Performance within the reach(身近に感じられるパフォーマンス力)
これまで2005年に初代Cervelo P3発表時から、その画期的なフレームデザインが大きなインパクトを残し、長期に渡りトライアスロンバイクのスタンダードモデルとして定着し始め、愛され続けてきたスーパーバイクであるP3が、Cerveloが誇るエンジニア力から得てきた多くのフレームデザインやテクノロジーを注ぎ込み、生まれ変わった姿を、先週末にアメリカ・コロラド州ボルダーにて、メディア向けにその発表がされ、その全貌を明かした。いままで最も人気のあるモデルとして需要が大きかったCervelo P3は、その証拠として、2012年のIronman Hawaii世界選手権でも、バイクカウント断トツの1位で、Cervelo使用率483台中、P3だけでも252台を上回り、いままで多くのアマチュアやプロトライアスリートに愛用されてきた。特にチャンピオンバイクとしての名声とともに、ルーキーとして激的なデビューで、2007年Ironman世界王者に輝いたイギリス代表Chrissie Wellingtonや多くのIronman王者を肺出しているTeam TBBのCerveloライダーを筆頭に、性別や経験等を求められず、誰でもそのライディングを楽しめ、素早くパフォーマンスに影響し発揮できるバイクとして、そのゴールドスタンダードを長年維持してきた。そして、コストパフォーマンスを最大限に考慮して、誰にでも手に入れることができるスーパーバイクとして、そのバイク自身の性能とテクニカルな部分の扱い安さに加え、さらなるエアロダイナミックの向上と従来持っているその性能から生まれるパフォーマンスを、更にレベルアップさせたベストバイクとして製作された。
Learned from Lesson(レッスンから学ぶ)
まず最初に、S5やP5に求められたのは、スピード、パフォーマンス、エアロダイナミックがすべて最高の状態で揃うベストバイクを製作することがプライオリティーとされ多額コストを研究やエンジニアに注いでいたが、新しいP3に関しては、ただ単に新しい画期的なデザインを作り、スピードやエアロダイナミックを再度追求しすぎることではなく、限られたコストと今まで培った経験とテクノロジーを利用し、どんな状況下や体力レベルでも、更なるパフォーマンスに反映させる様なベストバイクを作ることを目的とした。
この新しいP3を一目見て分かるのは、いままで多くのエンジニアに力を入れてきたモデルであるS5やP5から学んだそのレッスンを、このP3のいたる所に注ぎ込んでいる。まず、シートチューブよりも前方のフレームデザインに関しては、P5から影響を受けた形成をしており、幅の広いヘッドチューブあたりの面積やフレームとフォークの淵のエアロダイナミックを意識したスムーズなデザイン。トップチューブには、Xlabステレスポケット専用の2つのボルトを付け、ダウンチューブ下方向に向かって大きくなるフレーム横幅は、S5から学んだ経験である、ボトル有り無し関わらず、最大限のエアロ効果を得れるダウンチューブのデザインを用いた設計をされているボトルケージ装着の2つのボルトに加えて、現在XlabとTrohansが製作している専用のストレージボックスを付けるための3つ目のボルトもボトムブラケット上についている。
そして、シートチューブから後方に向けて、S5で採用されたシートステイの肩部分の膨らみを出すことで、その後ろに位置するブレーキキャリパーが、横に飛び出ている状態を、正面から見ても隠れる様にし、うまく風を流すシートステイデザインを、コンピューター上の空力実験で使用するCDFテクノロジーを用いたシールディング・シートステイも採用をしている。特に、完成車でも採用しているMagura RT6(またはハイエンドモデルのRT8)を使用することによって、このエアロ効果を更に向上し、そのフレーム後方にかかる抵抗を最小限に、出来る様に考案された。
初期のP3から採用している、ホイールに沿ってシートチューブを湾曲させるように、カッティングしている技術であるシートチューブ・カットアウトを残し、そのシートチューブの形は、S5に近い曲線を描いており、体の体重が一番かかるこのパーツの強度や剛性、そして空力等、すべてがうまく働く様な要素をこの部分に取り入れている。
従来のシートポストの固定部分は、P5を含め、後ろから2点で締め付けるタイプが主流だったが、、新しいP3には、S5と同様のデザインである一点止めのシートポストロッキングを使用している。だが、シートポストのレールは、P5と同様のスライド式を採用していおり、細かい前後の移動で調整ができる様に配慮され、当初P5専用として発売されたXlabから発売されているシングルボトルケージホルダーDelta Sonicの装着も可能になり、サドルのレールに付ける従来のボトルケージホルダーのタイプ等も取り付け出来る用に配慮されている。
ボトムブラケットは、S5から採用している、独自で開発したボトムブラケット規格BBrightを使用し、従来のスレッド式ボトムブラケットよりも軽量で、さらに力が伝わり安いデザインと剛性と強度を出せるカーボンの形成が可能となった。左右の力の加わり具合等を考慮して、ノンドライブ側(左)のを幅広くすることで、一番力がダイレクトに伝わるクランク周りに、強度と剛性を持たせることによって、効率的なペダリングとフレーム自身の安全性を確保できる設計をしている。そして、内装化を容易にすませる為に、ボトムブラケット内に、穴を確保し、電動ケーブルやメカニカルワイヤーを通しやすい様に配慮されている。
ここからは、メカニカルな内容だが、このP3から新しく採用された技術として、BBStopというケーブルルーティングを使用している。いままでのP3には、フレーム内部までアウターワイヤーを通すことをせず、フレーム内部には、そのままインナーワイヤーを裸でダウンチューブを通し、ボトムブラケット下の穴から外に出し、チェーンステイの下側に沿って通すタイプだった。
BBStopを採用することで、無駄に内部のライナーガイド管を接着せずに、クリアな内部構造を作ることで、現在主流になりつつある電動用のケーブルの内装時の配線の簡易さの向上。そして、大半のライダーが使用しているメカニカル用のワイヤーの通りも、ダウンチューブ内にもアウターケーブルをそのまま通し、ボトムブラケット下までしっかりインナーワイヤーをガイドさせることによって、無駄なインナーワイヤーの干渉や角度ををなくし、できるだけボトムブラケット下以外の部分で干渉を少なくすることで、そこからストレートに伸びるワイアーの配線を作ることで、緩やかなシフティングを可能にしている。
P5で掲げていたSimply Faster(シンプルな速さ)の概念もこの新しいP3に残し、そのP5で証明したフレームデザインから発揮される速さも含める上に、エイジグルーパーのトライアスリートがマーケットの中心に置いているこのバイクなので、誰でもメンテナンスができ、遠征の梱包時にも問題なくこなせるような、P5の様な細かい部分を取り除き、取り外しの簡易さ等を維持している。特に、専用パーツが多いP5と比べても、このP3だと、その専用パーツがいらずに、他で手に入るパーツを代用できたりと、レース会場等のシーンで、メカニカルな問題が起きたとしても、簡易で素早い解決が可能になることを重点にも置いている。
Geometry(ジオメトリー)
新しいP3のジオメトリーは、基本的なフーレム部分は、P5と全く変わらないサイズ設定になっており、基本的にトライアスロン向けのバイクジオメトリーであって、ロードTTで使用するための概念は入っていない。値段が高価なP5を選択肢としてできないユーザーにとって、エントリーモデルとしてお買い求め安いP2も当てはまるとしても、Pシリーズの真ん中に位置するアップグレードモデルであるP3を選択することで、P5と同様の乗り心地を楽しめる上に、45から61サイズまで揃っていることで、フレームサイズ選びの幅が広くすることで、小柄から大柄なトライアスリートまで、どの選手もこのP3を乗りこなせる様なサイズ展開がされている。P5とP3同様に、現在Cerveloが掲げているジオメトリーのサイズ設定は、P2のエントリーモデルの様に、ヘッドチューブをやや高くすることでロングディスタンスを乗りこなす上で、アグレッシブ過ぎるポジションではなく、体の負担を軽減できる様なジオメトリーを取り、トップチューブをやや短くすることで、TTポジションを取る際に、快適に乗りこなせる様、バイクで完全燃焼する様なロードTTの考えではなく、バイクの後にランが存在するトライアスロンのことを考えたサイズ設定を確立している。
今回の進展としては、このP3のサイズに新しく45サイズ(650c)が、そのラインナップに加えられたことだ。現在のマーケットでは、小柄な選手が多い中で、プロトライアスリートでも、2010年Ironman Hawaii世界王者のMirinda Carfraeは、650cホイール対応の小さいサイズのバイクでフィティングをしていることや、ZippやHedのホイールメーカーも650c用のディープリムホイールを新しく作り始める等、その需要にあわせて、マーケット展開してきていることが、この45サイズを作った一つの理由でもあるだろう。実際、P5の最小48サイズは、650cを採用しているが、P3の48サイズには、(700c)のホイールに対応してきているため、ホイールマーケットでも主流である700cホイールが使用可能になるため、選択肢が大きくなるだろう。
Price and Components(プライスとコンポネント)
新しいP3の完成車には、下記のコンポネントが付属してくる。今年デビューを飾ったシマノのDura Ace 9000系のメカニカル(11速)、P5と共同開発で誕生した油圧ブレーキキャリパーのMagura RT6 TT、Mavicエリートホイールセット、Rotor 3D+クランクセット、今年の完成車から採用されたISM Adamoプロローグサドルが、最新のコンポネント付いた完成車で、米国価格で$5400で販売予定だ。高価な値段だが、比較的に他ブランドの$6000以上するハイエンドモデルやP5の100万以上する完成車と比べても、半分くらいの価格で、消費者にとっては、購入しやすい価格設定とそれに付属してついてくる上級のコンポネントを考えれば、非常にコストパフォーマンスが良いモデルである。
毎回、Cerveloを国内で購入する度に、問題になってくることは、どのサイズがいつ手元に届くかだろう。現在、北アメリカ市場の販売店に向けて発送を開始され、最初の生産段階作り始める、51、54、56サイズの展開を始め、その他の45、49、61は、従順に生産を開始させていく様だ。現在、アジアパシフィックマーケットにも目を向けており、カスタマーの声が代理店を通じて届きやすい状況下にあるので、サイズの要望があれば、すぐにアクションを起こしてくれるだろう。
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