悪天候のため、3月3日土曜日に開催予定が、一日ずらし4日の日曜日に、70.3レース(ハーフアイアンマンディスタンス)にて、2012 Ironman (70.3) New Zealandが順調に開催された。実際の開催予定日だった、3月3日は、天気予報通りに近い強風の天候であったため、この主催者側の決断は正しいものだったと思われる。
レース当日の天候は、前日とは違い、風も強すぎず、朝は一桁の温度ということで肌寒い環境だったが、着実とレースが行われたようだ。
プロ男子
前日の風の余韻なのか、少し波が立つ中で、朝8時にスタートし、序盤からCameron Brown、Terenzo Bozzone、Marino Vanhonacker、Tim Reed等がパックをなして泳ぎ続けたが、その後すぐに、Marco Albert、James Cotterの二人が、パックから抜け出し、後続のプロ選手を引き離し始める。最初にスイムフィニッシュしたのは、エストニア代表のMarco Albertが24:13という、この日の最速タイムを出し、そして36秒後に、アメリカ代表James Cotterがトランジションへ。後続の優勝候補が連なるパックは、45秒の差を空けスイムフィニッシュ。
2人の選手を先頭にバイクスタートしたが、後方からTerenzo Bozzone、Marino Vanhonacker、Cameron Brown、Aaron Farlow、Tim Reed等のパックが、先頭の2人との差をすぐに縮め、50キロ地点から、このパックがバイクフィニッシュまで駆け走った。
トランジションに差し掛かると、Aaron Farlowを先頭に、続々とこのパックの選手が続いた。この時点では、バイクが強いとされているMarino Vanhonakerと他のトップ選手との差は数秒でしかないため、この後ラン勝負に持っていかれる。
先に、トランジションが速いTerenzo Bozzoneがランスタートし、それを追うように他の選手も走り始める。ランコースは、2周回で行われ、7キロ地点では、スピードスターのTim Reedが先頭を引っ張る形に持っていき、その後トップから1分差の間に、Terenzo Bozzone、Marino Vanhonacker、Cameron Brown、Aaron Farlowの選手達が接戦を繰り広げ追いかける。
そして、Tim Reedが一周目で、後方の2位のMarino Vanhonackerと46秒差まで広げ、Terenzo BozzoneとCameron Brownのニュージーランド勢は、徐々にランでスピードを落としてきてしまう。ここで、すでにあのアイアンマンレーコード保持者のMarino Vanhonackerから優勝を勝ち取ることができるという期待が、Tim Reedに生まれ始めた。
だが、最後まで諦めずに差を縮めてきた、Marino Vanhonackerが、最終的に、ゴール手前で追い抜かし1位に飛び出た。そして、2012年のIronman (70.3) New Zealandの優勝を手にした。2位のオーストラリア代表Tim Reedと48秒という差を広げたこともありこの劇的な追い上げは、見事な勝利でもあった。3位には、11連勝達成することができなかった、ニュージーランド代表のCameron Brownがゴールを切り、4位にはこれから注目のフランス代表Romain Guillaume、そして5位にオーストラリア代表でTeam TBBのAaron Farlowが入賞した。
今回、接近戦が繰り広げられ、先頭の選手がランコース上で入れ替わる中、やはり最後に生きた選手は、アイアンマン最速記録保持者が、そのスピードをバイクだけではなく、ランでの強さを見せつけ、Ironman 70.3 南アフリカに加え、今年2つ目の優勝を飾ることができた。この結果を見て、10連勝中がストップしたニュージーランド代表Cameron Brownが、3週間後のIronman Melbourneへの出場を決意した。
1.Marino Vanhonacker
00:25:37 | 02:12:19 | 01:12:41 | 03:55:03 |
2.Timothy Reed
00:25:40 | 02:12:31 | 01:13:28 | 03:55:51 |
3.Cameron Brown
00:25:39 | 02:12:24 | 01:14:15 | 03:56:38 |
4.Romain Guillaume
00:25:40 | 02:12:29 | 01:16:29 | 03:58:57 |
5.Aaron Farlow
00:25:40 | 02:12:29 | 01:16:29 | 03:58:57 |
プロ女子
今回、女子プロ選手の出場リストが発表が遅かったため、多くの有力選手をレースプレビューにてフューチャーできずにいたが、その中でも去年から着々と強さを上げてきているアメリカ代表のMeredith Kesslerが、スイム序盤から、男子プロのパックの後すぐに、26:39分のタイムで続いてトランジションへ。後方女子選手達は、Jo Lawn、 Gina Crawford、Belinda Harper、Kate Bevilaquaが66秒の差を先頭と開いて、続々とスイムフィニッシュした。
バイクに入り、先頭を行っていたMeredith Kesslerは、50キロ地点で、2位と3分以上の差を広げ、独走態勢に入った。その後ろに、Belinda Harper、Jo Lawn、Gina Crawford、Kate Bevilaquaの順で、それぞれバイクで先頭を追いかける様に、レース展開をして行った。そして、そのまた後方から、アメリカ代表で2011アイアンマンフロリダ優勝者のJessica Jacobsが、バイクの強さを見せつけ、更なる追い上げにかかけ、2:26:23のプロ女子最速バイクスプリットを出す。だが、ここで、35ー39歳のエイジグルーパーの女子で、2:26:18のタイムを出した選手がおり、事実上は総合2位のバイクタイムであることもわかった。
トランジションに入り、トップを独走するMeredith Kesslerとの差は、4分30秒以上に広がり、この時点で優勝は確実だと思われた。その後、2位以降の選手達で接戦も繰り広げられ、優勝候補でもあったJo Lawnは、その後ランで落ちてしまい、Kate Bevilaquaがランでの強さを見せ、2位に躍り出る。
しかし、1位との差が開きすぎたため、トップを始終独走していた、アメリカ代表Meredith Kesslerが、初の2012年Ironman (70.3) New Zealandの優勝を飾った。その7分後に、2位のKate Bevilaquaがフィニッシュラインを切り、3位には、ランで粘ったJoanna Lawnが入賞している。
今回、独走態勢で始終コンスタントなペース配分で、優勝を勝ち取ったMeredith Kesslerだったが、もし後方の選手達が、スイムである程度の差を縮めることができたなら、バイクやランでの接戦はあったかもしれない。2位以下の選手達は、フィニッシュタイムの近い位置でレースを終えており、トップ10には、3人エイジグループの選手が入賞していることもあり、今回のアイアンマン70.3に変更になったことは、かなり他のプロ選手に響いてしまったのかもしれない。
1.Meredith Kessler
00:26:39 | 02:29:57 | 01:21:38 | 04:22:46 |
2.Kate Bevilaqua
00:29:04 | 02:32:53 | 01:23:24 | 04:30:37 |
3.Joanna Lawn
00:27:45 | 02:33:42 | 01:23:48 | 04:30:40 |
4.Jessica Jacobs
00:37:24 | 02:26:23 | 01:22:00 | 04:31:46 |
5.Gina Crawford
00:27:48 | 02:35:45 | 01:23:45 | 04:32:45 |
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