去年の環境と打って変わって、今年の2013 Ironman New Zealandは、天候等に大きく影響されずに、ベストコンディションの中開催された。今回29回目を迎えるこのIMNZには、毎年通りに多くのプロやエイジのアスリートを引き寄せ、シーズン開始の機転となるロングディスタンスレースとして注目された。
プロ男子
早朝のまだ肌寒い中始まるスイムスタートの前に、10xIronman New Zealand王者のCameron Brown(キャメロン・ブラウン)に、多くの注目が集まる中、ロングディスタンス初挑戦を果たす同じく地元代表のBevan Docherty(ビーバン・ドカティー)にも、未知のパフォーマンスに期待が高まっていた。
スイムスタートし、まずハワイアイアンマンでもトップ2で通過したスイムが得意なエストニア代表Marco Albert(マルコ・アルバート)が、予想通りに飛び出し始め、他の選手との差を広げ始める。だが、ショート上がりのベテランで、スイムに自信のあるDochertyも、Albertの後ろをつきドラフティングし、良いリズムを作り始めていた。その頃後方では、散らばったパックで構成され、先頭を行く2人には着いて行くことはできない。
まずスイムフィニッシュをしたのは、Albertが45分34秒の割と速いタイムで上がり、その後すぐにDochertyが続く。少し時間を空き2分後に、ニュージーランド代表Terenzo Bozzone(テレンゾ・ボゾー二)とチェコ代表Balazs Csoke(ブラッズ・ソーク)がトランジションへと向かい、大幅に遅れてBrownが50分9秒でスイムフィニッシュし、追いかける展開になる。
バイクが続々とスタートするにつれ、天候も暖かさを持ち込み、まずAlbertが先頭を切り走り始め、そのすぐ後ろにDochertyが続き、様子を見る様に自分のペースを探し始めるライドを始めた。そして、追いかける展開になったBozzoneやBrownが、差を縮めようと頑張るが、先頭の2人は逃げるように、ペースを落とすことはない。残り40キロを残す所で、まだパワーを温存していたDochertyが、Albertを抜かし、1人で走り始め、できるだけ差を開きランを始めるアドバンテージをつけるためにとうとう逃げ始める。その間に、先日のバイククラッシュの影響で本調子がでないBozzoneは、失速し始め、先頭を行くDochertyと7分以上の差をつけられ、期待のBrownも10分以上の差をつけられ、ランで追いつくか、Dochertyが失速するかの勝負所になってきた。
まずトランジションに戻ってきたDochertyは、フレッシュな顔立ちで、ショートならではの素早いトランジションを見せ、ランをスタートした。3分後にAlbert、7分後にBrownがランスタート。優勝候補に挙げられたBozzoneは、バイクフィニッシュ後に、目眩で倒れ、リタイアを決めた。Dochertyは、後方の選手との差を縮められることなく、ランで快走を見せ、逆に差を広げ、優勝圏内のペースを維持する。後ろから、Albertの2位の位置は変わらず、3位に上がり始めたBrownのランに怯えながらも、今シーズンのランの良さを見せ、逃げ切りをはかる。
バイクの逃げ切りを見せ、そのまま2時間49分のベストランラップを出した、地元ニュージーランド代表Bevan Dochertyが初のロングディスタンス挑戦で、余裕の勝利と共に新しいコースレコード8時間15分で、2013年Ironman New Zealand王者へ初めて輝いた。その10分後、ステディなペースで2位を維持したエストニア代表Marco Albertがフィニッシュし、3位に10xIronman New Zealand王者のニュージーランド代表Cameron Brownがくしくも3位で終えた。
リザルト
1.Bevan Docherty(ニュージーランド)
00:45:44 | 04:35:06 | 02:49:46 | 08:15:35 |
2.Marco Albert(エストニア)
00:45:34 | 04:38:34 | 02:56:56 | 08:25:30 |
3.Cameron Brown(ニュージーランド)
00:50:09 | 04:41:52 | 02:57:16 | 08:34:28 |
4.Courtney Ogden(オーストラリア)
00:50:15 | 04:44:14 | 02:58:24 | 08:38:53 |
5.Balazs Csoke(ハンガリー)
00:47:40 | 04:48:51 | 03:03:55 | 08:46:05 |
プロ女子
スイムスタート後、すぐに強さを見せ始めたのは、やはりアメリカ代表Meredith Kessler(メレディス・ケスラー)が、トップスイマーとして差を広げ始め、スイムラップ47分37秒で早速トランジションへ向かう。大幅に遅れ、地元ニュージーランド代表Gina Crawford(ジナ・クロウフォード)が続き、他のトップ選手のCadice Hammond(キャディス・ハモンド)やCarrie Lester(キャリー・レスター)がトランジションへ向かう。
Kesslerはスイムの勢いで、そのままバイクでもステディなペースを維持し、さらに強くなったバイクの強さを証明しながら、さらに後方のCrawfordとの差を広げる。追いかける2013年Challenge Wanaka王者のCrawfordだったが、自分のペースを守り2位維持することだけに集中していた。3位にはLesterが続いていたが、先頭のKesslerとの差は、徐々に開いて行き、バイクの半分を来た所で、10分もの差を開いてしまった。
トランジションに帰ってきたには、Kesslerで、こちらもトップバイクラップで終了し、早々にランスタート飛び出す。その10分後に、Crawfordが戻り、3位にHammondがランスタートに準備し始める。ここで、追いつきたいCrawfordが、徐々に速いペースで、Kesslerを引き寄せ始めたが、そのKesslerも追いつかれまいとペースを落とさずに、フィニッシュを目指していた。
自分のペースを変えずに、そのまま逃げ切り、アメリカ代表Meredith Kesslerが、2013年Ironman New Zealand王者を去年に続き防衛し、2連覇を果たした。ニュージーランド代表Gina Crawfordは、4分程まで差を縮めたが追いつくことができずに2位でフィニッシュし、3位には、同じくニュージーランド代表のCadice Hammondが20分程大幅に遅れたが入賞した。
リザルト
1.Meredith Kessler(アメリカ)
00:47:37 | 05:04:44 | 03:19:24 | 09:17:10 |
2.Gina Crawford(ニュージーランド)
00:51:44 | 05:08:17 | 03:14:54 | 09:20:54 |
3.Cadice Hammond(ニュージーランド)
01:02:37 | 05:15:00 | 03:13:20 | 09:35:52 |
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