今年で第2回目を迎える人気大会2013年Ironman Melbourneアジアパシフィック地区選手権が、エントリー開始5分で売り切れる程、高評価なレース内容の中で、世界中から多くのアスリートを引きつけている。現状は、去年の天候に比べ、寒さが目立つ天候が続いている感じはないが、フラットに近い高速バイクコースとランコースで繰り広げるられる展開が見物だ。
プロ男子
Craig Alexander(クレッグ・アレキサンダー)オーストラリア
3xIM世界王者のタイトルを元に、昨年のメルボルン王者でもある通称Crowieが、昨年のIMハワイ世界選手権での12位フィニッシュの悔しさが残る中で、そこでの経験から学び、パーフェクトなレースを再度この場で発揮してくれるに違いない。去年の様にラン勝負に持って行くことができれば優勝は確実で、先日3人目の子供が誕生した嬉しいニュースが、更なるモチベーションとして、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるだろう。
Marino Vanhoenacker(マリノ・バンホナッカー)ベルギー
現IMコースレコード7時間45分58秒という記録の保持者であり、バイクでの高速スピードと安定したランに定評がある。2012年IM世界選手権では、バイクで勝負をかけ、10分程の差を広げたものの、ランでは暑さに負けリタイアしてしまった。だが、シーズン最初のパフォーマンスがいつも印象が良いので、得意のバイクで逃げ切るスタイルをこのメルボルンでも実行し、そのまま優勝へ突き進む。
Cameron Brown(キャメロン・ブラウン)ニュージーランド
昨年のIMメルボルンで、Alexanderとランの最後5キロまで接戦を繰り広げたベテランが、再度その根性の強さを発揮できるかが、また面白い展開を生むだろ。だが、3週間前に、地元のIMニュージーランド出場し3位に終わり、そのダメージがどれだけ蓄積されているかが不安を呼ぶが、しっかりとリカバリーがなされていれば、トップ集団での争いに加わり、ランでの勝負に持って行きたい所だ。
Eneko Llanos(エネコ・ヤノス)スペイン
去年のこの大会で3位に入賞した実績を残しながらも、2週間前の灼熱のAbu Dhabi Triathlonの2位フィニッシュを経てから、Brown同様に疲れで影響されないパフォーマンス力が、どれだけ残っているかが問題視される。だが、得意のバイクとランのコンボがうまく形にはまれば、去年と同様にトップ争いを繰り広げ、最後まで見逃せない選手だ。
Jordan Rapp(ジョーダン・ラップ)アメリカ
昨年は、IMアリゾナからIMニューヨークまで優勝を重ね、大事故からの奇跡の復活劇を繰り広げたRappstarも優勝のチャンスを狙う。2012年IM世界選手権では、初出場ながら、スイムでの大幅な遅れを取り戻し13位でフィニッシュをするなど、そのポテンシャルをまだ潜めている。得意のバイクで好位置につけてば、サブ2:40も可能なランで優勝もできる実力がある。
Tyler Butterfield(タイラー・バターフィールド)バミューダ
Llanos同様に、Abu Dhabi Triathlonに出場し、3位に入賞後のレースとしてこのメルボルン大会出場を決めてくれた、北京とロンドンの2xオリンピアンのButterfieldも外せない選手だ。今年からロング転向し、過去にITUに出場しつつも、2010年IMハワイ出場経験のある彼は、今だに成長過程にいるが、元サイクリストとしてのバイクパフォーマンスを活かし、ハーフマラソン1:08台の実力を発揮できれば優勝も夢じゃない。
Luke Bell(ルーク・ベル)オーストラリア
去年は、IM世界選手権には不出場で、ここ数年のパフォーマンスの悪さを指摘されているが、今年始めのGeelong Triathlonで、そのスピードとパフォーマンスを取り戻し、2位に入賞した。2004年IM世界選手権で5位入賞の実績を活かし、このメルボルン大会でも先頭争いを見せてくれるだろう。
Christian Kemp(クリスチャン・ケンプ)オーストラリア
今年始めのIM70.3アジアパシフィック王者に輝いた、スター道を駆け走り始めたばかりの、Kempもここでのフィールドに熱い争いをもたらしてくれる。ロングディスタンス出場の経験はないが、去年まで70.3レースで上位に上がりつつ、今年のIM70.3オークランドで大ヒットし、今年とてもホットな選手だ。その後の、オーストラリアの大人気レースGeelong Long Course Triathlonでも優勝を掴み、そのパフォーマンスレベルが偽りではないことを証明しているので、今回ロング初挑戦で、どこまでその潜在能力を引き出せるかが見物だ。
Victor Del Corral(ビクター・デルコラール)スペイン
ヨーロッパ地区で密かにその存在を表し始めている選手であり、去年は、世界でも超タフなコースであるIM Lanzaroteにて、優勝を勝ち取ったことから、そのタフさと力強さをこの強豪フィールドの前でどれだけ表現できるかが、トップ入賞へと繋がる。そして、2011年のデュアスロンの世界選手権で2位になる等、そのバイクとランの力は本物だということをこのメルボルンでも証明してくれるダークホースになるだろう。
Clayton Fettell(クレイトン・フェテル)オーストラリア
去年のシーズンは、アメリカ国内の70.3レースにて3連勝するなど、その強さを十分に表してきたが、IMメルボルンやIM70.3世界選手権では、スイムトップで上がって来たもののバイクでリタイアが続いた。だが、経験を積んでいる過程におり、去年のレース同様にスイムで大幅な差で上がり、バイクで逃げ切るスタイルを再度証明し、ランの力が残っていれば優勝の希望も最後に見えてくる。
Jimmy Johnsen(ジミー・ジョンセン)デンマーク
デンマークのトライスターRasmus Henningの後継者として、2012年IM西オーストラリア優勝者のJohnsenも要注意な選手だ。3種目共にバランスの取れたパフォーマンス力で、唯一の北欧代表選手として、このメルボルン大会に参戦する。未だに、その実力を出し切れていない選手なんで、この強豪フィールドにて、どれだけ他の選手との攻めができるかが、上位へ潜り込める鍵となる。
プロ女子
Caroline Steffen(キャロライン・シュテファン)スイス
昨年は、IM世界選手権2位で、IMメルボルン王者であるSteffenも、2週間前のAbu Dhabi Triathlonにて2位に入賞した後に、このメルボルン大会でもスタートラインにつく。去年と変わらない詰め込んだレーススケジュールの中で、去年同様に、アジアパシフィックやヨーロパ地区タイトルを総なめするために、この今年のアジアパシフィック地区大会でのタイトル防衛も外せない。
Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)アメリカ
3週間前のIMニュージーランド王者となり、毎年強くなるパフォーマンスを証明し、今年一番ホットな選手へと上り詰めた、アメリカ期待のIM王者Kesslerも優勝を狙う。IM大会後のリカバリーが順調に進んでいるのなら、得意のスイムでトップで上がり、自分のペース乱さないバイクとランを遂行できれば、メンタルもフィジカルもタフな彼女が最後に生き残るだろう。
Gina Crawford(ジナ・クロウフォード)ニュージーランド
2012年IM世界選手権7位入賞し、先日のIMニュージーランドでは、Kesslerに対してランで詰めたものの2位でフィニッシュし、その悔しさが残る中で、再度この強豪フィールドにて、優勝を狙いに来た。IMニュージーランドではスイムの遅れが、バイクでも響きうまくペースを掴めずにいたが、ラン開始までに、うまく先頭集団に追いつくことができれば、ラン勝負で力を発揮するだろう。
Natascha Badmann(ナターシャ・バドマン)スイス
言わずと知れた6xIM世界王者の超ベテラン46歳のBadmannが、このメルボルンにてシーズンデビューを飾る。昨年のIM世界選手権では、ベテランとしての意地を見せ、6位入賞という結果を弾き出し、優勝候補として消え失せていた存在感を再度表してきた。一番の強みであるバイクパワーは、このフィールドの誰よりも勝らないパフォーマンスえお持っており、スロースイムから、フラットコースでのバイクでゴボウ抜きする姿が注目だ。
Yvonne Van Vlerken(ボン・バンブラーケン)オランダ
これまで6度のIMレース優勝や9時間の壁をヨーロッパのロングディスタンスで3度破ってきた実力もあり、2008年はIM世界選手権2位で覇者のChrissie Wellingtonの次にフィニッシュし、3度デュアスロン世界王者という多くの経歴がある選手だ。ここ数年は、うまく波に乗れずじまいだったが、特にフラットコースでの成績が大変良いので、このメインレースであるメルボルンにてサブ8時間のレース展開を見せてくれるだろう。
Nikki Butterfield(ニッキ・バターフィールド)オーストラリア
2週間前のAbu Dhabi Triathlonでは、ディフェンディング王者として防衛を狙ったものの、バイクパートでの痙攣でリタイアに終わったButterfieldが、メルボルンでリベンジを狙う。Abu Dhabi後に引退予定だったButterfieldだったが、急遽やりきれない思いと出しきれなかったパフォーマンスが残る中で、元サイクリストとしてのバイクパワーで、夫のTylerと共に優勝を狙いにくる。
Amanda Stevens(アマンダ・スティーブンズ)アメリカ
アメリカ代表のトップスイマーとして、どのレースでも、このStevensが先頭を行く姿を見ないことはないだろう。今年も同様のスタイルで、余裕の泳ぎでスイムトップで笑顔で上がり、問題視されるバイクとランのパフォーマンスでどれだけ先頭を維持できるかが上位入賞の鍵だ。
Sarah Piampiano(サラ・ピアンピアーノ)
エイジグループ上がりのビジネスウーマンだったPiampianoが、昨年プロデビュー1年目にして、IM世界選手権出場を果たし、その急成長具合が注目である。昨年は、70.3 New Orleans優勝するなど、アメリカ国内レースで上位に上がってき、スイムが苦手な分をカバーできるバイクとランで最後機番狂わせとしてトップ争いに影響するだろう。
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