2013 Ironman 70.3 Las Vegas 世界選手権プレビュー

今年で、このアメリカ・ネバダ州ラスベガスでの開催が最後となるIronman 70.3世界選手権だが、2006年にフロリダ州クリアウォーターで開催されてから、今までで一番ハードなコースと言われるこのラスベガスの地で、ロングからITUのショートの選手が多く連なるいままで類をみない強豪フィールドで、ここでのタイトルを誰が手にするのかが大きな注目だ。

プロ男子

2012IM70.3LasVegasKienleWonTitle

去年のディフェンディング王者ドイツ代表Sebastian Kienle(セバスチャン・キーンリ)も、この地での連覇に向けて帰ってくる。去年は、優勝候補として注目をされていなかったことが優位になり、他の選手に相手をされないレース環境下で、不得意なスイムの遅れから、バイクで驚くような追い上げを見せたことで、バイクで逃げ勝つタイプを持っていた元Ironman世界王者のNorman Stadler(ノルマン・スタドラー)の様なスタイルで、バイクが強い層が多いドイツ代表勢の特徴を、再度彼が証明した。今年のレースでは、Ironmanヨーロッパ地区選手権やIronman 70.3 St.George米国地区選手権での優勝を逃し、トップ10入りを果たすのも困難な状況が続いていることで、去年の調子の良さを今年の世界選手権でも発揮できるのかが疑問に残る。このコースの特性をすでに知っているアドバンテージを活かし、得意のバイクスピードで、どれだけの差を後方の選手に付けられるかが、今年も優勝のキーとなっていくに違いない。

どのレースでも常勝を掲げている2xIM70.3世界王者であり3xIM世界王者のオーストラリア代表Craig Alexander(クレッグ・アレキサンダー)も、去年の2位フィニッシュの悔しさを残しつつ、今年こそはこのラスベガスでの優勝を掲げ3回目のIM70.3世界タイトルを狙う。毎回、レースでの反省を活かし、常に弱い部分を徹底的に見直しトレーニングすることで、パーフェクトなレース展開を繰り広げてきた。去年のラスベガスでは、大きなトップ集団から抜けることをせずに、得意のランでの力を保持するようなライディングをしたことが、トップとの差を広げすぎてしまったため後少しで優勝を逃した。今年のIM70.3レースであるHawaiiLake StevensKansasでは、連勝しており、調子の悪さが衰えている様には見えない。世界王者としての経験と実力を持ったまま、今年は再度自身のゲームプランを見直して、好位置でバイクフィニッシュすることで、得意のランでそのまま優勝へ突き進むだろう。

去年からITUオリンピックディスタンスのフィールドからロングディスタンスへの転向の意思を示し、このIM70.3世界選手権に初挑戦で3位に入賞したニュージーランド代表Bevan Docherty(ビーバン・ドカティー)も優勝候補から外せない。高身長ながらタフな走りで、長年ITUフィールドで培ってきたスピードを活かしたレース展開で、今年も強豪が集うIM70.3 VinemanPanamaにて優勝を掲げており、その強さは、特にこのIM70.3フィールドで大きく活かされている。ITUワールドカップシリーズ最終戦での歴史に残るスーパーランナーアップ選手としても、後半戦のランでの追い上げからの優勝へ注目だ。

今年アメリカ国内のIM70.3で最も目立った優勝を重ねているアメリカ代表Andy Potts(アンディー・ポッツ)が、最速スイマーとしての実力と共に、レースを始めからリードするスタイルで優勝を目指す。IM70.3 TimbermanEaglemanOceansideでの余裕のある優勝を重ね、スイムから先頭を行ったままで、バイクとランでもその強さとスピード力を見せ、そのまま先頭を譲らずに優勝する展開が多かった。今回のラスベガスでも、同じ様なスタイルでスイムで差をつけ、バイクである程度のアドバンテージを取ることができれば、ランで逃げ切り優勝は見えるだろう。

同じくアメリカ代表Timothy O’Donnell(ティモシー・オドネル)も去年の世界選手権にて、4位に入賞したが、年々強さを増したパフォーマンスを見せている中で、今年はレースの出場回数を減らしているも、Ironman Brazil優勝を皮切りに、Boulder Peak Triathlonのオリンピックディスタンスでの優勝をし、その調子を徐々に上げ、仕上げてきているので優勝候補から外せない。そして、トレーニングパートナーでもるコロラド州ボルダー在住のオーストラリア代表Joe Gambles(ジョー・ギャンブルス)も、去年のIM70.3世界にて上位入賞をしており、今年のシーズンは、IM70.3BoulderSyracuseでの優勝を余裕でこなしていることから、トップ争いに持ち込んだ時には、優勝も狙える危険な存在になるだろう。

IM70.3ヨーロッパ地区選手権にて、激的な優勝を掲げたイギリス代表のホープRitchie Nicholls(リッチー・ニコルス)に、ダークホースとしての大注目が浴びせられる。Team TBB所属の秘蔵っ子として、ITU界から今回IM70.3レースへ出場し、ヨーロッパ地区選手権とイギリス大会で優勝を重ね、その3種目バランスの良い強さと共に、主に1時間8分で走れる脚を持っている選手なので、バイク終了時に、先頭パックで上がってきたときには、かなり要注意選手となるだろう。そして、オリンピックへの出場経験のあるカナダ代表Brent McMahon(ブレント・マクマホン)も、強豪フィールドの集まるIM70.3 St.George米国地区選手権の山岳コースで、力強いランを見せ優勝をしたことから、このラスべガスも似た様な形状のコースであることから、優勝候補から外せない存在だ。

去年ロンドン五輪が終わったことで、それをいい区切りに、ITU界の現役選手達も、IM70.3レースにチャレンジしに出場し、予選レースで上位に上がり、今回この世界選手権への出場を決めた選手が多くいる。注目なのが、北京五輪金メダリストのドイツ代表Jan Frodeno(ヤン・フロデノ)が、そのスピードを活かした走りで、今年のIM70.3ヨーロッパ地区選手権で、ランラップ1時間8分の実力を見せ、2位に入賞したことで、ここへの切符を得た。そして、オーストラリア代表Brad Kahlefeldt(ブラッド・カーフェルド)も、各地のIM70.3レースへ出場し上位へ上がり、この世界選手権でのスタートラインに立つ中で、若手選手達であるロシア代表IvanDenis Vasiliev(アイバンとデニス・バシレブ)兄弟も得意のスイムから攻めのレース展開をし上位へ上がるパフォーマンスを見せるだろう。スペイン代表Ivan Rana(アイバン・リャーナ)やイギリス代表Tim Don(ティム・ドン)もロング転向以降各地で優勝を重ね出場権を得ている。

今年は怪我の影響でレース欠場が続くも、IM70.3 Berlinでは、今年初の優勝を掲げ、世界選手権への出場権を得た2xIM70.3世界王者のドイツ代表Michael Raelert(マイケル・ラエラート)も再度タイトル奪還を目指して調子を上げてきている。去年は、ドラフティングでペナルティーを取られた結果上位入賞を逃した。今年も怪我からの復活で、この世界選手権に向けて、しっかりとリカバリーをし、どれだけ仕上げてきたかが、優勝へ近づく目安となる。そして、こちらも長年の怪我からの復帰で、再度世界王者に返り咲きたい2008年IM70.3世界王者であるニュージーランド代表Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)の動きにも注目だ。今年のレースでは、3月のIronman 70.3 Aukland開催の1週間前に、車との接触で再度怪我に悩まされるものの、徐々にそこから復活をし、IM70.3Vinemanにて3位、そしてIM70.3Mont-Tremblant大会でようやく優勝を受け取ったことで、このまま世界選手権でも勢いを落とさずに、優勝圏内へ入るレース展開へと挑んでいってほしい。

プロ女子

2012IM70.3LasVegasCaveWonTitile

去年、IMとIM70.3のダブル世界王者で最高のシーズンを迎えたイギリス代表Leanda Cave(リアンダ・ケーブ)が、タイトル防衛に向けてこのラスベガスで連覇を狙う。今年2月に、軽度の皮膚がんを煩ってから完全復帰しつつも、今シーズンは、脚の怪我等で思った程の練習ができずに、不調が続くも、コンスタントにレースへ出場し、上位入賞を決めてきた。目立った優勝がないままで、今回このラスベガスへと駒を進めるわけだが、このレースに標準をあわせて、これまで多くのトップ選手をコーチングするTeam SiriusのコーチSiri Lindleyの元で練習を重ねているので、チャンピオンとして彼女らしいレースができれば、2連覇も夢じゃないだろう。

今年、最も調子が良いとされているのが、2011年IM70.3世界王者であるオーストラリア代表Melissa Hauschildt(メリッサ・ハウチルド)が、優勝に一番近い選手として有力だろう。去年は、脚の怪我に悩まされたことで、優勝を逃してしまったが、今年のシーズンは、出場したIM70.3 BoulderGeelongTimbermanで優勝をし、IM70.3Boulderを含む3レースでコースレコードを更新し、フランスで開催されたITUロングコース世界選手権でも優勝し世界王者のタイトルを得た。負けのないレースを重ね、先週末開催されたHy-Vee Triathlonでは、ノンドラフティングのオリンピックディスタンスにも関わらず、ITUの選手達が犇めく中で、2位に入賞し、その速さを証明している。徐々に成長してきているスイムと共に、追い上げを見せられるバイクと得意のランで、今年こそは、このラスベガスで世界王者奪還をできるだろう。

今年のシーズン初めに、IM70.3OceansideWildflower TriathlonEscape from Alkatrazとアメリカ国内の有名レースにて優勝を重ね、大きな注目を浴びていたアメリカ代表Heather Jackson(ヘザー・ジャクソン)も優勝候補から外せないだろう。特に、強みとしているバイクでは、男子に劣らないスピード力を持っており、苦手のスイムでのギャプを、すぐに埋められる様なパフォーマンス力を持ち、そこから急成長させたハイスピードランニングでトップに上がり優勝するパターンが多かった。シーズン後半は、2位入賞が多く、大きく目立ったような結果は残せていないものの、目標としている世界チャンピオンを目指して必ず最高のパフォーマンスを見せてくれるに違いない。

こちらもプロ男子勢と同じように、オリンピックで一区切りしたITU選手達が多数参加している。一番の大注目株は、あのロンドンオリンピクで素晴らしいスプリントフィニッシュと共に、銀メダルを得たスウェーデン代表Lisa Norden(リサ・ノルデン)に初優勝の期待がかかる。去年の5150Hy-Vee Triathlonにて優勝をしたことで、5150シリーズ王者として、今年のIM70.3Syracuseにて優勝をしたことで、優先出場権利を得て、今回初めてIM70.3世界選手権への出場を決めた。今年から、ITU界で有名なコーチDarren Smith(ダレン・スミス)の元を離れ、3xIM世界王者のCraig Alexander(クレッグ・アレキサンダー)をコーチとして迎え、一緒にトレーニング重ねていることから、これから70.3レースでも、今シーズンの最終目標としてこの世界選手権にて優勝したいという意気込みが現れている。

そして、このNordenだけではなく、ロンドンオリンピック出場したスイス代表Daniela Ryf(ダニエラ・リフ)も、IM70.3ヨーロッパ地区王者として出場を決めており初めてのIM70.3世界選手権でのスーパーパフォーマンスを見せられるかが注目だ。こちらもロンドン五輪出場し、ドイツ界の高速サイクリストとして、すでに恐れられている存在であるドイツ代表Svenja Bazlen(スベナ・バスレン)も、ITUでのスピードを持った要注意選手となるだろう。主にノンドラフティングのオリンピックディスタンスレースに多く出場を重ねていた、IM70.3アジアパシフィック地区王者としてオーストラリア代表Annabel Luxford(アナベル・ラクスフォード)にも大きな注目が浴びせられる。ITUのジュニア選手からエリートに上がってきた選手であり、そのタフなパフォーアンス力で優勝に近い存在になるだろう。

今回ダークホースとして上げられる選手としては、去年も優勝候補としてその名を上げられたものの、レース中のバイククラッシュで、不満が残る結果となってしまったカナダ代表Angela Naeth(アンジェラ・ネス)も再度優勝を狙って帰ってきた。今年のシーズンは、IM70.3 EaglemanBuffalo SpringRacineで3連勝を掲げており、ここ2年間で、急成長を遂げてきた選手であり、3種目共にバランスの取れたパフォーマンスをし、特にバイクとランも他に負けを知らない速さを持っていることから、もし強みのバイクで逃げることがあれば、そのままランで粘り勝つこともあるだろう。そして、もう1人飛躍的にパフォーマンス力を急上昇させてきた、同郷のカナダ代表Heather Wurtele(ヘザー・ワーテリ)も外してはいけないだろう。特に、今年はIronman Coeur d’Aleneにて優勝をコースレコードを弾きだし、IM70.3レースでは、Oceansideで2位の後、Panamaラテンアメリカ地区選手権とCalgaryで優勝する等、その実力を相当アップさせて、今回このラスベガスへ出場し、陰から優勝を狙ってくる選手になるだろう。

今シーズンは、あまりレース出場が少なかったものの、去年はランナーアップとして、3位に入賞したKelly Williamson(ケリー・ウィリアムソン)も出場を決めた。去年は、3代選手権シリーズのIMIM70.35150シリーズに出場し、ハードはレーススケジュールで、シーズンをこなしてきた。今年は、休息を取る期間を長くし、その分このメインレースとしてこのラスベガスを選び、いままで温存してきたパフォーマンス力を見せることができれば、得意のランで1時間15分で走り切ることができれば、ランナーアップとして上位に入賞または優勝もできるだろう。

他にも、IMハワイ出場勢であるアメリカ代表Lindsy Corbin(リンジー・コービン)にもバイクからの追い上げでどこまで上位に上がれるかが注目でもり、2010年IM70.3世界王者のイギリス代表Jodie Swallow(ジョディー・スワロウ)もプロ男子に負けないスイムスピードで、トップ通過間違いなしの力を見せ、その差を苦手のバイクで維持できるかが、彼女の優勝の行方を左右することになるだろう。

TWJ予想

プロ男子は、今回ITUからの選手が多いために、スイムからスピードが必要となるレース展開になり、一番実力が出るバイクコースで、誰が先頭で走り切るかが、ランにおいて、優勝候補が限られてくるだろう。特に、3種目とも力のあるJan Frodenoに大きな期待がかかっており、世界王者としての地位を維持するためにも、Craig Alexanderもそれを想定したレース展開で、得意のランで経験と共に頭脳的なレースをしてくるだろうと思われる。ランナーアップとして恐れられのが、Bevan Dochertyであり、未だにその実力は未知数なので、今回はこのIM70.3で完璧なレースシナリオを仕上げてきているだろう。

プロ女子は、同じ様に、ITU選手が多い中で、高速スイムが予想されるだろうが、タフなバイクコースにて、多くの順位移動がなされるだろう。一番あり得るケースとしては、スイムからランまで、3種目強いLisa Nordenが、始終トップを引っぱり優勝ということもありえるが、スイムの遅れから、バイクでトップ集団へ上がる実力のある選手が多く、高速バイクラップ後も、ランで1時間20分を切れる脚を持つ選手がゴロゴロいるので、そういう展開になった場合に、スーパーランナーMelissa Hauschildtに有利な展開になるだろう。そして、こういった対応できる選手としては、実力を上げてきているHeather JacksonAngela Naethが、このフィールドに火を注いでくれるだろう。

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