトップ3の位置で、ほとんどをIM70.3レース出場のみに費やしてきた。一番の強みは、3種目共に弱点がなく、スイムでもトップ集団で上がり、そのままバイクで逃げを見せたまま、力強いランで逃げ切るというスタイルで、今回のIM70.3世界選手権では、ある程度差をつけて、トップ集団で、ランスタートすることができれば、優勝に近づくことは間違いないだろう。
Lionel Sanders(ライオネル・サンダース)カナダ
今年最も勢いのある選手であり、常にランをサブ1時間10分で走れる脚力を見せるパフォーマンスで、確実な優勝をIronman 70.3 Muncie、Racine、Steelheadの3連戦連勝を重ねてきた。いままで苦手としていたスイムで多少の遅れを取られながらも、強化してきたバイクスピードでトップ集団に追いつき、クロカン上がりのランスピードを見せれば、他のITUトップ選手にも負けないランで、優勝を狙うこともできる実力を持っているので、本当のダークホースとして、この地元開催のIM70.3世界選手権では、相当気合いの入ってるので、要注意選手になるだろう。
Ivan Rana(イバン・ラニャ)スペイン
2012年のロンドン五輪オリンピックチーム入りができずに、そのタイミングで、アイアンマンディスタンスデビューをしてから、去年初出場を決めたIM世界選手権で、6位入賞する等、10年以上戦ってきたITUレースから転向した後も、着々と実力を付け始めてきた。70.3レースでは、まだ優勝することができていないが、今回この世界選手権に向けて、苦手であるバイクを強化してきていれば、得意のランでトップ争いに絡んでくる選手となるだろう。
Andrew Starykowicz(アンドリュー・スタリコウィッズ)アメリカ
最速サイクリストは、ドイツ代表のKienleだけではなく、このStarykowiczこそ、バイクでの強さを最大限に活かしたレースを見せる。現在アイアンマンバイクコースレコード4時間2分を持ち、常に70.3レースでも2時間1桁分台のバイクタイムで、今年は、IM70.3 Puerto Rico、Eaglemanにて優勝を重ねてきた。一番の苦手であるランも、今年は成長を見せ、得意のバイクで逃げ切るだけではなく、しっかりランでも粘れる様に、トレーニングを重ねて来た。シーズン後半戦は、バイクでの逃げがうまくいかないこともあり、優勝を逃し、トップ5入賞のレースが多かったものの、10月のメインレースであるIronman世界選手権へのステップとして、初出場となるこのIM70.3世界選手権で、どこまで強さを見せられるかが、大きな注目でもある。
Brent McMahon(ブレント・マクマホン)カナダ
地元代表であり、ITU界のベテランで引退したSimon Whitfieldの後継者として注目されていた、ロンドン五輪出場経験のあるMcMahonも、このITUレーサーだらけの選手層の一人として大注目だ。70.3レースへ転向してから、そのスピードと脚力を活かして、去年のIM70.3北アメリカ地区王者となり、多くの強豪選手の中で、優勝を手にした。今年は、同じIM70.3北アメリカのレースでは、バイクで逃げたものの、最後にランでFrodenoに追いつかれてしまったことで、2位に入賞したが、そのタイム差は、20秒だったので、さらにランを強化していれば、他の選手に劣らないランスピードで、優勝することも可能だ。
この注目選手以外にも、ITUオリンピアンレーサー勢である、今年アイアンマンレース出場を重ね優勝を果たしている2013年IM70.3世界10位のイギリス代表Will Clarke(ウィル・クラーク)、先週末のHy-Vee Triathlonノンドラフティング・オリンピックディスタンス選手権にて2位入賞果たしたスイス代表Ruedi Wild(ルイージ・ワイルド)、同じレースで3位のオーストラリア代表Brad Kahlefeldt(ブラッド・カールフェルド)、そして4位入賞だったアメリカ代表のホープであるMatt Chrabot(マット・シャーボット)等、1週間前のHy-Vee Triathlonで調整もかねて、スピードをしっかりと仕上げてきている。
そして、今年初アイアンマンデビューを飾り現在模索中のITU世界王者でもあるオーストラリア代表Peter Robertson(ピーター・ロバートソン)も、初IM70.3世界選手権に出場を決め、今年怪我に悩まされて、ハワイ出場も危ぶまれている2008年IM70.3世界2位の経歴を持つ、2xオリンピアンでもあるドイツ代表Andreas Raelert(アンドレアズ・ラエラート)、常にIM70.3世界選手権では、トップ争いを見せるパフォーマンスを証明している3xオリンピアンであり、2010年IM70.3世界2位のチェコ代表Filip Ospaly(フィリップ・オスパリー)等、多くの経験を持つベテラン選手層もトップ争いに絡んでくるだろう。
去年のIM70.3世界では、DNSという結果で終わってしまった、アメリカ国内人気レースWildflower Triathlonにて、3連覇中のアメリカ代表Jesse Thomas(ジェシー・トーマス)が、今年開催されたプリレースでもあるIM70.3 Mont-Tremblantにて、優勝した経験を活かして、世界選手権での優勝の方法を十分に探ってくるだろう。そして、去年のIM70.3世界4位に入賞した、オーストラリア代表Joe Gambles(ジョー・ギャンブルス)もスローシーズンを送っているながらも、最終目標をこのレースへとターゲットしているので、その実力を十分に発揮するパフォーマンスを見せてくれるだろう。
プロ女子
Melissa Hauschildt(メリッサ・ハウシルド)オーストラリア
現IM70.3世界王者であり、いままで以上に実力を上げているHauschildtが、再度3度目の優勝を狙いにくる。今年のシーズンは、アイアンマンレースデビューも重ねて、70.3レースでは、Timberman、Racineと余裕の優勝を掲げており、自慢のランニングは、いまだに衰えることはない。苦手のスイムでの多少の遅れを、力強いバイクでトップ集団に追いつき、そのままトラックランナー上がりの高速ランで、常にランコースレコード更新で、他の選手に先頭を与える隙を見せない。今回も、去年の様な調子で、バイク終了時に先頭集団で上がることができれば、確実に優勝するに違いない。
Heather Jackson(ヘザー・ジャクソン)アメリカ
毎年、その実力をパワーアップさせている、3xWildflower Triathlon王者でもある、Jacksonもその実力をさらにレベルアップさせ、いままで以上に、ヘルシーなコンディションで、今年も優勝を狙ってくる。2011年から出場しているIM70.3世界では、2011年4位、2012年3位、2013年2位と、毎年順位を上げていることから、今年は、最終目標である世界タイトル獲得を確実に狙ってくるだろう。シーズン後半には、レースの数を減らしているものの、怪我のないベストパフォーマンスを出せる様に、苦手のスイムパフォーマンス向上させ、このフィールドで最速であるバイクで追いかけることで、最後のランで、いつもの勝負強さを見せることができれば、必ず優勝へと近づく注目選手だ。
Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)アメリカ
今年のIM70.3北アメリカ地区王者となり勢いづいたまま、他のIM70.3 Vineman、Mont-Tremblantでも優勝を重ね、これまで以上のパフォーマンス力をつけてきた。一番問題視されていたランも、70.3世界王者のHauschildtに勝るランペースで、Vinemanで優勝し、ランラップ1時間21分台で、常に走れる実力をつけてきた。いままで、バイク事故や怪我で悩まされ続けてきたものの、今年は、平和なシーズンを送ってきたことで、更なる成長へとつながり、スイムとバイクの強さで、1位通過することも余裕な程の脚力の後に、そのまま素晴らしいランスピードを見せてくれれば、必ず世界選手権での初優勝をするだろう。
Daniela Ryf(ダニエラ・リフ)スイス
最もこのフィールドの中で、ダークホースとして、ロンドン五輪代表のRyfが、要注意選手となるだろう。今年から、アイアンマンレースへの参戦を重ねて来た上に、IM70.3ヨーロッパ地区王者に輝き、その他のレースでも、全戦全勝を掲げている。ITUレースで培ったスピーディーな展開で、問題なくスイムでは、トップ集団で上がり、一番の得意分野のバイクでは、ITUレースでも一人で、パックを引くことのできる脚力を、このノンドラフティングレースでも、男子並みのバイクスピードで、他の選手を突き放せる実力がある。最後は、バイクでの差を十分つけることができれば、そのままクルーズランのまま初出場で初優勝も大きな可能性を秘めている。
Catriona Morrison(カトリオーナ・モリソン)イギリス
以外に知られていないが、このフィールドの中でも、3本の指に入るランナーである元デュアスロン世界王者であるMorrisonが、去年のIM70.3世界4位からのポジションアップに向けて、今年こそはトップ3入りを狙ってくる。今年のシーズン初めは、IM70.3 St CroixやPanamaにて2位という結果で、優勝を逃し続けていたが、一つ一つのレースをしっかり集中してこなしていくシーズンプランで、IM70.3世界選手権への出場権を確保することに目標に置いてきた。十分な休息を取り、怪我のないトレーニングを積み重ねているので、今年後半のパフォーマンス力は未知数だが、確実に優勝圏内に入る実力を見せてくれるだろう。
Helle Fredriksen(ヘリー・フレドリクセン)デンマーク
このFredriksenも、ロンドン五輪代表選手の一人であり、アイアンマンレース転向後も、アメリカ国内のノンドラフティングレースで、大きな活躍を見せ始めてきた。今年のハイライトとして、先週末開催されたHy-Vee Triathlonにて、世界トップ選手等の強豪が多く出場する中、初優勝を果たし、IM70.3レースでは、シーズン初めのSan Juanで優勝を重ね、ノンドラフティングのオリンピックディスタンスシリーズでの優勝をする等、オールラウンドな距離で、その実力を十分に発揮してきた。特に、スイムから先頭をリードしたまま、バイクでもスピードを落とすことなく、そのままスピーディーなトランジションで、ランで引き離すパフォーマンスを、この初出場となるIM70.3世界選手権で、必ずトップ集団で、優勝争いに絡むレースを見せてくれるだろう。
Heather Wurtele(ヘザー・ワーテリ)カナダ
去年のIM70.3世界では、10位入賞であったものの、今年の70.3レースであるOceanside、Eagleman、Monterreyと3勝を重ね、勢い良くシーズンを始めた。シーズン後半は、レースの数を減らし、しっかりとトレーニングへの時間を費やし、メインレースであるIM世界選手権への出場権を獲ることが最重要であった。去年は、苦手なスイムで差を広げすぎたため、うまく波に乗れず、ギリギリトップ10入りという結果で終わってしまったが、今年は、この苦手なスイムを成長させ、その遅れを最小限にし、トップとの差をカバーできるバイクスピードを見せることができれば、高いポテンシャルを持つランで、地元開催のカナダにて、優勝を確実に狙いにいくだろう。
Camilla Pedersen(カミラ・ピデルセン)デンマーク
去年のバイク大事故で、1週間意識不明という事態に陥り、一時は選手生命を危ぶまれたものの、しっかりとリハビリを重ねて来た結果、事故前と変わらないパフォーマンスで、シーズン始めのIM70.3 Fuertventuraで優勝をし、その勢いで、IM70.3 Balcerona、Italy、Aarhusにて優勝を重ねて行き、完全復活を果たした。特に、苦手種目がない中で、どれだけ自分のレースプランを実行できるかが、このIM70.3世界選手権での優勝争いに刺激を入れる、大きなレースの原動力になる。
Jodie Swallow(ジョディー・スワロウ)イギリス
今年から、多くの世界王者を排出してきた、アメリカをベースとするコーチのSiri Lindleyの元で、十分なトレーニングを重ね、2010年IM70.3世界王者として、再度タイトル奪還を目指す。シーズン初めのIM70.3 南アフリカで優勝をし、IM70.3北アメリカ地区選手権では、しっかり強化した姿をみせ、2位を維持したパフォーマンスを見せた。一番の得意種目であるスイムは、プロ男子のトップ選手と変わらないスピードで、常に先頭で上がり、大幅なさをつけ、バイクをスタートするだろう。いままでの課題は、バイクで実力を発揮できずに、先頭を譲ってしまうことが多くあった。だが、今年は、かなりバイクを強化し、先頭集団で付いていけるパワーをつけたので、最後のランでも、しっかり走れるかが、入賞圏内へ入る鍵となる。
Angela Naeth(アンジェラ・ネス)カナダ
今年は、IM70.3 Hawaii、Buffalo Springで優勝をし、どのレースでもバイクコースレコードを更新する等、順調にシーズンを送ってきた。毎年、優勝候補として注目されるものの、パンクやバイククラッシュ等で、レース当日にいろいろな問題を抱えてきたことで、先頭集団での争いに絡むことが難しかった。だが、今年こそは、レース中に起こる問題がないことを願うと共に、本来の実力を最大限に発揮するレース展開で、優勝を目指してもらいたい。
この他にも、ロンドン五輪ドイツ代表Svenja Bazlen(ベナ・バズレン)も、去年IM70.3デビューしてから、そのバイクでの強さを、世界選手権でも証明しているので、今年もこのバイクスピードに大きな注目だ。そして、大ベテランであるアメリカ代表の3xオリンピアンであるLaura Bennett(ローラ・ベネット)も出場を決めており、得意のスイムから、どの様な展開で、バイクとランでのトップ争いに絡めてこれるかが、入賞への鍵となる。地元カナダ代表Lisa Mensink(リサ・メンシンク)も、2008年の北京五輪代表組として、どこまで先頭集団についていけるかが、トップ10入り果たせるかの分かれ目となる。
いままでIM70.3世界で入賞経験もある、カナダ代表Magali Tisseyre(マゲーリ・ティセーリ)が、長年の怪我から復帰し、今年こそは、この世界選手権で、自身が持つポテンシャルを大きく証明してくるだろう。そして、同じく地元代表のこれから期待の選手である、カナダ代表Rachel Mcbride(レイチェル・マクブライド)も要注意選手であり、バイクでの速さは、このフィールドの中でもトップクラスであるので、同じくバイクの強いJacksonとバイクでタッグを組めば、バイクでリードし、ランでのトップ争いを見ることもできるだろう。去年のIM70.3世界3位で、大きくその存在を知らしめたオーストラリア代表Annabel Luxford(アナベル・ラクスフォード)は、今年のシーズン最初に、足の怪我でレースシーズンを休んでいた時期が続いたが、今回この世界選手権で復活を果たすので、去年の様なパフォーマンスを見れるかが注目だ。
去年のIM70.3世界選手権ハイライト
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