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2013 Ironman 70.3 Las Vegas世界選手権ハイライト

IM70.3WorldChampionshiptitle

今年で、ラスベガスでの世界選手権大会が最後の開催となる中で、この過酷と言われたコースで、多くのトッププロやエイジグループ選手達が、雨の悪天候のために、スリップする等のアクシデントもある中で、予想もできない様なレース展開で争われた。

プロ男子

オリンピック出場経験のあるITU出身選手への注目が集まる中で、スイムがスタートし、予想通りの勢いのあるスタートダッシュで、スピードスイマー達であるオーストラリア代表Josh Amberger(ジョシュ・アンバーガー)とアメリカ代表Andy Potts(アンディ・ポッツ)が飛び出すも、スピードレースに対応している北京五輪金メダリストのドイツ代表Jan Frodeno(ヤン・フロデノ)や、五輪出場経験勢の現アメリカ代表Matty Reed(マティ・リード)とIM70.3北アメリカ地区王者であるカナダ代表Brent McMahon(ブレント・マクマホン)、アメリカ代表のホープTimothy O’Donnell(ティモシー・オドネル)、オーストラリアのスーパースイマーJoe Lampe(ジョー・ランピ)が、同じパックで続いた。去年の様な先頭が千切るレース展開ではなく、大きなパックが縦に連なり、スイムフィニッシュまで大きな展開はなくレースが進んだ。

2013IM70.3WorldSwimTop

最初にスイムフィニッシュをしたのは、去年と同様にAmbergerが23分22秒でトップ通過し、すぐ後ろにPottsLampeFrodenoO’Donnellの順で大きな集団でトランジションへと向かう。バイクスタート直後に長い上り坂が迎える中で、最初にここでアドバンテージを取っておきたいアメリカ代表O’Donnellが、パックの先頭に飛び出し引き始めるも、後ろには10人以上の選手が続く大きな集団で進んでいった。スイムで2分程の遅れで走り始めた、世界王者のオーストラリア代表Craig Alexander(クレッグ・アレキサンダー)、去年IM70.3世界選手権3位のニュージーランド代表Bevan Docherty(ビーバン・ドカティー)、2008年IM70.3世界王者のニュージーランド代表Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)等の強豪選手達が追いかけ始めた。そして、3分遅れで、去年のディフェンディング世界王者のドイツ代表Sebastian Kienle(セバスチャン・キーンル)が、バイクスタートし、今年も去年の様なバイクスピードで、先頭に飛び出し大幅な差をつけられるのかが、優勝の鍵となっていった。1周目の折り返し手前で、スイムでトップ通過したAmbergerが、FeltのニューマシンIAを宣伝するかの様に、先頭パックから抜けアタックをしかけ、その差は1分まで離れた。

2013IM70.3WorldAmbergerwithFeltIA

その間にも、スイムで遅れた選手が先頭パックへ追いつき、その数は23人以上になっていたが、その中で、優勝候補のAlexanderがドラフティングペナルティーを4分取られ大幅なロスをしてしまう。去年と同じ戦略で、Kineleがスイムフィニッシュからの2分遅れを、バイク2周目で追いつき、そのまま大きなパックを抜かし、最終的には、スピードが落ちたAmbergerを、すぐさま捕らえ、トップへと上がった。このコースを熟知しているKienleが、そのままバイクで徐々に差を付け始め、トランジションへ帰ってきた時には、その差は、後ろの大集団と3分も開いてランへとスタートした。

2013IM70.3WorldSebiBike

その後も、大集団の中で順位が変わり、バイク終了時には、ランで勝負をかけたい選手達であるPottsFrodenoGamblesBozzoneDochertyが続き、その中には、ITU選手であるスイス代表Ruedi Wild(ルイージ・ワイルド)やイギリス代表Will Clarke(ウィル・クラーク)、そしてオーストラリア代表のVパンツが特徴の期待の選手Tim Reed(ティム・リード)やITUデュアスロン世界王者のオーストラリア代表Leon Griffin(レオン・グリフィン)がランスタートへと切った。ステディなペースで先頭をリードするKienleが走る中、最初の1キロを3分切るペースで飛び出して行くFrodenoに、PottsBozzoneWildがついて行き集団で走り始める。6キロ地点を超えた所で、2位で走っていたFrodenoが急激にペースを落として行き、それをいいタイミングにBozzoneが2位に上がる。10キロを超えた所から、再度展開が変わり、最初に飛び出しすぎたITU贅選手がペースを落とし、70.3レースで経験のあるGamblesが3位まで上がっていく。そのハイペースを落とすことなく順調に2位で走るBozzoneが追いかけるも、15キロ地点では、先頭を行くKienleには、未だに2分もの差があり、追いつくことを考えず自分のペースで現在の順位を維持しようとしていた。

2013IM70.3WorldChasigRun

去年のIM70.3世界王者であるSebastian Kienleが、バイクで逃げ、力強いランラップ1時間14分で走り切り、後ろとの差を縮められることなく、3時間54分でフィニッシュラインを切り、この2013 Ironman 70.3世界選手権で2連覇を果たした。2位には、長期に渡って怪我に悩まされてきた2008年IM70.3世界王者のニュージーランド代表Terenzo Bozzoneが、勝負をかけ完全復活をした走り見せ入賞した。3位には、今年のIM70.3レースを多数の優勝を重ねていたオーストラリア代表Joe Gamblesがフィニッシュした。

2013IM70.3WorldKienleWon

1.Sebastian Kienle(ドイツ)

00:25:38
02:10:10
01:14:50
03:54:02

2.Terenzo Bozzone(ニュージーランド)

00:24:36
02:14:31
01:13:38
03:56:06

3.Joe Gambles(オーストラリア)

00:24:48
02:14:06
01:14:29
03:56:55

4.Andy Potts(アメリカ)

00:23:25
02:15:11
01:15:26
03:57:36

5.Tim Reed(オーストラリア)

00:24:47
02:14:15
01:15:07
03:57:42

6.Kevin Collington(アメリカ)

00:23:50
02:15:27
01:14:58
03:57:48

7.Leon Griffin(オーストラリア)

00:24:58
02:14:12
01:15:35
03:58:17

8.Timothy O’Donnell(アメリカ)

00:23:33
02:16:11
01:16:32
03:59:36

9.Tyler Butterfield(バミューダ)

00:24:43
02:14:19
01:16:59
03:59:42

10.Will Clarke(イギリス)

00:24:38
02:14:35
01:16:59
03:59:56

プロ女子

去年のディフェンディング王者であるイギリス代表Leanda Cave(リアンダ・ケーブ)がスタートラインに立つ中で、スイムスタートから、先頭を引いて行ったのは、今年IM70.3アジアパシフィック王者であるオーストラリア代表Annabel Luxford(アナベル・ラクスフォード)が、スイムスピードを見せ、26分でトップ通過し、去年のIM70.3世界2位であるアメリカ代表Kelly Williamson(ケリー・ウィリアムソン)とCaveが同じパックで上がってきた。それから1分程遅れて、ロンドン五輪銀メダリストのスェーデン代表Lisa Norden(リサ・ノルデン)やロンドン五輪出場したドイツ代表のウバーバイカーSvenja Bazlen(スベナ・バズレン)が続き、バイクでの追い上げに期待がかかった。トップと4分以上の差を開き、2011年IM70.3世界王者であるオーストラリア代表Melissa Hauschildt(メリッサ・ハウシルド)、スイス代表のオリンピアンDaniela Ryf(ダニエラ・リフ)、アメリカ代表の期待選手であるHeather Jackson(ヘザー・ジャクソン)が遅れてスタートする。

バイクから先頭を引き始めたのが、スイムトップで上がったLuxfordが、勢い良く走り始める中で、10キロ地点ですでに、WilliamsonCaveが、最初の上り坂で1分も差を広げられてしまう。バイクで徐々に追い上げを見せるBazlenNordenが、先頭を行くLuxfordとの差を縮め始め、1周目の折り返し手前で追いつき、3人で後半戦を走ることになった。得意なバイクである程度までの差を縮めたいJacksonが追いかけるが、先頭もいいペースで走るため、彼女にとって難しい展開になっていたが、その中で唯一バイクで素晴らしい走りを見せていたのがHauschildtが、思いもよらぬスピードで先頭集団に、追いつくことができた。

2013IM70.3WomenLeadpack

そのまま4人の集団で、トランジションへと進むと思われたが、最後の数キロで、Hauschildtが先頭へ飛び出し逃げ始めるが、LuxfordNordenBazlen、そしてRyfが加わり追いかける。この時に、不運にもNordenがドラフティングペナルティーで4分をロスし、その間に、先頭を行っていたHauschildtが、コーナーを曲がる時にスリップし、落車するも、すぐに立ち直り走り始め、Luxfordが再度トップを走り始める。だが、トランジションへ入る頃には、Hauschildtが追いつき、Luxfordと先頭を交代し、得意のランへと一番手でスタートする。

Hauschildtは、落車の影響で、しっかり走ることは困難かと疑問視されたものの、スピーディーなペースで、2位以降の選手達との差を徐々に広げて行く。2位で走るLuxfordは、先頭に追いつこうとペースを上げるが、トラックランナー上がりのHauschildtには、縮める所か、差を広げられる展開で、とにかく2位を死守する走りを見せていた。1周目を終わった所で、先頭を行くHauschildtと2位のLuxfordの差は、2分以上にもなり、追いつくことは難しい展開になった頃、トップと5分以上の差でランスタートした、Jacksonが上位へと追いかけにかかる。今年は、ランを強化したJacksonが、次々とNordenBazlenRyfのトップ集団で走っていた選手達をごぼう抜きし、残すは、2位を走るLuxfordに追いつくかが面白い展開になっていった。

2013IM70.3WorldJacksonRun

最終的に、2011年IM70.3世界王者のMelissa Hasuchildtが、このラスベガスで2度目の優勝を飾り、バイクでの素晴らしい追い上げが功を奏し、負け無しの1時間21分のハイスピードランニングで、再度タイトルを獲得した。最後の2キロ程残すところで、Luxfordを抜かし、そのままスピードを落とさず、勢いのあるランナーアップでHeather Jacksonが、初の2位入賞を果たした。スイムとバイクで先頭を引っ張っていた、Annabel Luxfordがランで粘り3位でフィニッシュした。

2013IM70.3WorldHauschildtWon

1.Melissa Hauschildt(オーストラリア)

00:29:19
02:25:08
01:21:37
04:20:07

2.Heather Jackson(アメリカ)

00:30:08
02:28:48
01:22:55
04:25:19

3.Annabel Luxford(オーストラリア)

00:25:59
02:28:38
01:27:24
04:25:59

4.Catriona Morrison(イギリス)

00:30:07
02:31:32
01:21:49
04:27:50

5.Svenja Bazlen(ドイツ)

00:27:16
02:28:32
01:28:07
04:27:52

6.Daniela Ryf(スイス)

00:28:31
02:28:48
01:27:30
04:28:46

7.Lisa Huetthaler(オーストリア)

00:28:30
02:30:51
01:26:33
04:29:58

8.Lisa Norden(スウェーデン)

00:27:15
02:31:10
01:29:06
04:31:44

9.Kelly Williamson(アメリカ)

00:26:14
02:40:16
01:22:13
04:32:30

10.Heather Wurtele(カナダ)

00:28:36
02:34:51
01:25:33
04:33:11

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